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第5章 動き出す〇〇編 

帝国の面々と城塞の新兵器

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帝国軍本部会議室…… 帝国軍の幹部が集まっていた。

「次の作戦は…… 上手く行きそうなのか?」

「あの連中を気付かれずに王国に送り込めるか、どうかだな」

「前線基地作りの豚と小鬼は、何をしている?」

「彼奴らは、駄目だ…… 見つけたダンジョンに骨抜きにされた。このまま囮になって貰うか?」

「蒼人達の死に戻りの時に会ったが…… アレは、もう別人だな。気持ちの悪い笑顔で死に戻って来たからな」

「王国攻めの時までは放置しろ…… 目眩ましぐらいになれば良い。狂賢者さんも、次は王国内だ…… 我が軍の蒼人達の死に戻りには気を付けてくれ」

「貴殿方が頑張れば、私が王国の牢に居る間に帝国になりますよ」

「それは我等が勇者様しだいでしょうね…… 勇者様の率いるあの軍勢なら大丈夫でしょうが」

「油断は禁物ですよ。アレの出所も元は王国でしょ? 似た物がある可能があります」

「フン! 鉱山の殆どを我等の物にしたのだ。補給があるまい、戦いは数で決まる」

「別動隊の準備も整いつつある。抜かりは無いでしょう?」

「切り札も奥の手も用意周到ですよ」

「唯一の気がかりが…… 勇者様を退けた【魔王】と同じく退けた【天空城】か」

「出てくるでしょうか?」

「わからん、が、できれば【天空城】は…… 我等の物にしたいな」

「では、出て来たら手はず通りに……」





地下のバーでの集会の後…… 私は【空中城塞都市】に戻って来ました。

(大変でした…… オーク達に関する質問を回避して、ダンジョンの鉱物を欲しがる師匠とモンスター目当てのミントスさんと女性陣から逃げるのは……)

「主、疲れてるとこ悪いんだけど、壊れた試作品どうする?」

「【妖精】の試作部品?」

「そうです。殆ど特殊な合金なので、使い道に困りますね…」

エミリーとエナが、部品の山を見ながら私に訴えて来る。

「う~ん…… レールとか作れない?」

「レール? 何に使うんだ?」

「リニアレールとか?」

「「リニアレール?」」

「え~とね。レールの上を走る【自走砲台】作って、再加工が難しい合金を細かくしてコーティングして弾丸に使うとか、リニアカタパルト作ったり…… あっ!レールガン作ろうよ」

メインシステムとレールの設置を相談しながら、スパイダーが再加工を始める。エミリーとエナの姉妹、タラちゃんは【妖精】の部品の試作を再開。実験を終えた部品をスパイダーが再加工して、レールと弾丸を量産して行く。

【空中城塞都市】の武装面の強化も始まり、メインシステムに【秘密兵器】の配置を指示ておく。

レールの設置に親方達が頑張ってくれてます。

特殊な進化をした。エミリーとエナのテイムモンスター【メカニックコボルト】と【メカニックケット・シー】が、大小様々な【レール大砲キャノン】を量産して行く…… リニア車両に設置して【自走レール大砲キャノン】の量産も始まった。

色々と進行して行く中、私は【モフモフコース】産のスパイスと野菜をリンちゃん達に届けに行くと……

【冒険屋】で、不審人物発見!

発見は偶然でした…… 食材を届けにカフェレストランに行くと、見え方がおかしな人物達が食事中…… 偽装してる!?

私は【ちい】と【カーバンモモンガ】の【コモモ】を召喚!

「もんちゃん!」「きゅ~ん♪」(ヒシッ!)

召喚直後に抱き合う二人…… この二人は、私のテイムモンスターの中でも、とっても仲良しさんなんだよね。

「二人共聞いてね。あそこで食事中の人達を尾行して欲しいの…… 何かしたら撮影してね」

「はい、姫様。がんばろうね♪もんちゃん」

「きゅい~ん♪」

食事を終えた不審人物達を、コモモに乗ったちいが尾行を開始……

私は…… リンちゃんのカレーを食べながら待つ…

食事後のお茶を飲みつつデザートを3つ食べ終えた時に、ちい達が戻って来ました。

「お疲れさま、これでも食べててね」

追加で頼んだフルーツタルトを、ちいとコモモの前に置くと…

「姫様。ありがとう」「きゅ~」

二人で仲良く分けあいながら、食べ始める姿にほっこりして、映像を見る……

そこには…… 路地裏に何かをしている不審人物が映っていました。

「これは…… 報告案件だね。確認も必要かな?」

私は映像を確認しながら、ジノさん達にコールしました。

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