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第5章 動き出す〇〇編 

モンスター牧場の主VS英雄の王と獣の王

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 ~ 隕石落としメテオストライク直後…… ~

土煙が消えると…… 俺達の目の前に城が現れた!?

「レオン王! 空に城が……」

あれが、カナエさんの城か…… 意外にデカイな。王都の4分の1ぐらいの空飛ぶ城が現れて、敵味方が騒ぎ始める。

「報告、ワイバーンが多数、天空城に向かっています」

帝国は、カナエさんの城を奪うつもりだな。

助けたいが…… 空の上では難しいな。

「レオン王! モンスター共が動き始めます!」

「総員、構えろ! 一匹たりとも後ろに通すな!」

モンスターの大群と王国軍が衝突した! この数のモンスター…… 何処から連れて来た!? 帝国軍側の地面が見えない程のモンスターが、倒しても倒しても次々雪崩の様に襲い来る!

『くっくっくっ、始めまして、レオン王…… 私は【牧場主】…… どうです? 私の【家畜】達は?』

テイムモンスターか? オウムの様な鳥が話し掛けて来た!?

「お前が…… モンスター達のテイマーか?」

『いえいえ、私はただの牧場主ですよ。モンスター牧場のね…… この度は、私共の繁殖モンスターを皇帝様がお買い上げていただきましてね…… 私共としても、繁殖モンスターが【英雄王】を倒せば…… 良い宣伝になるのですよ』

「もう勝った気かい? 君たちのモンスターは騎士達に倒されてるけど?」

『くっくっくっ…… 強がって居られるのも時間の問題。ほ~ら~聞こえて来ませんか? 破壊の音が』

「報告! お、大型モンスターが…… た、多数出現! こちらに来ます!」

『貴方の為に用意した…… 新種です♪ せいぜい神話の様に戦って喰われて下さい。期待してますよ』

一匹の大型モンスターが一直線に飛んで来る……

多数の魔物の頭が見える!? 翼を持った…… 大型の【合成獣】、キメラの亜種だ!

「王、後退を!」

「間に合わん! 迎え撃つ……!?」ズバーン!!

多数の口を開き、今にも私達を喰らをと、飛び掛かって来たキメラが…… 真っ二つになって地面に墜ちる。

「借りは…… 返したぜ! レオン」

「デンライ!」

私達の目の前に、愛用の大剣を肩に担いた【獣王】デンライが立っていた。

『これはこれは、元【獣王】のデンライ様ではありませんか♪ 貴方も、私共の宣伝に役立っていただきましょう…… 行け!家畜共!』

モンスター達が再度、侵攻を始めるが……

「さぁ、やろうか? 英雄達の王様」

「ああ、獣けものの王よ」

デンライが【獣王】のユニークスキル【獣王の気配】を発動。オークを始めとした敵魔獣系モンスターが……【状態 恐怖】になる。味方の獣人や騎獣のステータスが10%アップした。

「我は、英雄達の王…… 我旗の元、我が軍は…… 英雄となる!」

【英雄王】のユニークスキル【英雄の軍旗】を発動。このスキルは…… 私の味方を、一時的に英雄化する! ステータスが10%アップする上に、モンスターや邪悪な者が相手側に居ると…… 攻撃力、魔力、防御力が倍になる。

「ち、力が…… 力が湧いてくる!?」

「行ける!行けるぞ! モンスター共を叩き潰せ!」

王国軍の反撃が始まり、モンスター達を駆逐する! 私とデンライで、大型モンスターを斬り倒して活路を開く!

「楽しいな? レオン。テストプレイのイベントテストを思い出す……」

「あの時に比べれば…… フン!「ギ、ギャー!」このモンスター共は雑魚だな」

モンスターを倒しながら…… レオンとテストプレイ時のイベントを思い出す。

あれは…… 酷かった…… 今程にLvとスキルが無い中…… モンスターのど真ん中に転移…… それに比べれば…… 全然楽だ。

『くっ! 繁殖モンスターは、まだまだ居るぞ! 戦争は数だ! 数で押し返して!?』

「!? 天空城が動き出したぞ!」

カナエさんの城が動き出した……

奪われたのか!? 動きがおかしい…… あれは…… 変形してる?

その光景に…… モンスターすら動きを止める。1~2分ぐらいで変形を終えた…… カナエさんの城は…… 戦艦だった。

『い、今さら戦艦もどきが出ようが、レオン王を倒し王都に入……』

オウム型モンスターが牧場主の言葉を騒いでいると!? カナエさんの戦艦が動き出した。船首が開く…… しばらくして、物凄い轟音がして何かが発射された。

発射された物体が…… 帝国軍の陣地の上空で爆発!? 破片が降り注ぎ…… 帝国軍の3分の1が消滅した。

さっきまで、五月蝿かったオウム型モンスターが消える…… 牧場主が死に戻ったか?

しかし……

「「カナエさん…… 何作ってんの……」」

あまりの光景に…… 俺とデンライの呟いた言葉がハモった。

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