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最終章 妖精少女の夢は月光に…… 新世界を優しく煌めき照らす編 

対魔神ロザウィン戦 魔王機神の実力は!?

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『ヌ!』

邪神達の処に急ぐ魔神ロザウィンに、機神用の剣が襲う!?

『フンッ!』

魔神ロザウィンは、手に持つバトルアックスから穢れを噴き出して剣を弾く!

『おのれ…… 邪魔な…… 消え失せろ!』

魔神ロザウィンがバトルアックスに巨大な穢れを纏い振りかざそうとするが!?

『おりゃあ!!』

『ム!?』

1機の機神が、魔神ロザウィンのバトルアックスを殴り付けた!?

『貴様は!』

『さあ…… 第2ラウンド開始だ!』

魔神ロザウィンの前に、2機の機神が立ちはだかる…… 挑戦者と魔剣の魔王が乗る〝魔王機神〟だ。

『あの時の魔王か…… だが、機神を纏う程度では貴様等の弱さは変わらん!』

20メートル級の邪神機と化した魔神ロザウィンがバトルアックスを構えて、魔王達を押し退け様とするが……

『ハッ!』

魔剣の魔王が乗る魔王機神がバトルアックスと鍔競り!

『セイッ!』

挑戦者の魔王が乗る魔王機神の拳が魔神ロザウィンを捕らえる!

『ぐっ…… 私に傷を付けるとは…… !? まさか、その機神は!』

自分に傷を付ける機神に魔神ロザウィンが驚愕する…… 武装こそ違うが、その基となる同型の2機の魔王機神の姿に見覚えがあった。

『やはり…… 才覚の読み通りだったか……』

『俺達の乗る機体は、古代遺跡で発見された古代機神を修繕してカスタマイズした機体だが…… 才覚の読み通りに対魔神用決戦機神の様だな』

『おのれ…… やはり、〝あの女〟の機神が!』

魔神ロザウィンの脳裏に…… 神々の争い時代の記憶が蘇る。

激化する戦場の中…… それまで邪神の配下の魔物や魔人達に防戦一方だった緑人達が、機神に乗り反撃を始める。

その中でも、とある機神技術者の開発した機神は、魔神すら倒す力を発揮した。

その機神技術者こそ、カナエに多くの遺産を残した【スミス・エンダソン】だった。

その彼女が、魔神ロデスを封印後に魔神と対抗する為に作った機神が、魔王達が乗る魔王機神の基になった機体である。

フェアリエやブレイブとは違い。対邪神勢力用に開発された量産機神だが、魔神と対抗する為に生産性を度外視どがいしする事になる。その為、量産機神でありながら数十機しか生産されておらず……

その多くは、当時のエース機神乗りに配備されたが、魔王機神の基になった機体は後継機開発の為に試験機として地下試験場に隠された機体で、激化する戦闘により関係者が相次いで死亡した為に…… 

地下試験場ごと歴史に埋もれてしまうが……

その地に魔王クラン〝魔王の夜会〟の本拠地が建った事で発見され、クランの生産プレイヤー達により魔王達の特性に合わせた専用機神〝魔王機神〟にと、修復と改修されたのだった。

魔神ロザウィンは、その機神を見た事があった…… 自分と同じく、絶対なる神の配下として戦った部下の魔神達を殺した機神…… 少しの形が違いがあれど、その同型機が今…… 自分の前に立ちはだかる……

『再び私達を阻むか…… だが、押し通るまで!』

魔神ロザウィンが、その身に穢れを集束する!?

『くっ!? させるか!』

『遅い! 叩き折ってくれる!』

魔剣の魔王機神が斬り込んだが、穢れを集束した魔神ロザウィンのバトルアックスとかち合い! 魔剣の魔王機神の剣が砕け散った!?

『剣を盾にして避けたか…… だが、次は防げまい!』

『この俺の魔王機神を舐めるなよ…… 俺は! 俺達は〝魔剣の魔王〟だ!』

魔剣の魔王が乗る魔王機神の背面にある4つのバインダーが展開すると……

『何!? 剣が襲って来るだと!?』

展開したバインダーから複数の剣が飛び出して、魔神ロザウィンに襲い掛かる!

『俺は魔剣の魔王…… 我が眷属は魔剣なり……』

『ぐう!?』

『悪いが…… 俺の眷属は凶暴だぜ……』

機神サイズの魔剣達が魔神ロザウィンを取り囲むと…… 四方八方から斬り刻み始めた!

『おのれ、ちょこまかと…… 鬱陶しいわ!』

集束した穢れを身体から噴き出して、魔神ロザウィンが魔剣を弾くが……

『俺を忘れるとは…… いい度胸じゃねぇか?』

『しまっ!? ガハァ!』

魔神ロザウィンの腹部に挑戦者の魔王機神の拳が突き刺さる!

『貴様…… その姿は!?』

挑戦者の魔王機神の碗部と脚部を覆う様にして、武装が換装していたが……

これは魔剣の魔王機神の背面バインダーが展開したのと同じ様に、挑戦者の魔王機神の背面追加ブースターが可変して碗部と脚部に換装した姿だった。

『俺は挑戦者。だから、格上相手なら俺の本領発揮だぜ!』

穢れを集束した魔神ロザウィンを前にして…… 挑戦者の魔王のステータスが上がる! それこそが挑戦者の魔王のユニークスキル〝挑み続ける者〟の特性だった。

本来ならば、低Lv時にしか使えないと有名なスキル…… 唯一誰でも取れるユニークスキルで、スキルLvが上がると、急激なステータス変化にプレイヤーが付いていけずに自滅する〝死にスキル〟として名が上がるが……

挑戦者の魔王だけは…… その急激なステータス変化に適応した。

『さあ…… 俺に、あの感覚を味会わせろ!』

『なぬ!? 明らかに速度と力が違う…… 戦闘中に成長しているのか!?』

跳ね上がったステータスに合わせて、挑戦者の魔王機神の猛攻が始まる!

『ぐっ! おのれ……』

『そらそらどうした! 魔王ごときに手も足も出ないのか? 魔神様よ!』

『調子に乗るなよ…… 貴様等が絶対神の守護たる私に勝てると思うな!』

魔神ロザウィンがさらに穢れを集束して、挑戦者の魔王機神にバトルアックスを叩き付けた!

『チッ……(これ以上は、魔王機神がもたないか……)』

魔神ロザウィンの攻撃をガードして、挑戦者の魔王機神が下がるが…… 武装強化した碗部と脚部にダメージが見える……

挑戦者の魔王の急激なステータス変化に機体が耐えられなかったのだ。

『魔王よ…… この私の最大を持って潰して殺ろう!』

『その前に、貴様を斬る!』

無数の魔剣を率いた魔剣の魔王機神が構えて、挑戦者の魔王機神の前に出る!

『2機まとめて消え去れ!』

『うおォォォお!』

穢れを最大に集束した魔神ロザウィンの一撃と、全ての魔剣を重ねた魔剣の魔王機神の斬撃が衝突する!

『ぐぬぅ……』

『くっ! 挑戦者!』
『任せなぁ!』

激しい衝突に、魔剣が砕けて魔剣の魔王機神が吹き飛んだが…… 魔神ロザウィンも怯む!?

『くらえ! 魔王破神拳!!』

その瞬間に…… 挑戦者の魔王機神の拳が魔神ロザウィンの胴体を貫いたのだった!

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