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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

元魔王の混沌神と勇者パーティー

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ジノさんから連絡を受けて……

海底探査する為にホエール1の改修を急ぎ水中装備の探査部隊を用意して、受け渡しの為に冒険屋に移動すると……

「ここ…… 魔を感じます」

中高生ぐらいの冒険者の少女達が冒険屋にいました。

「参ったなぁ…… あの子……【勇者職】だ」

冒険屋の二階、関係者限定カフェテラスから様子を伺うと……

「片手剣に盾で軽鎧が勇者の子だね。後は、うわぁ…… 聖騎士に賢者と忍者…… あっ! 銃士もいるよ。勇者の子…… 何職だろ?」

カレー料理を食べる5人娘を観察しながら、ジノさん達が来るのを特大モンブランを食べながら待っていると……

「う~ん…… 気付かれてるかぁ~」

勇者娘と忍者娘が…… 私のいるカフェテラスを警戒しているのを感じて、ジノさんにメールを送って冒険屋を出た。

「付いて来てる…… どうでしようか?」

忍者娘が…… 私を尾行している。

(狙いは…… 私? でも、何故?)

元魔王とは言え…… 今の私は違うし、あの勇者パーティーと面識が無いし、思い当たる事も無い。

「狙いが何か解らないなら、本人達に聞くのが1番だけど…… ねぇ」

街中での騒ぎは避けたいから…… 王都を出る事にした。

(王都の外まで追って来るかな?)

索敵をしながら、人のいないフィールドに進むと……

「追って来た…… だけど? 忍者の子だけかぁ……」

(一人で、どうする気かな? まさか!? 仕掛けて来る?)

忍者娘の反応が消えると…… 索敵に反応が4人増えた!?

「勇者パーティー!? どうやって…… 召喚魔法? でも、魔法の反応は無かったけど…… ね!」

背後に現れた忍者娘に魔法を撃ち込み! 間合いを取ると…… 忍者娘を庇う様にして、聖騎士娘が盾を構えて立ちはだかる。

「チッ!」

私は、障壁を展開すると魔弾が飛んできた! 狙撃されてる。

「もう、抜け駆け禁止でしょ!」

私が、狙撃を対処している内に、残りの勇者パーティーが現れた。

「一人の時に不意討ちするなんて…… PKかな?」

「「「「「ちがう!」」」」」

「違う? 私の事を付け回して、王都を出て人気が無い処に出た瞬間に不意討ちって…… PKじゃない」

「う…… うるさい!」

「魔王が王都で何を企んでる!」

「魔王(元なんだけど)?」

「誤魔化さないで! 貴女から【アイツ】と同じ様な気配がするのよ!」

どうやら、勇者娘の魔王感知に引っ掛かったらしいけど…… アイツって、誰だろ?

「アイツって、人の事は知らないけど…… 今の私が魔王として暴れる理由は無いけど」

「信じられるか!」

「日ノ本のぼうけん屋もダンジョンでしょ! 王都の中にダンジョンを作る気!」

「日ノ本のぼうけん屋は、元の建物がダンジョン物件だからだよ。近くの神社の猿神様達に聞けば証明してくれるよ?」

「…… 魔王の言葉が信用出来るか!」

聖騎士娘が斬りかかって来た!

「貴女…… 騎士失格ね!」

神衣が攻撃に反応して、魔王に成り立ての時のゴスロリドレスアーマー形態にチェンジする! 聖騎士娘の斬撃を手の平で作った魔弾で弾き返す。

「くっ!?」

「「「「!?」」」」

変化した私の装備を見て、勇者パーティーが驚いてる。

「まさか…… CM魔王!?」

「実在したの……」

「ど、どうするの!?」

「えっ!? もしかして…… クエスト?」

「CM魔王…… 魔王、名前を教えなさい!」

「フッ…… フッハハハ…… 勇者をかたる者達よ。その勇気の使い道を間違えるな! 間違った勇気…… 人、それを蛮勇と言う…… 急に襲い掛かる賊達に名乗る名は…… 無い!」

「馬鹿にして…… 許さない!」

聖騎士娘がさらに突進して来る。

「貴女…… 盾職でしょ? 仲間を守りが疎かです」

聖騎士娘の攻撃を回避しながら、軽装の忍者娘と銃士娘に魔弾を放つ!

「くっ! なんで!? そんな数の魔弾を1度に放てるのよ!」

賢者娘が障壁を張るけど…… 魔弾を防ぎきれてないな?

「多重魔法を覚えてないの? 魔法職で賢者ならば、複数の魔法を同時に使える様になりなさい」

「えっ…… きゃ!?」

(先ずは、回復役を一人)

障壁を掻い潜り、賢者娘を吹き飛ばして気絶させると!?

「忍者なら…… 暗殺以外にも、相手の行動を阻害する技とかを覚えなさい」

「がぁ……」

忍者娘が私の背後に現れた!? けど、私の背後に設置済みのトラップに引っ掛かって、麻痺して倒れる。

「次は…… 貴女達は後で、銃士の子かな?」

「ひっ!?」

勇者娘と聖騎士娘の攻撃を避けながら、銃士娘に近く…… 銃士娘が射って来るけど、焦りからか? 照準が合わない。

「銃士なら、接近戦も出来る様に練習してね?」

「えっ…… は、はい!」

「良い子ねぇ。今はお休み」

銃士娘を魔法で眠らせて、斬りかかって来た…… 勇者娘と聖騎士娘の剣を掴む!

「「なっ!?」」

「盾職がちゃんと守らないから…… 3人戦闘不能になるのよ。貴女は斬る事よりも、守る事を練習しなさい」

聖騎士娘の背後に回り、意識を刈り取る。

「後は…… 貴女一人ねぇ」

「ま、負けない!」

「貴女…… この子達のリーダー?」

「何を!?」

「勝てない時は…… 引くのも勇気だよ。1度だけ、本気を見せてあげる」

私は、手加減無しの魔弾を勇者娘に放つ……

「くっ!? きゃあ~!」

魔弾を当たる直前で爆発させて、爆風で勇者娘を吹き飛ばした!

「うぅ……」

フラフラになりながらも、立ち上がる勇者娘に……

「ちゃんと技も使える様に練習して、決断する勇気を持てば…… 貴女は、私が知ってる勇者の中で最強の勇者になるよ」

「えっ……」

「がんばってね♪」

そう言って私は、呆気にとられた顔の勇者娘に、回復薬を詰めた魔法バックを渡して、私は転移して冒険屋に戻りました。

その後…… 王都周辺でCM魔王が指導してくれる噂が流れて、王都周辺にプレイヤー溢れ返る事になるのを……

私は、まだ知らない。

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