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惚れてしまった
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【スポーツジム】
「どうして…どうして…梨香ちゃんと太一が?」
亜沙美は着替えの私服を入れたバッグを持って、スポーツジムの玄関を目指して走っていた。目撃した2人のKissが信じられなかった
(太一は唯一、独特なペースの私に寄り添って歩いてくれてたのに…梨香ちゃんとそんな仲だったなんて…私の勘違いだったの?)
まさか2人が既に、Kissをする程の恋仲だったとは知らなかった亜沙美。そして、それを事実として受け入れたくない想いが、亜沙美をこの場所から一刻も早く逃げ出したい気持ちにさせていた。そんな亜沙美は水着(ビキニ)にトレードマークのパーカーを羽織った姿で外に出ようとしていた
「ガシッ!」
「馬鹿っ!襲われたいの!?そんな格好で外に出たら危険過ぎるわよっ!」
全速力で追い掛けて来たロミータが間一髪、亜沙美が出入り口の扉に手をかけようとしたタイミングで引き留めてくれた
「ロミータちゃん…」
とは言え外から見えてしまう玄関口で、この水着姿はマズイ!と感じたロミータは周囲を見渡した
【宿直室】
「ちょっとコッチに来なさいっ!」
「えっ!?」
ロミータは掴んでいる腕を強引に引っ張り、亜沙美を警備員用の宿直室に連れ込んだ
「ガチャ」
「はぁはぁ…少し落ち着くまでここに居ましょ。ここなら梨香たちにもバレないし…良い?今から梨香に電話するわ。うん、悪いようにはしないから!ロミーを信じてっ!」
「うん…分かった」
亜沙美の同意を得たロミータはスマホを取り出し、梨香の携帯にコールした
「ブルルル♪…はい梨香ですわ…ロミー?」
「良い梨香。何処に居るかは言えないけど、太一を連れて帰ってちょうだい。ジムから出たらメールして、亜沙美はロミーが相手するから。うん、じゃあね」
携帯をしまったロミータは亜沙美の様子を確認した
「う、うぅ…太一と梨香ちゃんが…」
友達以上恋人未満で少しづつ太一と仲良くなっていけたら良いな。と思っていた亜沙美には、その太一が梨香とKissしている姿は大ショックだったようだ。小刻みに震えながら眼には涙を浮かべている
「大丈夫。大丈夫よ。ロミーが付いているわ」
「ロミーちゃん…ありが…!?」
「コツン!カツーン!」
嬉しさのあまり亜沙美がロミータに抱きつこうとした瞬間、部屋の外の通路を歩く足音(太一と梨香の歩く音)が宿直室にも聞こえてきた
「ぎゅ!」
この部屋に自分が居ることがバレたくない亜沙美は、小動物が飼い主に甘えるかのように無言でロミータに抱きついてきた
「プシュ…シューン…」
どうやら出入り口が開閉したようだ。聞こえていた2人の足音も聞こえなくなった。太一と梨香がジムから出て行ったようだ
「今ジムを出ました。太一君と少し話して別れたら、先に家に帰っていますね」
梨香からのメールの内容を確認したロミータは、亜沙美の方に向き直った
「少し待っててね。今このジムにはロミーたちの2人しか居ないから、自動ドアを閉めてくるわ」
……………………………………………
「ロミータちゃんごめんね…それとありがとう」
出入り口の自動ドアを閉鎖したロミータが部屋に戻ってくると、寂しさに震えていた亜沙美が、今度は声を遠慮なく出してロミータに抱きついてきた
「あ、謝ることなんて無いのよっ!ロミーは亜沙美の友達…親友なんだから、これくらい当然よ!」
「うわぁぁん(>︿<。)ロミータちゃん、ありがとう!ありがとうね!」
無理やり堰(せ)き止めていたダムが決壊したかの様に、ロミータに抱きついている亜沙美の両目から涙が溢れ出した
「うん。良いのよ( ´•ω•)۶”ヨシヨシ」
(どちらかと言うと、謝らなくちゃならないのはロミーなんだけどね。好奇心で利尿剤を飲ませて恥ずかしい思いをさせたんだから…でも…何なの亜沙美のこの可愛いさは!?こんなの同性でも好きになってしまうじゃない!!)
亜沙美に恥ずかしい思いをさせて揶揄(からか)うだけのつもりだったのだが、目の前で小動物のように甘えて泣いている彼女の姿を見たロミータは、完全に亜沙美に恋心を抱いていた
「ごめんね私…ロミータちゃんに甘えてばっかり…ぐずっ…今日のことも…配信に関してのことも…ロミータちゃんが居なかったら私…」
「良いのよ!これからもロミーを頼ってくれてっ!これからもロミーに甘えてくれて♪」
(むしろ甘えて!これからも一緒に居て!!…好きになっちゃった!惚れちゃった!ロミーは完全に亜沙美の事を好きになっちゃったっ!!!)
完全にロミータは亜沙美に惚れてしまった
恋人同士の様な関係を亜沙美と築いていきたいと考えている
(普通に考えると亜沙美の性格なら、同性と恋仲なんて脊髄反射的に拒否してきそうだけど……今!彼女からの信用を勝ち得た今ならばっ!)
亜沙美に惚れたロミータは、少し後ろめたい気持ちもあるのだが…この好機を逃す手は無いと確信していた
(2人の仲が絶対不動のモノにまで進展したら、折を見て話して許してもらおう。うん、それが良いわっ!!)
既にロミータは亜沙美との恋仲進展計画を考え始めていた。その時、1つの野望がロミータの中に閃いた
「そうだ亜沙美!今から亜沙美の家にお邪魔したら駄目かな?自分の家なら落ち着くでしょ?配信に関することも教えてあげられるし…今回の録画をどんな感じに放送するかの相談も出来るでしょ?ど、どうかな?」
「………うん、ありがとう!今ひとりになるの怖いから、ロミータちゃんが家に居てくれたら凄く嬉しいの!」
((๑˃̵ᴗ˂̵)و♪よっしゃー!!!やったわ!遂に亜沙美の部屋に侵入出来るわ♬この機会にイッキに亜沙美と親しくなるのよロミー!!)
「うん。じゃあ行こっか?」
亜沙美はロミータが不安定な今の自分を支える為に、家まで付いてきてくれるものだと考えている。もちろんロミータの中にも、その考えも有るには有るのだが…欲望から来る別の目的も有るのだった
亜沙美に惚れているロミータを部屋に招く。その行為が亜沙美に何をもたらすのか?
続く
「どうして…どうして…梨香ちゃんと太一が?」
亜沙美は着替えの私服を入れたバッグを持って、スポーツジムの玄関を目指して走っていた。目撃した2人のKissが信じられなかった
(太一は唯一、独特なペースの私に寄り添って歩いてくれてたのに…梨香ちゃんとそんな仲だったなんて…私の勘違いだったの?)
まさか2人が既に、Kissをする程の恋仲だったとは知らなかった亜沙美。そして、それを事実として受け入れたくない想いが、亜沙美をこの場所から一刻も早く逃げ出したい気持ちにさせていた。そんな亜沙美は水着(ビキニ)にトレードマークのパーカーを羽織った姿で外に出ようとしていた
「ガシッ!」
「馬鹿っ!襲われたいの!?そんな格好で外に出たら危険過ぎるわよっ!」
全速力で追い掛けて来たロミータが間一髪、亜沙美が出入り口の扉に手をかけようとしたタイミングで引き留めてくれた
「ロミータちゃん…」
とは言え外から見えてしまう玄関口で、この水着姿はマズイ!と感じたロミータは周囲を見渡した
【宿直室】
「ちょっとコッチに来なさいっ!」
「えっ!?」
ロミータは掴んでいる腕を強引に引っ張り、亜沙美を警備員用の宿直室に連れ込んだ
「ガチャ」
「はぁはぁ…少し落ち着くまでここに居ましょ。ここなら梨香たちにもバレないし…良い?今から梨香に電話するわ。うん、悪いようにはしないから!ロミーを信じてっ!」
「うん…分かった」
亜沙美の同意を得たロミータはスマホを取り出し、梨香の携帯にコールした
「ブルルル♪…はい梨香ですわ…ロミー?」
「良い梨香。何処に居るかは言えないけど、太一を連れて帰ってちょうだい。ジムから出たらメールして、亜沙美はロミーが相手するから。うん、じゃあね」
携帯をしまったロミータは亜沙美の様子を確認した
「う、うぅ…太一と梨香ちゃんが…」
友達以上恋人未満で少しづつ太一と仲良くなっていけたら良いな。と思っていた亜沙美には、その太一が梨香とKissしている姿は大ショックだったようだ。小刻みに震えながら眼には涙を浮かべている
「大丈夫。大丈夫よ。ロミーが付いているわ」
「ロミーちゃん…ありが…!?」
「コツン!カツーン!」
嬉しさのあまり亜沙美がロミータに抱きつこうとした瞬間、部屋の外の通路を歩く足音(太一と梨香の歩く音)が宿直室にも聞こえてきた
「ぎゅ!」
この部屋に自分が居ることがバレたくない亜沙美は、小動物が飼い主に甘えるかのように無言でロミータに抱きついてきた
「プシュ…シューン…」
どうやら出入り口が開閉したようだ。聞こえていた2人の足音も聞こえなくなった。太一と梨香がジムから出て行ったようだ
「今ジムを出ました。太一君と少し話して別れたら、先に家に帰っていますね」
梨香からのメールの内容を確認したロミータは、亜沙美の方に向き直った
「少し待っててね。今このジムにはロミーたちの2人しか居ないから、自動ドアを閉めてくるわ」
……………………………………………
「ロミータちゃんごめんね…それとありがとう」
出入り口の自動ドアを閉鎖したロミータが部屋に戻ってくると、寂しさに震えていた亜沙美が、今度は声を遠慮なく出してロミータに抱きついてきた
「あ、謝ることなんて無いのよっ!ロミーは亜沙美の友達…親友なんだから、これくらい当然よ!」
「うわぁぁん(>︿<。)ロミータちゃん、ありがとう!ありがとうね!」
無理やり堰(せ)き止めていたダムが決壊したかの様に、ロミータに抱きついている亜沙美の両目から涙が溢れ出した
「うん。良いのよ( ´•ω•)۶”ヨシヨシ」
(どちらかと言うと、謝らなくちゃならないのはロミーなんだけどね。好奇心で利尿剤を飲ませて恥ずかしい思いをさせたんだから…でも…何なの亜沙美のこの可愛いさは!?こんなの同性でも好きになってしまうじゃない!!)
亜沙美に恥ずかしい思いをさせて揶揄(からか)うだけのつもりだったのだが、目の前で小動物のように甘えて泣いている彼女の姿を見たロミータは、完全に亜沙美に恋心を抱いていた
「ごめんね私…ロミータちゃんに甘えてばっかり…ぐずっ…今日のことも…配信に関してのことも…ロミータちゃんが居なかったら私…」
「良いのよ!これからもロミーを頼ってくれてっ!これからもロミーに甘えてくれて♪」
(むしろ甘えて!これからも一緒に居て!!…好きになっちゃった!惚れちゃった!ロミーは完全に亜沙美の事を好きになっちゃったっ!!!)
完全にロミータは亜沙美に惚れてしまった
恋人同士の様な関係を亜沙美と築いていきたいと考えている
(普通に考えると亜沙美の性格なら、同性と恋仲なんて脊髄反射的に拒否してきそうだけど……今!彼女からの信用を勝ち得た今ならばっ!)
亜沙美に惚れたロミータは、少し後ろめたい気持ちもあるのだが…この好機を逃す手は無いと確信していた
(2人の仲が絶対不動のモノにまで進展したら、折を見て話して許してもらおう。うん、それが良いわっ!!)
既にロミータは亜沙美との恋仲進展計画を考え始めていた。その時、1つの野望がロミータの中に閃いた
「そうだ亜沙美!今から亜沙美の家にお邪魔したら駄目かな?自分の家なら落ち着くでしょ?配信に関することも教えてあげられるし…今回の録画をどんな感じに放送するかの相談も出来るでしょ?ど、どうかな?」
「………うん、ありがとう!今ひとりになるの怖いから、ロミータちゃんが家に居てくれたら凄く嬉しいの!」
((๑˃̵ᴗ˂̵)و♪よっしゃー!!!やったわ!遂に亜沙美の部屋に侵入出来るわ♬この機会にイッキに亜沙美と親しくなるのよロミー!!)
「うん。じゃあ行こっか?」
亜沙美はロミータが不安定な今の自分を支える為に、家まで付いてきてくれるものだと考えている。もちろんロミータの中にも、その考えも有るには有るのだが…欲望から来る別の目的も有るのだった
亜沙美に惚れているロミータを部屋に招く。その行為が亜沙美に何をもたらすのか?
続く
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