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混乱
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とてつもない夢を見て起きた朝、ひたすら混乱していた。
これは脳が勝手に見せた映像なのか、願望なのか……
夢だからハッキリしない状況だった。
でも、唯川を今までのように見られない。
完全に意識してしまっている。
夏に繋いだ唯川の手は、心の奥深くまで入り込んでいた──
***
いつものように変わらない毎日。
夏服が冬服に変わったくらいだろうか。
ただ、卒業のその先を見据えないといけない、その焦りだけはゆっくりと加速していた。
廊下を歩いてると、唯川が友達と歩いてきた。
夏は俺から視線を逸らしていたのに、今は俺を見ている。
しっかりと。
絡みつくような視線で。
逃げ場がない。
気がついたら屋上にいた。
秋の空を眺めながら、ひんやりした空気で頭を冷やす。
ただ夢中で唯川を追いかけていた。
やっと掴んだ手。
でもそれは俺の思っていたものより生々しかった。
俺はただの友達でいたかったのか?
わからない。
ただ、もう友達とは呼べない。
空を見上げて深呼吸をする。
誰も答えはくれない。
その後、授業ギリギリまで屋上にいた。
***
ホームルームが終わって、足早に昇降口に行こうとする。
「いぶき今日バイト?」
前田が聞いてくる。
「そう。じゃあな」
靴を履き替えて小走りに校門に向かう。
その時、あの車が見えた。
唯川を迎えにきた女が乗っている。
夏でもないのにサングラスをかけている。
俺と目が合った。
俺は逸らして、バス停に行った。
バスが来て、乗り込むと、唯川があの車に小走りで近づくのが見えた。
そして助手席に乗る。
唯川とその女は笑顔で話している。
そして去って行った。
淀んだ気持ちが胸の中に渦巻く。
夏はあんなに澄んでいたのに。
***
バイト先に着いて、制服に着替えた。
その時、裏手のドアが開いたと同時に、背の高い男が入ってきた。
さりげなくピアスをつけていて、ピンクのインナーカラーのある髪をしていた。
その時店長に声をかけられた。
「柏木くん、この子この前入ってきたばかりの子。色々教えてあげてね」
「え」
別に新しく入った人に教えるなんて今までもあった。
でもなぜか、この時抵抗感があった。
「青柳真斗です。宜しく~」
軽い笑顔で挨拶された。
「大学二年生の子だから、歳近いし、仲良くなれるといいね」
店長が呑気なことを言っている。
五十六才の店長から見れば、高二と大学二年なんて大した差はないかもしれない。
でも、その三才くらいの差が今の俺には大きく感じる。
「柏木いぶきです。宜しくお願いします」
俺は頭を下げた。
「ここでは柏木くんの方が先輩なんだから、そんな畏まらなくていいよ~」
青柳さんがニコニコして言う。
なぜだろう、笑顔なのに、心を見透かされているような気持ちになった。
これは脳が勝手に見せた映像なのか、願望なのか……
夢だからハッキリしない状況だった。
でも、唯川を今までのように見られない。
完全に意識してしまっている。
夏に繋いだ唯川の手は、心の奥深くまで入り込んでいた──
***
いつものように変わらない毎日。
夏服が冬服に変わったくらいだろうか。
ただ、卒業のその先を見据えないといけない、その焦りだけはゆっくりと加速していた。
廊下を歩いてると、唯川が友達と歩いてきた。
夏は俺から視線を逸らしていたのに、今は俺を見ている。
しっかりと。
絡みつくような視線で。
逃げ場がない。
気がついたら屋上にいた。
秋の空を眺めながら、ひんやりした空気で頭を冷やす。
ただ夢中で唯川を追いかけていた。
やっと掴んだ手。
でもそれは俺の思っていたものより生々しかった。
俺はただの友達でいたかったのか?
わからない。
ただ、もう友達とは呼べない。
空を見上げて深呼吸をする。
誰も答えはくれない。
その後、授業ギリギリまで屋上にいた。
***
ホームルームが終わって、足早に昇降口に行こうとする。
「いぶき今日バイト?」
前田が聞いてくる。
「そう。じゃあな」
靴を履き替えて小走りに校門に向かう。
その時、あの車が見えた。
唯川を迎えにきた女が乗っている。
夏でもないのにサングラスをかけている。
俺と目が合った。
俺は逸らして、バス停に行った。
バスが来て、乗り込むと、唯川があの車に小走りで近づくのが見えた。
そして助手席に乗る。
唯川とその女は笑顔で話している。
そして去って行った。
淀んだ気持ちが胸の中に渦巻く。
夏はあんなに澄んでいたのに。
***
バイト先に着いて、制服に着替えた。
その時、裏手のドアが開いたと同時に、背の高い男が入ってきた。
さりげなくピアスをつけていて、ピンクのインナーカラーのある髪をしていた。
その時店長に声をかけられた。
「柏木くん、この子この前入ってきたばかりの子。色々教えてあげてね」
「え」
別に新しく入った人に教えるなんて今までもあった。
でもなぜか、この時抵抗感があった。
「青柳真斗です。宜しく~」
軽い笑顔で挨拶された。
「大学二年生の子だから、歳近いし、仲良くなれるといいね」
店長が呑気なことを言っている。
五十六才の店長から見れば、高二と大学二年なんて大した差はないかもしれない。
でも、その三才くらいの差が今の俺には大きく感じる。
「柏木いぶきです。宜しくお願いします」
俺は頭を下げた。
「ここでは柏木くんの方が先輩なんだから、そんな畏まらなくていいよ~」
青柳さんがニコニコして言う。
なぜだろう、笑顔なのに、心を見透かされているような気持ちになった。
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