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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

ナインアール王国王立十神学園勇闘部

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「クソが…… まだだ! コックピットから飛び出て、とんずらすれば……(バキャ!)!?」

コックピットハッチが引き剥がされて、蛮勇戦鬼の鬼人族の男プレイヤーが引き摺り出される。

「今、逃げようとしただろう?」

「ヒィ!? あ、あんたは、仮面のヒーロー!!」

カオスに変身してるジノの姿を見て、鬼人族の男が暴れたが……

「少し、静かにしてろ」

パン!
カオスの拳を腹に受けて…… 気絶した。

「さあ、神々の判決の時」

カオスが巻物スクロールを鬼人族の男に向かい広げた。

「神々の判決状よ! 神々の判断を示せ!」

何も書かれていない巻物に、文字が浮かび上がると!?

「ぐっ!? ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」

鬼人族の男の下に魔法陣が現れ…… 黒い炎を纏った鎖が男に巻き付いた!

「神々の判決により…… お前は、【地獄】行きだ」

鬼人族の男は…… 黒い炎を纏った鎖に引き摺られて、魔法陣の中に沈んだ。

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「此処は…… 何処だ?」

「ヒィヒィヒィ…… ようこそ、地獄に」

「誰だ!」

「うるせぇな~、元勇者」

「元…… だと?」

「此処は…… 地獄の勇者系職専門の刑務所……【堕ちた勇者の投棄所】だ」

「な!?」

「俺達は…… やり過ぎたのさ……」

「時間だ…… 行くぞ、新入り」

「行くって…… 何処に?」

「此処を出る条件は、ただ1つ…… 俺達が殺した緑人の数だけ地獄の魔物を倒す事だ」

「そんなの簡単……「ただし、勇者職は剥奪されて痛覚50%の状態で、自分等よりもLvが10上の魔物をな」!? そんなの無理だ!」

『それが、貴様達が緑人にして来た事だろうが』

怨念の様な声が響き渡り死神が現れて、次々に魔物が召喚される。

堕ちた勇者達の地獄は…… 始まったばかりだ。

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 ~ カナエ ~

残りの盗賊団を国境警備隊に引き渡し、王都に戻ると……

「これが…… 学校ですか?」

ほぼ動物園化したミントスさんのクランハウスの隣に…… 巨大な学校が出来ていました。

「今の勇者を教育するよりも、勇者になりたい子に基本的な事を教育する学園にしたらしい」

「活動中の勇者を集めるのは、大変ですからね」

「闇堕ちした勇者達が、だいぶ勇者職を剥奪されたからな…… 」

希望者から勇者候補を教育して、各神々が試練を与える事で、試練を乗り越えた者を勇者にするらしいです。

「試練ですか?」

「他人事の様だけど…… 元は、カナエちゃんだからな」

「えっ……」

「冒険勇者のパーティーに、試練を与えて鍛えたのを元にしたらしいぞ」

あの勇者娘達を実験にした試練の洞窟を参考にした。試練システムを作ったらしく…… その勇者候補を選定するのが、この【ナインアール王国王立十神学園】との事です。

「毎週、候補者に試練を出してクリアした者は、それぞれの神の勇者か特殊職にクラスアップ出来る様にしたらしい」

「その後に闇堕ちたしたら?」

「禁則事項を設けて、それに違反した者達だけを地獄の収容所に送る事になった」

「禁則事項?」

「おもに、一般の緑人に対する行為についての事だな。民間人の緑人を大量に殺戮するとか……」

「それは…… 普通に地獄行きですね」

この新世界で緑人達は生きている…… 今回の盗賊団の様な者達に、慈悲など必要ない!

「神々に選ばれし勇者ですか…… 今の勇者達よりも強そうですね?」

「カナエちゃん…… 聞いてないのか?」

「? 何をですか?」

「神々の中に…… 混沌神が含まれてるぞ」

「えっ、ちょっ、な、え~!?」

「これって……」

「ああ……」

「急いで、みんなに知らせましょう」

「がっこう…… たのしみ♪」

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 ~ 十神学園の端の教室 ~

学園の端の端にある教室に…… エン達クマカジャーのメンバーに、聖魔王になった魔王幼女マコと、数人の子供達がいた。

「え~静かに…… このクラスは、事前の試験で勇闘部に入れるギリギリの点数や事情の人達を集めたクラスです。より上のクラスに上がれる様に、がんばって下さい!」

子供達が思い思いの返事を返すと……

「では、このクラスの担当指導する方をお呼びします。失礼の無い様に! どうぞ、お入り下さい!」

教室のドアが開いた瞬間!? 子供の数人が攻撃を仕掛けた!

「やったぜ!」

「これで、私達が勇者よね!」

「だって、先生よりも強いんだから」

攻撃を仕掛けた子供達が色目気立つが、エン達は……

「あ~あ~…… やっちゃったよ」

「だいじょうぶか?」

「ダメでしょう」

「知らないって…… あわれね」

攻撃を仕掛けた子供達を、哀れみを含む目で見ていた。

「せんせい、だいじょうぶかな?」

「だいじょうぶだよ…… わたしたちの【おねぃちゃん】だもん♪」

心配そうなマコにユキが優しく笑いかけた時に、攻撃で上がった煙が晴れた……

「これが…… 君達の挨拶なのかしら?」

攻撃を受けても無傷で、自分に放たれた攻撃魔法を空中に留めたまま平然と歩く少女が現れる!

「返しとくわ」

「「「「「ヒィ!?」」」」」

自分達が放った魔法が返された子供が、魔法を受けて吹き飛ぶ!

「これで、少しは人の痛みが解ったかしら? 初めまして? このクラスの担当になった……【カタリナ】です」

そう言って、大きめの白衣に黒渕眼鏡で変装した……

カナエが教壇に立つのだった。

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