【何カ所か18禁]女神の伴侶戦記

かんじがしろ

文字の大きさ
7 / 181

7 和解の兆し

しおりを挟む
 亜空間ワープを、
陸戦隊は何故かジャンプと呼ぶが、理由は誰も知らないらしい。

 あと三日後がジャンプ予定日で決まり、
今は六回目ジャンプ後であるが、小ホール食堂のスクリーンから、
ひまわり銀河の映像がたれ流れていた。

 鹿島の故郷地球から2670万光年らしいが、
しかしながら、相変わらず観客は無人である。

 次のジャンプで最終地ソンブレロ銀河だが、
地球から3千万光年らしい。

 しかし、次のジャンプでは、
脳筋ムキムキ娘こと、シーラー.カンス陸士長の、
ジャンプ前の胃炎は起さないでほしいと、鹿島は願っていた。

 前回のジャンプ直前は、五人掛かりで医療室から運びだして、
身体をシートベルトで座席に固定した後に、
吸引器付きホースの先を口の周りに固定した。

「次のジャンプでは、睡眠剤を、、、使わせていただきたいと思います。」
と鹿島は脳筋ムキムキ娘から懇願されたが、
睡眠剤等は、ジャンプ前に摂取すると危険らしいので、
鹿島は絶対に許可しないと強く拒否した。

 鹿島小隊では、どんな作戦中であろうと、
互いを注視し合い、絶対に一人も死なせないとの訓示がある。

 六回目の亜空間ワープは大事もなく済み、
マーガレットは輸送先のアーロ星の気象情報を調べたいのだが、
リカーICには、
軍用データーしかなくて軍駐留以前の気象記録などはない。

 鹿島との十回目の会談後に、
図書室の本か歴史ICで調べ物ができないかと図書室に入ると、
搭乗手続き前に見たモーレツ娘が机にうつぶせ寝しているのに気付いて、
「あら、どうしたの?」

 マーガレットは、
このモーレツ娘シーラーに興味があったので声をかけてみたようである。

 脳筋ムキムキ娘シーラーは、
突然副艦長からの声掛けにビックリしたようで、

「副艦長殿、見苦しいとこお見せして、申し訳ありません。」
と言って起き上がると、上級者向け敬礼をした。

「いいのよ、ここは娯楽施設だから、気楽にしましょう。」
「ありがとうございます!」

「なんで?こんな所で寝ていたの?」
「ジャンプです。以前は、なんともなかったのですが、
苦手になったのです。
何か良い方法がないかと調べたが、
何も見つからないので、ふて寝してしまいました。」

「ごめんね、亜空間ワープは、普通長くても5時間ぐらいなのに、
10時間だものね~。
帰りの燃料が補給地までギリギリなので、
燃料節約のために亜空間ワープを長くする必要があるの。」
と言ったのは、
航宙軍の不手際で出航遅れの理由をマーガレットは隠した。

「それは気にしていません!
ただ、輸送艦での移動が、私達の訓練場なので、
この艦は、われらに向いてなかったのです。
そのストレスだと思います。」

「訓練が好きなの?」
「生き残るには必要です。それと、、、隊長をケガさせたくありません。」

「隊長、好きですか?」
「好きです。候補者の筆頭にしてもいいかなとは思っています。口が滑りました!
でなくて、男女間のことでなく仲間としてです!
隊長は、戦闘中、全隊員の状態を常に見ています!
私は、何度も助けられています!
みんなもそうです。だからみんな強くなりたいのです!」
と、
シーラーは顔を真っ赤にして、後半の言葉を強調した。
 
 マーガレットは、モーレツ娘を正直な子で、
好感の持てる人だと感じた。

「訓練とは、体力造りと思うのですが?」
「航宙軍と陸戦軍とでは、敵との距離が違います。
私達は、一メートルに敵がいます。ミスると名誉の戦死です。」

「私に理解できるように、説明してくれる?」

 マーガレットは、
鬱陶(うっとう)しい要求の陳情に現れる鹿島を思い出した。

「戦闘後、隊長に危うかった場面を指摘されますが、
私と経験少ないものには、
言葉だけでは、修復できないのです。
対敵仮想マシーンでは死にませんので、
対敵仮想マシーンで納得できるまで訓練できればと、
いつも思っています。
特に隊長殿のプログラムは、各自に合わせてもらえます。」

「貴女の部屋へ、時々お邪魔します。いいですか?」

マーガレットは、航宙軍の不手際に気づいた様子である。

「副艦長殿でしたら、
ドアにカギはついていませんが、何時でもドアを開けれます。」
と、
能天気に明るいシーラー陸士長は、再度上級者向け敬礼をした。

「友達になりたいので、
以後、二人だけの時には、敬礼も敬語もなしです。」

「有難う御座います。よろしくお願いします。」
「だから、敬語無しで。」

 トカゲモドキは、二本の長い刃爪を振り回して襲い掛かるが、
それを払いのけ、交わしながらの肉弾戦で倒す。

 払いのけきれないと、倒すのは無理である。

 払いのけても前は安全だが、後ろから刃爪が襲い掛かるので、
仮敵訓練は、生き残り訓練であり、
陸戦士には、移動中の訓練は義務付けられている。

その訓練義務は、上官からの強制訓練ではなく戦士の要求だった。

 マーガレットは、他の陸戦隊と他の輸送艦で同舟時、
陸戦隊員達は、移動作戦中なのに命の洗濯と酔っぱらっていたが、
しかしながらシーラー陸士長との会話で、
この鹿島隊の隊員たちからは、
アルコールの匂いを感じたことがないと気が付いた。

 マーガレットは、乗船中の陸戦隊からの要求は重要な事だと、
シーラーから気付かされて、
おぼろげながら彼らにとっての訓練は、
生き延びる為に必要なことなのだったと理解しだした。

 輸送艦には、全訓練用の設備を導入する義務条文がある。

 この輸送艦責任者は、
マーガレットを含め陸戦隊の訓練を重要とは思い至らなかった上に、訓練設備設置工事不手際のままの無理な出航は、
航宙軍と当艦にあるとマーガレットは気が付いた。

「隊長。失礼します。」
と、
脳筋ムキムキ娘は、鹿島用個室なのだが、
軍属艦であるために鍵などついていないドアだが、
ノック無しで許可なしに開けて入りやがった。

「何の用だ!」

 鹿島は、周りの部屋に聞こえるように大声を出した。

「ビッグニュースです。天と地が、ひっくり返る、ニュースです。」
満面の笑顔だ。

いつの笑顔!誰もが憎めないとのことだが、
鹿島も何でも許してしまえると感じてしまった。

 あっ、また俺危ない!と鹿島は思ったようで、
「どんな!」
と、怒り顔で怒鳴った。

「副艦長殿の手料理です。一,七、三、丸、小ホール食堂です。」

「全員か?」
「乗客乗員、全員です。」

「乗客乗員?俺達は、乗客か?」
「副艦長殿は、そう思っているみたいです。」

「わかった。リカーを通さず、
陸士長自ら、全隊員に礼服着用を通達せよ!」
「了解です。」
とドアを締るまで、
脳筋ムキムキ娘はステップしながら退室していった。

「あいつ、今度のジャンプ、大丈夫みたいだな~。
しかし今回食事会する副艦長は、何のために?」
と、意図は理解不能だが、手料理食事会には感動していた。

 鹿島は、副艦長の料理大丈夫かな~、
皆毎日携帯食ばかりだから口が肥えた者はいないだろうが、
皆に料理を披露できるって事は、
やっぱり秀才は、努力するから秀才なのかな~と想いながらも、
だがどうしても鹿島には、
副艦長と料理の組み合わせが思い描けないようでもある。

 鹿島は、陸戦隊礼服に腕を通して時間を確認すると、
食事会まではまだ十二分前だが、
ステップしながらホール食堂へ向かった。

 鹿島がホール食堂前に着くと、ホール食堂の中は静かである。

「カジマが一番!」
と、思い切り自動ドアを開く部分に飛びこんだ。

「隊長。ビリー」
と、ホール食堂中から皆にハモラレタ。

 小ホール内は、十八人の男たちばかりである。

 女性達二人共に調理室かなと思って、鹿島は自分の席を探した。

「隊長。こちらです。」

 雛壇の前方から、トーマスの大きな手が上がった。
 
 鹿島は、トーマスの手先方向に艦長殿の姿が見えたので、
目を合わせて軽い挨拶を送り、
トーマスの頭方向へ向かうと、雛壇近くに二つの空席状況を確認した。

 鹿島は、
席に着く前に艦長殿に向かい故郷地球の挨拶で腰を四十五度に曲げた。

「本日は、ご招待ありがとうございます。」
「いや~。私も乗務員も航佐と陸士長に招待されたのです。
艦は今無人ですが、ま、リカーで大丈夫でしょう。」 

 挨拶返しの言葉は、皆に無人航行の不安を与えぬ為の配慮だろう。

 鹿島がトーマスの横椅子を引き出すと、
「そこは、脳筋ムキムキ娘の席です。」

「しかし、向こうは。」
「わかっています。苦手なのでしょう。今日和解してください。
副艦長殿は、隊長のことを誤解していたようです。
脳筋ムキムキ娘の努力を、無駄にしないで、隊長も努力してください。」

「う~ん、努力する。」

 鹿島は、何を努力しなければならないのだろうかと思ったが、
雛壇近くの席に着き周りを見渡すと、
艦長殿をはじめ航宙軍士官全員が礼服着用している。

「礼服着用しなかったら、危なかった~。
全員が今回の食事会に感謝しているようだね。」
と、トーマスに話し掛けたが、
鹿島は、自分の判断を評価していた。 

 これで、此れからは副艦長を敵に回すと、
俺は死ぬな~とも実感した。

 エプロンドレスの脳筋ムキムキ娘が、
「お待たせ~~。これ!私より下位陸士。配膳を手伝え!」

 脳筋ムキムキ娘は、艦長の前にポテトチップを置くと、
鹿島の後ろに向かいながら隊員に声がけした。

「了解しました。」
又、陸士六人ともハモってる。

「鹿島陸佐。君の隊、仲が良いな~。
今まで、私はいろんな輸送艦で、いろんな隊を送り迎えしたが、
こんなに連携の取れた隊は初めてだ。」

「ありがとうございます。私もそう思います。
良い隊員達に恵まれましたので、
未だ生き残っている私は、果報者です。」

「隊長有り、この隊有りだな。
隊長は本当に果報者だ。
なんの和解か知らないのだが、うちの航佐と和解してほしい。」

 鹿島は、体に何かが当たったと思ったようで、
同時に過去の副艦長との交渉が當間(とうま)のごとく思い出している。

 艦長殿の言葉は、皮肉が盛り込みなのか、
それとも自分の勘違いかと、意識なく思わず立ち上がっていた。

「原因は、自分にあると思います。
昔からよく、ガサツ者と言われていました。」

「かしこまらなくてよいと思う、
この会は、マーガレット嬢の私事らしい。」
 
 陸戦隊移動作戦中に、
航宙軍からの接待等など聞いたことがないので、
少し不用心に浮かれ過ぎていたかも知れないと、
鹿島は反省した顔で身構えた。

「でも、なんで?」
と、
今更ながら思い直したが、
何でこんな展開になったのか分からないまま、
乗客と思われているのなら、
成り行き任せに流されてみようと腹をくくった様子である。

 副艦長の意図など気にしないで、鹿島は開き直って席に座った。


    乱文、迷文、変文のお付き合いありがとうございます。
   九つの徳、仁、礼、智、信、孝、節、悌(てい)、義、絆
    九つの徳、の心で見過ごしてください。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...