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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

邪神と始祖の機神復活に砕けた月を…… 月明かりが照らし出す!?

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穢れに浸食された始祖の機神が暴れ出して、月全体に亀裂が走る!

「月帝様、月が…… 月が崩壊します!」

「崩壊した瞬間に巨大な破片を集中的に攻撃して、出来るだけ小さくするのです!」

「始まります!」

「全武装の照準セット…… 撃て!」

月が崩壊し…… その欠片達が重力に引かれて、ネオアースの地上向かって降り注ごうとしている中。

月から脱出した月面都市が欠片を破壊する為に、攻撃を開始したが……

「我が方の砲撃の着!?」

「どうした! 砕けたのか?」

「砲撃が…… 着弾する瞬間に弾かれました!」

「何!?」

「月の欠片から、複数の移動物体を確認。巨大な魔物と邪神機です!」

「くっ、あの魔物が…… 欠片を守っているの?」

「月の欠片自体が穢れを纏っていて…… 攻撃が効いていません!」

「此方も機神を出して! 月を失った以上…… ネオアースを守れ無ければ、我等と衛星都市に未来は無い…… 何としても、被害を食い止めるのよ!」

「各衛星都市からの報告! 隕石破壊用対滅ミサイルを発射して、衛星都市の兵力を増援に送るとの事です!」

「ミサイルの進路を確保! 絶対に当てるのよ!」

「了解、機神部隊発進! ミサイルの進路上の敵を撃退して下さい!」

月面都市から、宇宙空間用にカスタムされたポーン型の機神部隊が現れる。

『了解した…… いくぞ! てめぇ等! あの石ころまで、ミサイルをエスコートするんだ!』

『『『『『『『了解!!!』』』』』』』

機神部隊が発進して間もなく、衛星都市から発射されたミサイルが姿を現す。

『邪魔だ! この邪神機共めが!』

『道を開けやがれ!』

『何だ!? この魔物は?』

『そいつは!? 亀って奴の魔物だな…… 都市の砲撃を弾いたのは奴か…… 厄介だが、ミサイルの進路から引き剥がすぞ!』

『クソ! 何て硬さだ! 此方の攻撃が通用しない!?』

『無理をするな! 月の欠片から引き剥がすだけで良い! 効かなくても、攻撃を続けて引き付けるんだ!』

『第一波隕石破壊用対滅ミサイル着弾します! 消滅範囲から退避を!』

『機神部隊! 緊急退避!』

衛星都市から発射されたミサイルが、月の欠片に到達して…… 辺りが閃光に包まれる。

「やったのか?」

「状況は…… 直ぐに目標を確認して!」

「カメラの機能復旧…… 映像出ます!」

「「「「「「!?」」」」」」

「そんな……」

「無傷だと……」

「目標、月の欠片健在…… 目標から、高濃度の穢れを感知! それによりミサイルの効果が消された様です!」

「穢れを祓わないと攻撃が通らない…… 絶望的な状況ね……」

「敵邪神機が此方に向かって来ます!」

「迎撃を「ネオアース側から高エネルギー反応!」何!?」

月面都市に向かい進攻始めた邪神機の大軍を、重力波の渦が飲み込み破壊する。

「はは! どうだ? この俺の大戦艦の攻撃力は!」

ネオアースの地上から重力波砲を放ちながら、巨体な物体が宇宙に上がって来た……

それは…… 魔の邪神の力を失い砂漠に沈んだ…… あの古代の超巨大戦艦だった。

「何が〝この俺の大戦艦の攻撃力〟だ。自力で修復出来なかった癖に」

「そこを言うなよ…… 処で、あの子供等は何者だ? 雇いたいんだが……」

「ダメよ! 今回は特別なんだからね!」

実は…… 古代の超巨大戦艦は〝失った魔の邪神の力〟の代わりに、元スレイブに売られた発掘隊を訪ねていた混沌カオス族の子供達に……

ガルジと千鶴の伝を使い、元スレイブを買い取った【黄金卿】こと【金キラ】は、頼み込んでフェアリーガーデン製の新型魔導エンジンと重力操作システムを設置して貰い、復活させたのだった。

「まあまあ…… その事は後にして、今はアレをどうにかする事にしようよ」

「だな! よし、重力波砲発射用意!」

「重力波チャージ…… 完了!」

「重力波砲…… 発射!!!」

古代の超巨大戦艦から放たれた重力波砲撃が、月の欠片を襲う!?

「どうだ! 見たか?……って、砕け無いだと!?」

「高濃度の穢れのせいだ! 空間を湾曲させて、直撃を避けたんだ!」

「なら、直ぐに次の砲撃を……」

「チャージがまだですし、急造なので砲身の冷却が間に合いません!」

「くっ!」

「魔物と邪神機が本艦に迫って来ます!」

「私達が機神で時間を稼ぐわよ!」

「任せい! あんな邪神機等、バラしてくれる!」

「しかし、月の欠片を砕けても始祖の機神が居ます…… 頼みの重力波砲も…… 後、何回射てるか……」

「大丈夫、その心配は必要無い様だよ……」

「えっ!?」

レオンとセルフィナが、古代の超巨大戦艦の後方を映したモニターを指差すと…… 光輝く巨大な転移陣現れた!?

「ほら…… 神様も動いた」

転移陣の中に…… 輝く星が転移して来る……〝小妖精月フェアリームーン〟だ。

「さて…… 神々の争いの決着を……」

「ああ……」「ええ……」

「今度は逃がさないよ……」

「むろんじゃ……」

「子と家族を引き離された怒り……」

「あやつ等に刻む!」

「私達の夢の世界を……」

「壊させん!」

妖精神と精霊神、最高神達が…… 穢れに浸食された始祖の機神の機体を睨み付ける!

「そして…… 私の前で……〝私の始祖の機神〟に手を出した報い…… 解らせてあげる!」

『いや! 私の機体からだだが!?』

神々の後ろから…… 始祖の機神のコアユニットの球体を抱いたユメが現れた。

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