上 下
406 / 464
外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

邪教再び!? 邪神教秘密結社【エボルシフト】の企みと殲滅魔法使い系勇者は変わらない……

しおりを挟む
 ~ とある研究施設…… ~

「どうだ?」

「はっ!〝我等が神〟から持たらせられた〝神石〟を使い、悪き神の力を中和しています。これにより悪き神の力の拒否反応が無くなり、我等の神の力を宿した〝神の兵士〟が次々に生まれています」

「うむ…… 実験の段階を上げるか?」

「「「「おお~」」」」

「ついに〝神の戦士〟を増やすのですね?」

「いや、さらに〝神の騎士〟の準備に入れ」

「神の騎士ですか!?」

「しかし、神の戦士どころか神の騎士となると……」

「神の兵士の素体で持たないかと……」

「素体の元……〝奴〟を使え」

「しかし、彼は貴重な血族ですが……」

「それが奴の望み…… 我等が神の一柱【アドラギース】の守護騎士【ロザウィン】の血族として、神の騎士になる事がなぁ……」

「では、神の騎士を先に誕生させますか?」

「いや、神の兵士の指揮官に神の戦士を増やすとしよう…… クイーンアントとクイーンキラービーの力を混ぜた神の戦士を母体にすれば、神の兵士の量産も楽になるだろう」

「母体に…… となると、素体には女性が必要ですが?」

「うむ…… 神の戦士になって神の兵士を生ませるには…… そう言えば、神の戦士【カメレオンアント】が潜んでいる国に……【マリーアン】と言う良さげな素体が居たな」

「では?」

「うむ、カメレオンアントにマリーアンを拐い、入れ代われと命じよ。来る時には魔法国を混乱に貶めるのだ!」

「「「「ハッ!」」」」

とある地下研究施設の中で…… 仮面を付けた〝全く同じ姿〟の兵士達が立ち並ぶ前で、数名の研究員の様な白衣の者達に〝黒い司祭〟が指示を出す。

彼等は…… 太古の邪神教の生き残り、邪神教信者が創りし秘密結社【エボルシフト】の研究員と最高幹部の一人【邪教皇 バコウシン】だ。

邪神教とは…… 勇者から神になったアドラギースの姿を見て、自分達もより優れた者に手段を問わずに〝進化〟する事に狂信する宗教だった。

その為に…… 神々の争いでは、邪神化したアドラギース達に付き、自分達を進化させる為に他宗教の人々を襲い人体実験等の悪逆非道を繰り返していた。

神々の争いでアドラギースが敗れたさいに、消滅したはずだったが……

その多くは、生き残った邪神と供に姿を隠して再起を狙っていたのだ。

アドラギースがカナエの手で、邪神星になった事で邪神を復活させ様と密かに活動を活発化していた。

彼等が言う〝神石〟とは、邪神星アドラギースの欠片の〝浄化されていない邪神石〟の事で、これを使い…… ジノの体内にある〝混沌石カオスストーン〟と同じだが純度が低い欠片から邪神の神力を抽出に成功した。

そして、神の兵士とは……【魔神ロザウィン】の血族から作られた複製人間クローンに、抽出した邪神の神力を流し込んだ〝複製半魔人〟の事である。

この神の兵士は邪神の神力で強化されているので、Lv1でも通常の戦士職のLv15くらいの戦闘力と魔人の特性で再生等の回復力と攻撃魔法を有していた。

さらに、この神の兵士の技術を使い…… 魔物の特性を持つ〝神の戦士〟を生み出した。

神の戦士とは、魔物の特性を邪神の神力で強化した改造人間の事で…… 所謂、〝特撮系の怪人〟である。

しかし、この神の戦士を生み出すには…… その魔物の特性に耐えれる素体が必要な為に、長い研究をしていたエボルシフトでも、邪神石を手に入れてから漸く数体が成功したのだった。

そして……〝神の騎士〟とは、邪神石を使い〝邪神の神力のみを宿した混沌石の欠片〟を埋め込み、人工的に〝魔神〟にした者の事だが…… 今だ成功した者は(一人の例外以外)いない……

「マリーアン…… 我等の神を殺した神殺しの子孫…… その身を捧げて、おのが血族の罪をあがなうが良い…… 上手く行けば、神の騎士の素体も生まれるやも知れぬなぁ……」

黒い司祭の姿をした邪教皇バコウシンが、邪悪な笑みを浮かべて嗤うが……

彼等は知らない…… 自分達が狙う少女には、彼等の天敵と言える混沌神が護衛を付けている事を……

そして……

「ここが魔法国の首都……」

盗賊団退治をしていたマリーアンの魔法機兵団と供に、モナ達はウィザリース魔法国の首都に来ていた。

「あれ?」

「どうしたの? カノンにぃ」

「門に何が吊るされてる」

「「「門?」」」

カノンに言われて、モナ達が首都の城壁の門を見上げると……

『殲滅魔法で学園を半壊させた大馬鹿者は…… この私、めておんです!』

と、書かれた板を首にぶら下げて、簀巻きにされた状態でミノムシの様に吊るされた【めておん】だった。

しおりを挟む

処理中です...