賞金稼ぎ

ショー・ケン

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賞金稼ぎ

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「もううはうはよ、なぜか向こうからとびこんでくる間抜けばかりだ」
「お前は躊躇いがないなあ、悪人とはいえ、彼らも人間だ、お前に倒されるために生まれてきたんじゃなかろうに」
「そんなようなものだろう、知らんけどな」
 割腹のいいビール腹のカウボーイ姿の男が、またもや西部劇に出てきそうなバーでのんでおり、いい気分になっている。彼はいわゆる賞金稼ぎだ。多くの人間を捕まえてその星の政府にうっぱらう、金になるが、その後は星や国によって扱いは違う。見世物になったり、刑罰をうけたり、酷ければ殺されるだろう。
 男の傍らで二人の、またもやカウボーイ姿の男たちが、話をきいている。しかし彼らの方は物静かで、容姿もロボットだった。
「なあ、お前どうしてそんなにランクの低い人間ばかり、狩っているんだ、報酬もたいしたことないのに」
「いや、俺は、完全に機械化していないので、それほど金は必要じゃ……え?ちょっとまてよ?ランクって、Sランクじゃないか」
「SSSランクの事をしらないのか?」
「!?何のことだ」
「妙だな」
 疑問を抱きながら、仕事の時間だというので、彼らがいってしまった。

 すぐさま男は星間バウンティハンターの協会に問い合わせる。
「なあ、俺の獲物、犯罪者どもがなぜSランクが最高なんだ?」
 と、相手方は答えた。
「それはあなたが……なるほど、あなたは貧乏なので、私どもと奴隷契約を、おや、まさか?記憶が“とんで”おいでなのですね、ですから低能サイボーグは」
「お前、今日に限って口が悪いな」
「めっそうもございません、今までもずっとあなたに対しては毒をはいてきたのです、それはさておき、あなたとは100年の契約がございます」
「って、どんな?」
「あなたは、“サイボーグ化人”この世界で下から2番目に地位が低い人々です、完全な機械化を拒絶するのでいい仕事はめぐってきません、この時代ほとんどは完全機械化して頭の計算の早い人類の勝利です」
「俺より地位の低い人間ってのは」
「それはあなた、あなたが刈っている“犯罪者”ですよ、もっともそれらは、あなたのような、 AIや完全な機械人が人の仕事を奪い、かつ人々がサイボーグ化をおえ、体のほとんどを機械化した現代において、中途半端なサイボーグ化にこだわるあなた以下の存在です、もっとも、そんな人間本来いるわけがありません、ですから二番目に権利の低いあなたのような人々から、細胞を拝借し、クローンをつくるのです、“金のない人間”をね、そうすれば自然と、彼らは犯罪に走ります」

 男は吐いた、近頃ある違和感のある夢に悩まされていたのだ。そう、その夢で男は自分を狩り、狩られた人間たちは、処刑された。その意味を知って、とめどなく吐き続けた。あれはあながち嘘ではなかったのだ。
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