ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

七転び八起き

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第一章 再会

第9話

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 雨の音が静かに響くなか、まるで世界に二人きりのような空間。

 先生は何も言わず、ただ優しく私を囚える。
 その意図がわからないまま──
 思考が溶けて、体が熱くなっていくのを感じていた。

 その時、先生の手が、私の輪郭をなぞるように触れた。

「それはだめです!」

 完全に油断していた。
 まさか、そんなことにはならないと。
 あの先生が、そこまでする人ではないと信じていた。

「……じゃあ、なんでここまで許したの?」

 その言葉に、私は何も返せなかった。
 先生は、まるで私の心の奥を見透かすように、そっと私の境界に踏み込んできた。

 体の奥に、初めての感覚が広がる。
 波紋のように。
 驚きと戸惑いで、思わず変な声が漏れた。

「逃げないんだな……」

 恥ずかしい。
 頭の中はぐちゃぐちゃなのに、身体は、先生を拒みきれなかった。

 最初は慎重に──でも次第に強く揺さぶってくる。
 私は、体の奥が何かで満たされていくような錯覚を覚えた。
 その瞬間、意識がふっと遠のきそうになって、気づけば呼吸が荒く、体から力が抜けていた。

「先生……どうして……こんなこと……」

 自然と、涙が溢れていた。

「……わからない」

 先生も、どこか戸惑ったような表情をしていた。

 こんな男、もう二度と会いたくない。
 関わりたくない。

 なのに——

 どうしてそんな目で、私を見るの?

 その後、先生は何も言わずにその場を離れ、静かに立ち去っていった。

 残されたのは、私の中に残る熱と、先生の唇と手の感触だけだった。

 * * *

 あの日──

 私は先生の中に潜む歪んだ心と、微かな揺れに気づいてしまった。

 これ以上関わったら、私の精神がおかしくなる。
 そう感じて、私は先生の連絡先を消した。

 そして、何もかもを忘れて、また普通の日常に戻ろうとした。

 ——もしまた会っても、無視しよう。

 そう決めて、私は眠りについた。

 ……だけど、
 夢の中に、また先生が現れた。
 先生は、あの憂いを帯びた表情をしていた。

 そして私を優しく引き寄せた。

 そして——

 私は、夢の中で、先生の全てを受け入れてしまった。
 頭ではダメだと思っていても、心も体の奥深くも、先生を求めていた。

 私はもう、戻れないのかもしれない。

 これから先の未来が、まったく見えなかった。
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