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2章 幼女な神様と2人旅
22.賭場に来てみたんだが
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オレ達は日が落ちるのを待って、賭場のある通りにやって来た。
そこでは至る所で酒や金を賭けにしたゲームが行われていた。
負けた勝ったと騒ぐ大人達は、他人の迷惑など一切気にしていないようである。
そして、それがここでの常識なのだ。
ここは賭け事に興じるためだけの場所。
外の世界とは一線を画したこの場所には、賭けに狂った人間も少なくない。
そんな場所でオレは幼女を連れている。
異様な光景に違いない。
ただオレもスヴィエートも、そんな事は気にしていなかった。
「賭け事には色んなゲームがあるのだな。見ているだけでも面白いのだ」
「自分の得意なゲームで賭け事をした方が有利だからな。自分以外の誰もやった事のないゲームで賭けをしようとするのは当然だ。中には、イカサマをするためにゲームを作る奴もいるぞ」
「イカサマで賭けに勝って楽しいのか?」
「イカサマも賭けの醍醐味だと思っているんだろ。看破られれば負けだし、頭の良い奴なら逆に相手のイカサマを利用して有利に立ったりするしな。スリルを求めてるんじゃないか?」
「ディランは詳しいな。やった事があるのか?」
「昔、一度だけやってみた事があるぞ。それより、あれじゃないか?」
オレは先にある曲がり角を指差す。
なにやら厳つい男がそこを曲がろうとする人間に目を光らせている。
闇市の会場に一般人が入って来ないように見張っているのだろう。
その男がオレ達に気づくと、顔をしかめて近づいてくる。
表情からして歓迎されていないらしい。
「お前ら、ここに何の用だ!」
男はオレ達の前に立って進路を塞ぐ。
「この先で何かやってるみたいだから気になってな」
「ガキが入って良い場所じゃないんだよ!そこの角を右に曲がるんじゃねぇぞ!!」
イラついた声で男は威圧してくる。
「少し覗くだけでも駄目か?」
「駄目に決まってるだろ!さっさとどっか行け!」
交渉できないかと試みたが、取りつく島もない。
スヴィエートを連れている時点で、すんなり入れて貰えるとは思っていなかったが、ここまで歓迎されていないとなると、男の言うことに従うしか無さそうだ。
「右に曲がらなければ良いんだな?」
「そうだと言ってるだろう!」
オレはもう一度、男に確認してから再び歩き出す。
男はしばらくオレ達を睨んでいたが、曲がり角を通り過ぎたのを確認すると、視線を外した。
「今日は諦めるのだ……」
スヴィエートは残念そうに声を上げる。
まあ、普通ならここで諦めるだろう。
だが、オレは諦めるのは嫌いなのだ。
「それは違うぞ、スヴィエート。ついて来い!」
オレはそう言うと、スヴィエートの手を引いて、来た道を引き返す。
スヴィエートは困惑した様子だが、ディランの手に引かれるまま走り続ける。
途中で頭に乗せたナイトが落ちそうになって、慌てて手で押さえたりしていた。
すると、すぐに曲がるなと言われていた場所が見えてくる。
そしてオレ達は男が視線を外した隙に、角を曲がり切ってしまった。
「……危なかったな」
「うむ。……でも入ってしまって大丈夫なのか?」
走ったことで息を切らせたスヴィエートが、心配そうに聞いてくる。
見張りの男に言われた事を気にしているのだろう。
「オレ達が言われたのは、『右に曲がるな』って事だ。オレ達はあの角を一度通り過ぎて、戻ってきた後に左に曲がった訳だ。右には曲がってない。言われたことには従っただろ?」
明らかに屁理屈だが、そう言うとスヴィエートは、それもそうかと納得してしまう。
(オレの考え方に似てきたのか……?)
良くない傾向かも知れない……。
そこでは至る所で酒や金を賭けにしたゲームが行われていた。
負けた勝ったと騒ぐ大人達は、他人の迷惑など一切気にしていないようである。
そして、それがここでの常識なのだ。
ここは賭け事に興じるためだけの場所。
外の世界とは一線を画したこの場所には、賭けに狂った人間も少なくない。
そんな場所でオレは幼女を連れている。
異様な光景に違いない。
ただオレもスヴィエートも、そんな事は気にしていなかった。
「賭け事には色んなゲームがあるのだな。見ているだけでも面白いのだ」
「自分の得意なゲームで賭け事をした方が有利だからな。自分以外の誰もやった事のないゲームで賭けをしようとするのは当然だ。中には、イカサマをするためにゲームを作る奴もいるぞ」
「イカサマで賭けに勝って楽しいのか?」
「イカサマも賭けの醍醐味だと思っているんだろ。看破られれば負けだし、頭の良い奴なら逆に相手のイカサマを利用して有利に立ったりするしな。スリルを求めてるんじゃないか?」
「ディランは詳しいな。やった事があるのか?」
「昔、一度だけやってみた事があるぞ。それより、あれじゃないか?」
オレは先にある曲がり角を指差す。
なにやら厳つい男がそこを曲がろうとする人間に目を光らせている。
闇市の会場に一般人が入って来ないように見張っているのだろう。
その男がオレ達に気づくと、顔をしかめて近づいてくる。
表情からして歓迎されていないらしい。
「お前ら、ここに何の用だ!」
男はオレ達の前に立って進路を塞ぐ。
「この先で何かやってるみたいだから気になってな」
「ガキが入って良い場所じゃないんだよ!そこの角を右に曲がるんじゃねぇぞ!!」
イラついた声で男は威圧してくる。
「少し覗くだけでも駄目か?」
「駄目に決まってるだろ!さっさとどっか行け!」
交渉できないかと試みたが、取りつく島もない。
スヴィエートを連れている時点で、すんなり入れて貰えるとは思っていなかったが、ここまで歓迎されていないとなると、男の言うことに従うしか無さそうだ。
「右に曲がらなければ良いんだな?」
「そうだと言ってるだろう!」
オレはもう一度、男に確認してから再び歩き出す。
男はしばらくオレ達を睨んでいたが、曲がり角を通り過ぎたのを確認すると、視線を外した。
「今日は諦めるのだ……」
スヴィエートは残念そうに声を上げる。
まあ、普通ならここで諦めるだろう。
だが、オレは諦めるのは嫌いなのだ。
「それは違うぞ、スヴィエート。ついて来い!」
オレはそう言うと、スヴィエートの手を引いて、来た道を引き返す。
スヴィエートは困惑した様子だが、ディランの手に引かれるまま走り続ける。
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すると、すぐに曲がるなと言われていた場所が見えてくる。
そしてオレ達は男が視線を外した隙に、角を曲がり切ってしまった。
「……危なかったな」
「うむ。……でも入ってしまって大丈夫なのか?」
走ったことで息を切らせたスヴィエートが、心配そうに聞いてくる。
見張りの男に言われた事を気にしているのだろう。
「オレ達が言われたのは、『右に曲がるな』って事だ。オレ達はあの角を一度通り過ぎて、戻ってきた後に左に曲がった訳だ。右には曲がってない。言われたことには従っただろ?」
明らかに屁理屈だが、そう言うとスヴィエートは、それもそうかと納得してしまう。
(オレの考え方に似てきたのか……?)
良くない傾向かも知れない……。
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