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第8章 現実と新世界と…編

反逆のアグラ! ~ 今できる私の戦い ~

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「…… ボスフィールド?」

何時の間にか……【フェアリーガーデン】の中庭が、古びた古城の玉座の間に!?

怪しい機具が部屋に並んでいる… ちょっとした階段の上の…… 玉座の前で…… アグラが鞭をしならせている。

「ここならば…… 誰の邪魔も入らないわ…… さあ! カナエ。いい声で鳴きなさい!」

「やです!」

「!? な……!」

神眼で鞭の軌道を読み…… 最小限で回避! 下手に受けたら捕縛されるよね? どうしようかな……

「何時まで…… 避けれるかしら!」

アグラが鞭の速度を上げる! ヒュンヒュンと唸りを上げる鞭が私を襲う!

「いっ痛! う~……」

何時もの癖で……【浮遊】を使いそうになって、バランスを崩し鞭が左腕をかすった!

「どうしたの? 逃げるだけなの? 元主さま!」

「く~(ツルン)うっ!?」

バックステップで避けようとして、滑った! 後頭部に大ダメージ!! あまりの痛さに転げ回る。

「アッハ♪ いい的ね。食らいなさい!」

「いっつ~……」

「この…… ちょこまかと!」

転げ回りながら、怪しげな機具の下に潜り込む! 危なかった…… 機具の隙間を這いながら柱の影に避難!

「いったぁ…… アグラめ、も~許さないからね」

カナエは、ストレージから素材アイテムを出した。

「さあ、実験を始めましょう♪」

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 ~ アグラ ~

私……? 

私は王…… 

女王クイーンのアグラ……

私は…… 魔王カナエによって産み出された…… 偽の魔王……

産み出された時から、私の内に【何か】が渦巻いていた……

その渦巻く衝動を…… 私は…… 任されたダンジョンで、侵入者達にぶつけていた……

時には、戦闘で…… 時には、拷問で…… 快楽に身を沈めて…… むさぼり食らう時もあった……

そんな時に……

私…… いいえ…… 彼女カナエに産み出された者達全てが…… 感じた……

彼女カナエから彼女まおうが奪われた事を……

彼女に産み出された…… 多くの者は、彼女の為に備え始める! ある者は…… 彼女を守る為に自身の強化を! また、ある者は…… 彼女を強化する為の武具を作り始める……

そんな中で……

私の内で渦巻く者が…… さらに強くなる……

そして、私は…… 気付いてしまった…… この渦は、私の【本能】だ。

私の元となった武具……【クイーンシリーズ】のせいか…… それとも、【クイーンシリーズ】付けられた【呪い】せいか……

その【本能】が…… 私に問い掛ける……

私は…… 何だ?

私は…… 魔王カナエに産み出された…… 偽の魔王……

私は…… 魔王?

私は…… 魔王カナエのダンジョンの魔王にせもの……

カナエは… 魔王ほんもの

今は…… 違う…… 奪われた……

なら…… 私が魔王ほんもの……

カナエを倒し…… 私が【真の魔王クイーン】になる!

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「何時までも、隠れてないで…… 出てきなさい!」

私は、カナエあるじの隠れる柱を鞭で砕く!

「あら? やる気かしら…… カナエ?」

砕いた柱の影から現れたのは……

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 ~ カナエ ~

「今の私に使える武器は……」

アグラの攻撃を掻い潜り、柱の影でストレージから…… 一振りの【刀】と【部分甲冑】を取り出す。

テッシン君と鬼人の刀匠と甲冑師が、【神獣】の素材アイテムで作った【試作品】だ。

「たしか…… 刀は【海神龍の牙】に他の神獣様の素材を練り込んで焼き直したって…… 言っていたような? 部分甲冑も、神獣様の素材で作ったのかな?」

ストレージから【ミスリル】を取り出す。

【ミスリル】別名【妖精銀】…… 金属の中でも、魔力との相性の高い金属。その特性から【魔導具】や【魔導武具】の素材に使われる。純度が高いほど魔力が良く通るので、伝説級の【魔導具】や【武具】の魔力回路に高純度の【ミスリル】が使われている事が多い。

【地の最高神】様から貰った【ミスリル】は、もちろん! 最高純度! その【ミスリル】を厚さ1ミリの金属板に瞬間錬成! 魔力回路を書き込む! 【全属性付与】に【魔力登録】を刀に、部分甲冑には【全属性耐性】と【物理攻撃耐性】を、これまた瞬間錬成で武具に組み込んだ。

ドッゴ~ン!

左腕の手甲に追加ギミックを組み込んだとこで、柱が砕け散った!

その場合わせの…… 夏服仕様の黒のセーラー服に、黒猫のネコミミパーカーと、部分甲冑に刀装備で、アグラと向かい合う……

「武具を装備したところで…!?」

アグラが振るった鞭を、刀に魔力を通して【風の属性攻撃】を飛ばして弾く!

「属性攻撃!? その刀…… 魔剣の類いかしら!」

アグラがさらに激しく鞭を振る! キャンドルも来た!

「くっ!」

飛ばせる属性攻撃は、単体攻撃だけ…… 私は、部分甲冑に魔力を通して【フェアリーフィールド】を張って、アグラに突っ込む!

「特攻!?」

「当たれぇ~!!」

アグラの攻撃を掻い潜り、アグラの腹部に左腕の手甲を押し付けて…… ギミックを発動!!

「ふぐぅ!?」

アグラが後ろに吹き飛ぶ!

「やってくれたわね……」

アグラが吹き飛びながらも、上手く着地してこちらを睨む!

「もう終りにするわ……」

「ええ…… 私の勝ち♪」

「えっ!?」

「【解放】……」

私は左腕の手甲のギミックで、アグラに打ち込んだ【魔力回路】発動する! 左腕の手甲に仕込んだのは……【魔力回路】を打ち込む為の尖端がスタンプ型の【パイルバンカー】…… その効果は……【封印(石化の呪い)】……

私は……【封印(石化の呪い)】を【解放】した……

「そんな…… カナ…… 主さ……」

「おやすみ…… アグラ」

アグラは…… 物言わぬ石像になった……

「あ……」

ボスフィールドが解除されて、フェアリーガーデンの中庭に戻る…… 其処には……

怒り顔のせっちゃんと、笑顔のロッテ達ジュエリーズと、エミリーとエナをはじめとした……

みんながいました。

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