【完結・番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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番外編

そんな気持ちはいらない7

 ──翌日

「話したいことがある」

「なんでしょうか?」

「これから会社の体制が変わる。秘書課の人員配置も変える。何人かまた社員を戻す」

「認めてくれたってことですか!?」

「それとこれは話は別だ」

「勇輝さん、社長になったらもっと忙しくなりそうですね。体調気をつけてくださいね」

 余計な一言を……。

「は?」

「失礼しました……」

「私が忙しくなれば君も忙しくなるな」

「……私続投なんですね」

「まだ君の力量をちゃんと測れてないからな」

 力量なんて測るつもりはもうなかった。
 かといって、この会社から追い出すつもりもなかった。
 もう秘書をさせる必要もない。

 ──だが

 なぜかそばに置きたかった。
 その感情が何なのかはわからない。
 今思うと、唯一、心を許せた人間だからだ。
 信頼できると判断していた。

 ◇

 ──業務終了後

 取引先との会食に向かうために出ようとすると、部屋のドアがノックされた。

「兄さん、俺です」

 勇凛だった。
 部屋に入った勇凛は一人だった。
 その瞳は前とは違った。

「なんだ」

「俺は何も知りませんでした。兄さんのことも、この会社のことも。だから、知りたい」

「知る?」

「はい、俺はここで働きます。今度は兄さんと向き合うために」

 勇凛。

 強くなったな。

 ──完敗だ。

「そうか」

 だけど俺は決して認めるとは言わない。

 ただ、俺自身も自分と向き合うつもりだ。

 ◇  ◇  ◇

 父から正式に身を引くことを言われた。

 ──社長

 別に望んではいない。
 ただ逃げたくなかった。
 逃げたら、きっと君は悲しむだろう。
 だから、あの日々を胸に、ただ歩む。

 選んだ道にもう後悔をしないように。
 誠実であるように。
 家族にも。

 これが俺の再出発の日。


 ──fin


 勇輝の番外編を読んで頂きありがとうございました。

 次は勇哉の番外編もアップしようと思います。
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