神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~

葵はるか

文字の大きさ
24 / 65

ダンジョンまでの足を確保できた。

しおりを挟む
 翌朝は、手持ちが4000円を切っていたので失業保険の給付日という事もあり銀行へと向かった。
 コンビニでお金を卸してもいいが、じつは一人暮らししてからずっと利用していた事もあり、店長とは顔見知り。
 なので付き合いで商品を買う羽目になるので、銀行へと足を運んだわけだ。
 千葉の興業銀行に向かうと朝9時少し過ぎではあったが人は疎らだった。
 家賃と、水道光熱費、ネット利用料、携帯料金を支払った結果、手元に残ったは10万円ちょい。

「世知辛い……」

 どうして神様は、ダンジョン入り口を養老渓谷に作ったのか。
 往復で、諸々と足代で一日4000円必要になるわけで――、

「はぁー。お金がない……」

 せめて足だけでも確保できれば、通勤費が浮くんだが……。
 今の俺の現状ってどっちかと言えば個人経営者なので、木戸商事からの契約金が入ってこない限り、お金にならない。

「えっと……、養老渓谷までの往復が4000円として月が30日あるから……、通勤費だけで12万円か……」

 地味にきついというか、足代が足りないが?
 重要な琴に気がつく。
 そうなると方法は一つしかない。

「仕方ない。ダンジョン内で寝泊まりするか……」

 寝袋を一個持っていけば、ダンジョン内は一階層ごとに広大。
他の冒険者に見つかることもないだろう。
 
「あれ? そうしたら、ダンジョン内にテントを持っていってアウトドアをしたほうがいいのでは?」

 10階層まではモンスターが出ないし、食材も畜産系は11階層以降だが成果と農作物関係は10階層までにあるし……。
 考えれば考えるほどいい案な気がする。
 そうと決まればアウトドア用品を売買しているディスカウントショップが、木戸商事が運営しているスーパーの近くにあったので行ってみるとしよう。

 日差しが少しずつと強くなっていくが、まだエアコンが必要ない4月中旬。
 10時半ごろに、アウトドア用品を取り扱っているディスカウントショップへと自転車で向かう。
 途中で、木戸商事が運営しているスーパーの前を通り過ぎたところで思わず自転車のブレーキを全力で握りしめた。
 その理由は、店頭前に試食エリアと、高く積まれた籠を見ただけでなく、大きくテロップが書かれた看板があったから。

そして看板には【☆養老渓谷ダンジョン産! 産地直送! 無農薬野菜と無農薬フルーツを格安で販売中!☆】と、書かれていた。

「どうやって宣伝するかと思っていたら――」

 しかし、どう見てもお食事処を経営しているようなプロな方が多いよな。
 箱単位で野菜やフルーツが、バンバン売れている。
 試しに価格を見てみれば市販のフルーツや野菜の7割引きの価格で売られていた。
 一般的に、桃が2個800円くらいだとしたら、200円で売っているような感じで、フルーツエリアには主婦が殺到していた。

「桃が1個100円から200円か……。自分で買うとしたら、それでも高いと思うが、売る側になると少し微妙な気持ちになるな」

 まぁ、それでも売り上げの3割は入ってくるから1個あたり30円から60円は入ってくる計算か。
 
「あ! 佐藤さん! どうかされましたか?」

 俺が店前で、ドンドン売れていく野菜やフルーツをぼーっと見ていたら俺に気がついたのだろう。
 スーパーの店長、田所さんが話しかけてきた。
 とってもにこやかな笑顔だ。
「おはようございます、田所さん。すごく売れていますね」
 
 少し驚いていた事もあり語彙力が損失していた。

「そうでしょう。私も、ここまでの反響があるとは思っていなかったのですが、とくに昨今では、フルーツや野菜の価格が庶民の手に届かないレベルまで高騰していましたから」
「たしかに!」

 そこは、俺も強く頷くことに同意せざるを得ない。
 だいたい、桃が1個で400円から1000円とか、普通に考えて価格がバグっているとしか思えなかったし。

「ですが、ダンジョン産のフルーツと野菜で価格も庶民の手に届く範囲まで落とせました。とくにお子さんがいるご家庭には大好評ですよ? あとは食事処を経営している方にも」
「そうですか。それは良かったです」
「ところで、今日は当店へ買い物へ?」
「いえ、アウトドアショップに行こうかと」
「そうでしたか。ところで何故にアウトドアショップに?」
「養老渓谷まで往復は大変なので」
「それなら調達部門に連絡しておきますよ? 一緒にトラックに乗って養老渓谷までどうですか?」
「いいんですか?」
「はい。佐藤さんの自宅までトラックで迎えに行くくらい大したことではないと思いますので」
「それは助かります」
「いえいえ。当社のスーパーは、佐藤さんの力に助けられていますので、そのくらいの融通は可能だと思いますので」

 何故か、ダンジョンまでの往復の足が確保できてしまった。
 これなら生活費に残りの10万ちょいを使っても大丈夫かも知れない。

 

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

TB
ファンタジー
岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-

一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。 ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。 基本ゆったり進行で話が進みます。 四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。

希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。 手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。 「このまま死ぬのかな……」 そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。 ​そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。 試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。 ​「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」 ​スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。 たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。 ※本作は小説家になろうでも投稿しています。

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

処理中です...