上 下
9 / 464
第1章 はじめてづくし編 

蒼のギルドへ…… カナエ、ギルドが遠く感じる。

しおりを挟む
お爺さんを見送り、カナエは貰ったプレートを確認した。

〔【ドラバーン家のエンブレムプレート】〕

王建8機族【竜機の紋章】

ナインアール王国を建国した【10機体】の竜を司る貴族。竜に認められし者が、守護騎士団の団長として赤竜騎士になる。

この【エンブレムプレート】があると、ナインアール王国の騎士団施設に通行許可がおりる。アルバと連絡が取れる。

(ひょっとして、お爺さんって…… 偉い人?)

お爺さんを呼びに来た騎士に一礼し、カナエは【蒼のギルド】を目指す。

(凄い…… ファンタジ~♪ 中世な街並みで馬車をひく大蜥蜴や、自分より大きいハンマーを担ぐドワーフ!! 弓矢を背負った美人さんは…… あっ、あの長い耳! エルフだ♪)

「おい…… そこのチビ猫! お前、プレイヤーだな。俺逹が仲間にしてやる。って、おい! 無視してんじゃね! お前だ、お前! そこの黒猫のチビ獣人!!」

(えっ、黒猫って…… 私の事?)

カナエがファンタジーな世界に圧倒され回りを見回していると、いきなり絡まれる。

その姿を見ると…… 世紀末ヒャッハーなチンピラ風のプレイヤーが数名。

(どうしよう……)

「ねぇ、あの子……」「ジジイ竜騎士と居た……」「ゴスロリ黒猫……」「(;´Д`)ハァハァ……」「ヒーラー?……」「イベント?……」

(何? ざわざわしてる…… なんか騒がしい?)

カナエは焦りながら回りを見ると……

(人混みが出来てる!? 何で? 囲まれた…… ヤバイ!?)

「ちょっと!その子は、わた「待ちたまえ!少女と幼女の保護は、ワレワレの使命!!よって、その黒猫幼女神は… ワレワレが」うるさい!黙れ!!わたくしの物よ!渡さないわ!」

ヒャッハー逹に向かって、巻き髪のお嬢様?と黒ローブ集団が抗議して、揉め始める。

(ヤバイな…… これ以上騒ぎになると、兵隊さんのお世話になるかも…… うん? あれは……)

カナエの目に…… 騒ぎで子どもがよろけるのが写る!

「危ない!」

カナエは、咄嗟に【浮遊】で滑り込む!

倒れる前に、なんとかキャッチ!

(ありがとうGMお姉さん師匠、練習のおかげです)

カナエは、スキルのLvが上がったおかげで、浮遊中の移動が可能に魔力操作で速度もアップしていた。 

「大丈夫?」

カナエは、抱き抱えた子どもを降ろしながら…… 怪我してないか確認する。

(この子…… 白猫の獣人だ! 可愛い♪)

「こっち……」「えっ? あっ…… ちょっ!?」

カナエの言葉に頷き、そう言うと…… 獣人の子供がカナエの袖を掴み走り出す!? 

浮遊状態のカナエは、獣人の白猫ちゃんに引きずられるかたちで(実際には、浮いてます)狭い路地に入る!

「「「待ち……!?」」」

 背後から、怒号が聞こえたけど…… カナエは、それ処じゃない!!

(白猫ちゃん速すぎ! 見た目5~6歳の子なのに!?)

全力疾走中の獣人に引き摺られる街中は…… 普通のジェットコースターより恐い!!

(止めて! 塀の穴とか生け垣の合間とか…… 無理だから、ぎゃあ~!?)

カナエが必死に身を屈めていると…… 少し先に西部劇に、よく見るドア?の付いた建物が見えた。白猫ちゃんがカナエを連れて滑り込む!

「お帰り~シロ? 後ろの嬢ちゃんは、お客か?」

其処に居たのは…… 立派な髭のおじさん?ドワーフでした。

しおりを挟む

処理中です...