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第47話 決意表明
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私はずっと気がかりだったことがあった。
「河内さんのお父さんは今どこにいるのでしょうか」
河内さんはウィスキーのグラスを傾けながら口を開いた。
「子会社で社長をやってる」
「子会社にいるんですね」
「俺が追い出したからな」
私が行方をくらませた三年で、河内さんは復讐の鬼となり社長に上りつめ、お父さんを排除した。
「私たちが結婚することはご両親に言ってないんですよね?」
「ああ、何も言ってない」
「私、河内さんのお母さんのこと、まだ何も知らなくて……」
河内さんは目を伏せた。
「母は学生の時に病気で亡くなっている」
「そうだったんですね……」
河内さんの過去をあまり知らない。
これからいろいろわかると思うけど、私とは全然違う人生だったんだろう。
お母さんが亡くなった後を考えると胸が苦しくなった。
「ちなみに、お父さんの働いてる会社はどちらでしょうか?」
河内さんに睨まれた。
「まさか……余計なこと考えてないよな?」
「は、はい!ただ気になっただけです!」
その後、渋々その会社のホームページを見せてくれた。
ここから割と遠いけど……
私はどうしても、また会いたかったんだ。
私一人の足で。
* * *
私は、その日、会社が終わった後その会社に向かった。
河内さんに秘密で。
既にアポイントは取ってあった。
会社に着いて、受付で説明すると、会議室に案内された。
会議室で待っていると、しばらくしてドアがゆっくり開いた。
そこにはあの日、あの会社の社長室にいた彼より、少し雰囲気が衰えた男性が入ってきた。
彼は私を一瞬だけ見た。
「久しぶりだね。また会えるとは思っていなかったよ」
河内さんのお父さんは会議室の上座にゆっくり座った。
「ここに来たってことは息子のことでか?」
「はい」
彼はため息をついた。
「君がいなくなった後の三年間、あいつは人が変わったかのように仕事に打ち込んでいたよ」
「そうだったんですね……」
その三年間の河内さんのことを考えると、罪悪感で胸が痛む。
「そして、とうとう私は立場を失った」
河内さんのお父さんは少し俯いていた。
「こんなことになるなら、あの時余計なことをしなければよかったと後悔しているよ」
あの時、何も言われなかったら私はどうなっていたんだろう。
そのまま河内さんと幸せになれていたのだろうか……。
「君はまた息子と関わっているのか」
「はい、私、彼と結婚しようと思ってます」
あの日、この人と会った時も怖気づかず自分の気持ちを言った。
今回は私からの挑戦状。
「そうか」
彼は特に何も感じていないようだった。
「反対されないんですか……?」
「もう会社はあいつのものだ。立場は私の方が弱い。何も言うことはない」
上とか下とか……。
私は河内さんの家族としての彼と話したいんだ。
「肩書は抜きにして、私はお伝えしたかったんです」
彼はどこか遠くを見ていた。
「今更反対もないだろう。それに……あいつをここまで追い詰めたのは私だからな」
河内さんのお父さんは立ち上がった。
「息子を幸せにしてやってくれ」
それを告げて、彼は会議室から出て行った。
その時、私の瞳から涙が一粒溢れた。
嬉しいのに、切ない。
複雑な心境だった。
でも、ちゃんと伝えることができた。
その後、私が会社のビルを出ると……
やっぱり河内さんがいた。
「やっぱり来ていたな……」
「よくお分かりですね……」
その後、車に引きずられるように乗せられた。
「なんで一人で行った」
河内さんは怒っている。
「河内さんに言ったら絶対反対するじゃないですか!」
「当たり前だ!あの後お前いなくなっただろ!?」
運転が荒くなる。
「でもこうしないと自分の中でちゃんと終われなかったんです!」
あの逃避行の結末はこうしたかった。
認められなくても、私の口で伝えたかった。
「で……どうだったんだよ」
「『息子を幸せにしてやってくれ』って言われました」
河内さんは目を見開いた。
「そんなこと言ったのか……」
「はい、私も想定外の言葉に驚きました」
河内さんはだんだん落ち着いてきた。
「だから、私は河内さんを幸せにしないといけないんです……」
新たな決意表明。
「期待している」
そう言った河内さんの表情はどこか穏やかだった。
「河内さんのお父さんは今どこにいるのでしょうか」
河内さんはウィスキーのグラスを傾けながら口を開いた。
「子会社で社長をやってる」
「子会社にいるんですね」
「俺が追い出したからな」
私が行方をくらませた三年で、河内さんは復讐の鬼となり社長に上りつめ、お父さんを排除した。
「私たちが結婚することはご両親に言ってないんですよね?」
「ああ、何も言ってない」
「私、河内さんのお母さんのこと、まだ何も知らなくて……」
河内さんは目を伏せた。
「母は学生の時に病気で亡くなっている」
「そうだったんですね……」
河内さんの過去をあまり知らない。
これからいろいろわかると思うけど、私とは全然違う人生だったんだろう。
お母さんが亡くなった後を考えると胸が苦しくなった。
「ちなみに、お父さんの働いてる会社はどちらでしょうか?」
河内さんに睨まれた。
「まさか……余計なこと考えてないよな?」
「は、はい!ただ気になっただけです!」
その後、渋々その会社のホームページを見せてくれた。
ここから割と遠いけど……
私はどうしても、また会いたかったんだ。
私一人の足で。
* * *
私は、その日、会社が終わった後その会社に向かった。
河内さんに秘密で。
既にアポイントは取ってあった。
会社に着いて、受付で説明すると、会議室に案内された。
会議室で待っていると、しばらくしてドアがゆっくり開いた。
そこにはあの日、あの会社の社長室にいた彼より、少し雰囲気が衰えた男性が入ってきた。
彼は私を一瞬だけ見た。
「久しぶりだね。また会えるとは思っていなかったよ」
河内さんのお父さんは会議室の上座にゆっくり座った。
「ここに来たってことは息子のことでか?」
「はい」
彼はため息をついた。
「君がいなくなった後の三年間、あいつは人が変わったかのように仕事に打ち込んでいたよ」
「そうだったんですね……」
その三年間の河内さんのことを考えると、罪悪感で胸が痛む。
「そして、とうとう私は立場を失った」
河内さんのお父さんは少し俯いていた。
「こんなことになるなら、あの時余計なことをしなければよかったと後悔しているよ」
あの時、何も言われなかったら私はどうなっていたんだろう。
そのまま河内さんと幸せになれていたのだろうか……。
「君はまた息子と関わっているのか」
「はい、私、彼と結婚しようと思ってます」
あの日、この人と会った時も怖気づかず自分の気持ちを言った。
今回は私からの挑戦状。
「そうか」
彼は特に何も感じていないようだった。
「反対されないんですか……?」
「もう会社はあいつのものだ。立場は私の方が弱い。何も言うことはない」
上とか下とか……。
私は河内さんの家族としての彼と話したいんだ。
「肩書は抜きにして、私はお伝えしたかったんです」
彼はどこか遠くを見ていた。
「今更反対もないだろう。それに……あいつをここまで追い詰めたのは私だからな」
河内さんのお父さんは立ち上がった。
「息子を幸せにしてやってくれ」
それを告げて、彼は会議室から出て行った。
その時、私の瞳から涙が一粒溢れた。
嬉しいのに、切ない。
複雑な心境だった。
でも、ちゃんと伝えることができた。
その後、私が会社のビルを出ると……
やっぱり河内さんがいた。
「やっぱり来ていたな……」
「よくお分かりですね……」
その後、車に引きずられるように乗せられた。
「なんで一人で行った」
河内さんは怒っている。
「河内さんに言ったら絶対反対するじゃないですか!」
「当たり前だ!あの後お前いなくなっただろ!?」
運転が荒くなる。
「でもこうしないと自分の中でちゃんと終われなかったんです!」
あの逃避行の結末はこうしたかった。
認められなくても、私の口で伝えたかった。
「で……どうだったんだよ」
「『息子を幸せにしてやってくれ』って言われました」
河内さんは目を見開いた。
「そんなこと言ったのか……」
「はい、私も想定外の言葉に驚きました」
河内さんはだんだん落ち着いてきた。
「だから、私は河内さんを幸せにしないといけないんです……」
新たな決意表明。
「期待している」
そう言った河内さんの表情はどこか穏やかだった。
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