記憶違い

ショー・ケン

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ある女性Aさんが子供の頃の話。
D子という友人がいた。その家庭は貧乏で父親がよく暴力をふるう。しかしそれも、わからないようにやるので、支援する機関なども手を出せない様子だった。近所の間では彼女のなくなった兄というのが、父親に殺されたのではないかという話さえもあった。それとなかがよかったのがC君、加えてその時転校してきたばかりのB君だった。B君はD子ととてもなかがよかった。物知りで、よくB君のいう遊びをしたり、昆虫をとって遊んだり食べられる野草をとったものだ。

4人は大の仲良しで、楽しい日々をすごしていたのだが、あるときB君は、また転校していくと皆に打ち明けた。皆悲しんだが、B君はいった。
「C君、Dさんの事は君にまかせたよ」
 しばらくして別れの日がやってきた。、丁度その時期は、D子さんの兄の命日で、何でこんな日に、と、D子さんはなきわめいた。

彼が転校してしばらくしてからの事だった。D子さんの父親が児童相談所とひともんちゃくあり、その反動からか、つよくD子さんに手を出した。黙ってみている母。身の危険を感じ、急いで家をでて逃げたD子さんだっが行き場所がなかった。そこで皆でよく遊んでいる空き地にひとりぽつんといたそうだ。そこに、人影があらわれた。
「B……君?」
「つらかったね」
「B君!!」
 B君にだきつくD子さん。D子さんは声をあげてないていると、B君は、もう大丈夫だ、というと、そのままたちさっていったそうだ。

丁度そこへ、たまたま帰りが遅くなった母親と買い物をして帰宅途中のA子さんが通りかかる、D子さんが泣いていて体中に怪我があったので、ただことではないと、友人であるC君の母に電話し、警察がかけつけ、ひとまずD子ちゃんはAさん宅へ、話がまとまるまでそこで預かることになったが、結局両親とわかれて生活する事になった。

それからD子ちゃんとC君とA子ちゃんは離れ離れになったが、それでもなかよくやっており、都合があうときにはいつも一緒に遊んでいたのだそうだ。

 大学生になって、そのことを3人であつまっている酒の席で話すD子ちゃん、だがA子さんは、だまってうつむいて聞いていた。なにせ、B君なんていう友達はいなかったからだ。あのころ、時折Aさんが空中に向かって話しかけるのをしっていながら、家庭のことをあわれにおもい、そのことをC君とAさんはだまっていた。
D子さんから彼の様子を聞くに、亡くなった兄というのにそっくりだそうで、C君とA子さんの間ではなくなった兄が見えているのではという話になっていた。
 そこまではいい話なのだが、A子さんが黙る事には理由があった。

 D子さんいわく、日ごとにC君が、彼に近い言動を放つようになり、見た目も似ていっているのだという。しかしC君は気づいていないらしく、A子さんは彼にそのことを黙っていたが、結局二人は結婚して幸せになっているので、いまだにC君には言えずにいるのだという。

まさか、ここまでいい話なのに、C君がD子さん兄にのっとられているという話になるのは、恐ろしいのだった。そしてさらに恐ろしいのはD子さん本人は兄の事をいい人と記憶していたが、兄もまた、父親からの暴力によって、彼女をときおりつねったり、たたいたりして痛めつけていたことだ。もしその兆候がありそうなら、A子さんは、お祓いに彼らを連れていこうとおもっている。
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