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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

意外な才能? モナのシークレット遭遇率は……

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「いっぱい貰ちゃったね」

「うん♪」

モナ達は、神社巡りで神獣達の熱烈な歓迎を受けては…… 神獣の素材を山の様に受け取った。

「これで目的は達成だけど……」

「どうする? 直ぐに戻る?」

「せっかく日ノ本まで来たし…… どんなモンスターがいるのか見たい」

「僕は、武器と防具も気になるかな……」

「それは、私も気になる」

「じゃあ、見て回ろうか?」

「「「うん♪」」」

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「そこの者ら、ちょっと良いかの?」

「「「「?」」」」

神社巡りも終えて、日ノ本の首都である京江戸を観光していたモナ達だったが……

5歳くらいの武士の格好をした幼児に呼び止められた。

「どうしたの?」

「実はの…… わら…… せっしゃ、腹が減って困っておるのじゃ……」

「パパやママは?」

「ぱぱ? まま?」

「え~っと……」

「お父さんとお母さんの事だよ」

「父上と母上かの…… しばらく会ってないの……」

「「「「えっ!?」」」」

「父上も…… 母上も…… 急がしいと…… わら…… せっしゃにお会いになって下さらぬ……」

「じゃあ、誰がお世話をしてくれるの?」

「じいじゃな…… だが、じいは…… わら…… せっしゃを屋敷から出してくれぬのじゃ…… 屋敷の外からは楽しげな音やうまそうな匂いがするのに……」

「だから、黙って出て来ちゃったの?」

「うむ…… わら…… せっしゃ、外がはじめてで…… どうすれば良いかの?」

「とりあえずは……」ぐぅ~……

幼児のお腹が鳴く音がした。

それを聞いたモナは……

「ごはん、食べよ!」

「「「おー♪」」」「お、おう?」

とりあえず、近場の飲食店を目指す事にした。

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「これは…… なんじゃ?」

「そばだね。大きなお揚げ入りのきつねそば」

「おあげ?」

「この四角い茶色いのだよ♪」

「これが…… !? あっ! あついぞ!!」

「あっ、ちょっと熱かった? 猫舌なのかな…… すみません! 器を1つ」

「はいよ!」

「ありがとうございます。はい、熱いから1度器に移して冷まして食べると良いよ」

「すまぬのじゃ…… ふう…… ふう…… ふう…… だいじょうぶかの?…… あらためて…… いただきます!? あたたかくてうまいのじゃ♪」

初めての温かい食事に、焦ってかきこんでは…… むせりながらも美味そうに食べる幼児を見ては、モナ達も笑顔になる。

「ごちそうさまなのじゃ! うまかったのじゃ♪」

「そう、処で名前を聞いてなかったね? 僕は、カノンで」

「私が、カンナだよ」

「私は、ツグミ」

「私は、モナです。あなたのお名前は?」

「わら、せっしゃは、チヨ…… チヨマルじゃ!」

「チヨマル…… チヨマルちゃ…… くんは、これからどうしたいの?」

「屋敷には…… まだ帰りたくないの……」

「でも、じいって言う人が心配するよ?」

「でも、わら…… せっしゃは、まだ外が見たいのじゃ!」

「あっ! チヨマルくん!?」

「僕がお金を払うから! みんなは、チヨマルくんを追って!」

食事代を払うカノンを残して…… モナ達は、飛び出したチヨマルを追う。

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「ここが…… 外のせかい…… ひろいの♪」

飛び出したチヨマルは、首都である京江戸の外周を囲む城壁にわずかに出来ていた……

子供がなんとか通れる亀裂を潜り抜けて、城壁の外に出てしまった。

「ふむ…… あれが木がたくさんある森かの?」

チヨマルは、森に向かって歩き出す。

「つよくなって…… じいを見返すのじゃ! そして…… 父上に……」

チヨマルが森の手前に来ると……

ガサガサと、森の繁みが揺れる。

「なんじゃ!? な、なにかいるのかの?」

「ガアー!」

繁みから大型犬が飛び出した!

「きゃー!!」

「あぶない!」

チヨマルに飛びかかる大型犬に、ミニマザーに乗ったモナが体当りで弾く!

「モナちゃんナイス!」

「後は、私達に任せて」

追い付いたカンナとツグミが大型犬を倒した。

「あれが…… 日ノ本の特種モンスターのトサドッグ…… 図鑑の土佐犬よりも恐かったよ」

「レアドロップの注連縄と狂犬の首輪が出たよ♪」

「どちらも犬系の強化装備だったわね」

「確か…… 犬系の獣人で装備してると進化先が増えるんだよね?」

「そうなの? でも今は…… あぶない事したら、メ! でしょ」

「す、すまぬのじゃ……」

「そうよ。お外は危険がいっぱいなんだから…… ねぇ、カノン」

「よっと、森の中にチヨマルくんを狙っていた人達が隠れていたけど…… あなたもですか?」

森の中から出て来たカノンが後ろを振り返ると……

「見つかってしまいましたか…… 私達は、チヨ姫を狙う理由が無いですね」

「あれ? ぼうけん屋にいたお侍さん?」

カノンの問いに答えながら、森から現れたのは…… 黒子姿の巴達でした。

「へぇ~…… じゃあ、まだ隠れてるのは敵って事かな!」

カノンが森に向かってライフルを射つと……

「ぎゃ!?」

と、お尻を押さえた人物が飛び出した!

「容赦ないの…… 主、大丈夫かえ?」

お尻を押さえた人物の後ろから女性も現れた。

「で、敵かな?」

「ま、待て! 俺達は依頼を受けて、その子を捜していたんだ」

「「「依頼?」」」

「それって…… どんな依頼?」

「日ノ本の将軍の娘【チヨ姫】に、指南役として護衛して欲しいって…… 依頼だ」

「「「姫さま!?」」」

その言葉に驚いたカノン達が振り返ると……

「きゃ~!」

「た、たすけてたも~」

レアザコのピンク毛玉に潰されている……

モナとチヨ姫の姿があった。

ピコーン♪

そして、モナ達に〝シークレットクエスト【狙われし日ノ本の姫さま】〟の通知が届くのだった。

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