僕は夢日記の夢を見ない。

匿名性症候群

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 2人の女子中学生が喧嘩をしていた。黒髪の落ち着いた雰囲気を持つ女の子と、茶髪で勝気な女の子。
 喧嘩の激しさはとどまることを知らないという様子で展開していくが、それに嫌気をさした黒髪の子が無理矢理、茶髪の子にキスをし、仲直りを果たした。
 学校の廊下でのキスである。茶髪の子は少し嫌がりながらも、嬉しそうにはしていた。対して黒髪の子は気にする様子を見せず、眩しい夕日を見て、帰りを促す。
 誰もいない廊下。
 夕日に染まった廊下。
 その色が、血によって霧散したのは、茶髪の子が人の原型を持たない形になったからだった。犯人はすぐにわかった。すぐ近くにある教室から出てきた、黒髪の子によく似た化物だった。
 黒髪の子は確かに、喧嘩している最中は、相手を殺してやりたいと願ったが、もう仲直りはしたのだ。今殺す必要は全くなく、黒髪の子は泣き叫ぶ。
 それでも容赦なく、最早肉塊とも呼べない形となった茶髪の子を殴り続ける。
 その化物に重たい一撃を喰らわせたのは、キャプテン・アメリカ──に、よく似た巨大な男。
 僕自身、本作を観たことはないので、あくまで似た男に過ぎない。が、大きく丸い盾を持っており、それはまあまあ、映像化すればマーヴェルから文句を言われそうな見た目をした大男だった。
助けに来たので逃げるように言われ、涙を流しながら黒髪の子はその場を後にする。
 化物とパチモン・アメリカの戦いは激化し、気がつくとあたりは荒廃し、建物は燃え崩れ、煙は空を暗く覆った。
 パチモン・アメリカは、明らかに追い詰められていた。素早さも力も、全て化物が上回っていたからだ。もう体力も限界に近づいた時、応援が来た──パチモン・アメリカ2である。
 まさかの2人目。
 ここまで読んでくれた読者の方々は気づいているだろうが、この夢の主人公は僕ではなく、そこに僕はおらず、僕は映画を見ている気分でいた。
 だからか、意外性に富んだ夢になったのだろうか。……別にどうでもいいのだが、パチモン・アメリカがもう1人やってきた時には、それはまあ驚いたものだった。
「こいつは俺に任せろ! 自爆する!」
 パチモン・アメリカ1が叫ぶ。いや、今助けに来たじゃん。2が。わざわざ自爆しなくても。
「見捨てられるかよ、兄さん!」
 2は弟か。
 どこまでも意外性に富んだ夢だ。だからこそここでこうして、形にして提供できているのだろうが……。
 弟の応援虚しく、どこからか現れた地下シェルターに続くエレベーターに投げ込まれるパチモン・アメリカ2。
 2が最後に見たのは、化物とともに爆発した兄と、爆炎。扉は2を守るように閉まり、2は涙を流した。
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