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32魔法大会
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すがすがしい朝、鹿島はいつものように防具を身に付け終わると、タブレットパソコンを開くことが日課になった。
地下資源の採掘はすでに採掘ロボットにより稼働していることで、かなりの在庫を蓄える事が出来たのは、コーA.Iの助けがあったとしても、たった八人でここまで出来る、航宙隊の優秀な行動を証明した証である。
白金貨以外の貨幣製造も可能なようで、住民への支払いもできそうだし、課題としてはまだ見ぬ白金貨を製造する為には、白金貨を手に入れなければならない課題があった。
鹿島が食堂室に入ると調理室の方から、かなりのにぎやかな黄色い声が飛びかっている。
鹿島は混雑状態の室内を見渡すと、運営委員のグループテーブルと、陸戦隊のグループテーブルがあり、陸戦隊グループテーブルに居るトーマスの横に座り、
「調理場の方、朝食の準備にしては、にぎやかですね。何が始まっているのです。」
「今日これから、魔法実演大会を行うので、昼の弁当の用意らしいです。」
「魔法は矢張りあるのだ!」
と、ホルヘの感嘆な叫びに、
「この惑星では、何でも有りかい。」
「閣下はスーパーになったのですから、有りそう。」
「俺も魔法を教わると、魔法使いになれるのかな~。」
陸戦隊同士の会話が始まると、マクリーが朝食セットを運んできた。
「マクリー、学校は?」
「魔法実演会の為に、今日は臨時休校。」
魔法実演大会の会場は、エルフ族の住居前の放牧地にて行われるようで、猫亜人グループ、エルフ族グループ、亜人混合グループ、それぞれが皮を剥したダーホーやら、いろんな一角獣の丸焼きバーベキューの支度をしている。
中央辺りではマクリーの指導で、孤児たちと聖騎士団が炭火の上に大きな網を乗せて、アサード式の肉の塊や、三枚におろした川魚を乗せている。
アーマートグループとムースングループも同じ様に、アサード式である。
鹿島は色んなグループから声掛けられたが、手を挙げ応えるだけにして、アーマート、ムースングループの方へ向かった。
「ムースン殿、昨夜はよく眠れましたか?」
「私共みたいな下賤ものを、王宮に毎日泊めていただき、興奮でなかなか寝付けませんのです。」
「あれは王宮ではなく、行政役所みたいなものです。畏まることはありません。」
鹿島は、緊張気味に畏まっている一同を見渡して、
「今日の魔法実演大会において、善し悪し又は生活用の可否を判断して、意見を述べてください。」
「魔法使いは、宮殿の奥に引きこもっているので、めったにお目にかかれませんが、まさか、魔法の実演を見る事が出来るとは、思いませんでした。」
「ムースン殿はいろんな国へ行かれるので、魔法使いにお会いしたことがあると思いましたが?」
「噂は聞いたことがあります。噂だけの知識です。」
「その噂を、披露して下さい。」
「勿論、協力します。」
パンパ街職人であったアーマートは皿に肉を盛り、鹿島に差し出して、
「閣下、私たちは本当に良い国に来ました。ありがとうございます。私の魔法力は微々たるものなので、製造には役に立たないが、化学を理解できると魔法ができなくてもなんでも可能だと知りました。」
「科学を理解して頂き嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします。何か不自由はございませんか?」
「すべてに満足しています。技術において亜人協力国の知識は、毎日が勉強になります。」
「亜人協力国の工業化に、協力していただきたい。」
「皆が意欲をもって、励んでいます。」
アーマートは満足げな笑顔で応えてくれるので、亜人協力国の工業化は幸先良いようである。
フーズとトド夫婦もトラック荷台いっぱいに、野菜と果物を運んできた。
四季折々の野菜や果物が一堂に揃っているのは、闇の樹海跡の耕作地なればこその事らしい。
その中に竹に似た野菜が目に留まり、トドに尋ねた。
「それは、サトウキビですか?」
「そうです。マティーレの話だと、気温の高い地方でないと、発育し無いとの事でしたが、樹海跡地は何でも収穫出来ますし、既に黒砂糖も製造しています。」
「あなた方の努力の甲斐だと思います。それにあなた方と知り合い、国を興すことも出来ました。感謝しています。」
「感謝しているのは我々です。毎日ガイア様に恩恵を頂き、守り人様達とマティーレにこの樹海跡地に誘っていただき、明日の憂いなき今の生活を送る事が出来るようになりました。」
トドグループとムースングループ共に、ガイア様からの恩恵を実感している様子である。
運営委員の四人が、スピーカーを乗せたトラック荷台の上に並び、
「第一回目の、魔法大会を始めます。」
と、パトラの宣言から始まった。
「では、マティーレによる、光魔法の感知と照明の披露です。お願いします!」
マティーレは幅一位メートル長さ二メートル高さ一メートルの箱から、赤い石を選びだすと、それを手に収めて耳に手を当てながら四方を感知するように、ゆっくりとその場で回り始めた。
「感知できる範囲に、魔物も魔獣や猛獣の類は、いませんでしたが、私を見つめる強い視線は感じます。
と号して、右手をホルヘに向けると、指の先から白色光を放ってホルヘに投げた。
猫亜人達がホルヘをからかうヤンヤのちゃちが起きると、マティーレは顔を手で覆って退席した。
夜であるなら白色光は輝いて見えたであろうが、今は昼間であるのが残念である。
猫亜人は隣席同士で二人を祝福するように、手をたたいて歓声を上げている。
「次はハービーハンの、魔法です。」
ハービーハンは手にロープを持ち、司会のパトラとハイタッチしての登場である。
ハービーハンも赤い石の入っている箱から、やはり赤い石を手に取り、
「ロープよ、絡めろ。」
と、ロープの端を握り、パトラに向かってロープの束ねを投げつけた。
ロープは生き物のように、パトラの腰に巻き付きパトラを捕縛した。
昔カウボーイの投げ輪を見た記憶があるが、あの時は投げたロープの先は輪になっていたが、ハービーハンの投げたロープには輪がないが、パトラの腰に巻き付いた。
「ハービーハンの土魔法。操りロープでした。」
と、パトラは自慢げに号した。
次の猫亜人はよく似た顔なので、姉妹らしい。
一人が駆け出して、五十メートルほどで止まり手を振り、配置に着いた合図をしているようである。
残った娘はパトラに三本の旗を渡して、其々が〇、×、△の印があり、その中の一本をパトラに選ばせて、その旗を背中に隠して待機した。
五十メートルほどの所に居る娘が旗を揚げると、旗には丸の印がある。
トラック荷台の娘も、丸印の旗である。
それを五度ほど繰り返し、すべてを当てている。
「キャット姉妹の、光魔法でテレパシーでした。」
鹿島は、家族間のテレパシーは、前にアーマートと妹マクリーの会話を聞いていたので、それほどの驚きはなかったが、次々とエルフ族の操る、火魔法三十センチ位の火炎やら、水魔法で出す水に星座連合隊は、皆驚いているようである。
次の魔法使いは髪の毛は金色で、目は鮮やかな珍しいブルーであり、パトラと同じぐらいの身長で、鹿島の目には、スタイル抜群であるが、パトラ程ではないと思った様子で、それでもなかなかの美人であると認めているようである。
「次の人は、北の国フィルノル出身聖騎士団のメイディ、風の魔法です。」
風魔法は珍しい様で、観客一同がざわめきだした。
例のごとく箱から赤い石を触りながら選んでいるが、なかなか決めかねているようだ。
皆が選んだ赤い石は手のひらに隠れるほどだったが、メイディが選んだのは、指の隙間から赤い石が見えているようである。
「吹雪」と叫ぶと、花びらのように見える雪が前方に流れると同時に、
「キャーッ」と叫ぶと、メイディは赤い石を放り投げて倒れ込んだ。
パトラは自分の方へ飛んできた赤い石にはかまわずに、メイディの手を握り、腰の革袋から万能薬と塗り薬を取り出して、メイディの掌に万能塗り薬を刷り込むように塗り、更に万能薬を口に流し込んだ。
テテサもメイディのいるトラック荷台に飛び乗り、ぐったりとしているメイディの頭を膝の上に乗せて、声掛けしているが、メイディの顔は青ざめたままである。
テテサが両手を挙げて何かをつぶやくと、両手の掌に赤い微粒が集まり、それをメイディの口に押し込んでいる。
「閣下、来て!」
パトラの悲痛な叫び声に驚き、鹿島は駆け出した。
「閣下、妖精を集めて!メイディの口に妖精を押し込んでください。」
鹿島は言われるままに、手のひらを上に向けて、てんこ盛りになった赤い微粒をメイディの口に押し込んだ。
メイディの青ざめた顔が、少しずつに赤みを帯びてきているようである。
「回復へ向かうようですね。」
「良かった。」
「聖者テテサ様も、回復魔法使いでらしたのですね。」
「微力ながら。でも今回は閣下の力でしょう。」
「万能薬で回復しなかったのには、びっくりしました。」
「気力以上の魔石を選定したようで、選別を間違えたのでしょう。」
鹿島は二人の会話に、釈然としない部分があるように思えて、
「二人の会話ですと、私も魔法使いのように話している様子ですが?」
「当たり前でしょう、閣下程多くの妖精を集めきれる者は閣下だけです。」
「赤い微粒が妖精ですか?」
「ガイア様の妖精です。妖精は体内の気を回復するのです。妖精を集めきれる者は、回復魔法使いです。」
「魔法の発動には体内の気を、どの様にコントロールして行なうのですか?」
「魔法を使う時、体内の気にイメージを乗せて、指先に気が集まるように流して、気を外に向けて放出するのです。」
「それの発動条件には魔石が必要です。魔石の助けを借りるのですが、魔石には気を引き出す力の段差があり、気力以上の魔石を使うと体力が無くなり、卒倒して死に至ることがあります。」
「メイディは、魔石の選別を間違えたのですか。」
「そうです。」
魔法も命がけのようである。
今回披露された魔法は、危険性は低いようであるが、爆裂魔法が伝説に存在しているので、継続しての調査が必要と思われた。
メイディの意識が戻り、暫くの間起き上がれないだろうとの事で、取り敢えずパトラの家にて治療も兼ねて養生させることに決まった。
魔法大会の余韻としては、陸戦隊の魔法への憧れは強いようで訓練処ではなくなり、魔法の練習にひと月も勤しんでいるようだが、結果は無駄のようである。
地下資源の採掘はすでに採掘ロボットにより稼働していることで、かなりの在庫を蓄える事が出来たのは、コーA.Iの助けがあったとしても、たった八人でここまで出来る、航宙隊の優秀な行動を証明した証である。
白金貨以外の貨幣製造も可能なようで、住民への支払いもできそうだし、課題としてはまだ見ぬ白金貨を製造する為には、白金貨を手に入れなければならない課題があった。
鹿島が食堂室に入ると調理室の方から、かなりのにぎやかな黄色い声が飛びかっている。
鹿島は混雑状態の室内を見渡すと、運営委員のグループテーブルと、陸戦隊のグループテーブルがあり、陸戦隊グループテーブルに居るトーマスの横に座り、
「調理場の方、朝食の準備にしては、にぎやかですね。何が始まっているのです。」
「今日これから、魔法実演大会を行うので、昼の弁当の用意らしいです。」
「魔法は矢張りあるのだ!」
と、ホルヘの感嘆な叫びに、
「この惑星では、何でも有りかい。」
「閣下はスーパーになったのですから、有りそう。」
「俺も魔法を教わると、魔法使いになれるのかな~。」
陸戦隊同士の会話が始まると、マクリーが朝食セットを運んできた。
「マクリー、学校は?」
「魔法実演会の為に、今日は臨時休校。」
魔法実演大会の会場は、エルフ族の住居前の放牧地にて行われるようで、猫亜人グループ、エルフ族グループ、亜人混合グループ、それぞれが皮を剥したダーホーやら、いろんな一角獣の丸焼きバーベキューの支度をしている。
中央辺りではマクリーの指導で、孤児たちと聖騎士団が炭火の上に大きな網を乗せて、アサード式の肉の塊や、三枚におろした川魚を乗せている。
アーマートグループとムースングループも同じ様に、アサード式である。
鹿島は色んなグループから声掛けられたが、手を挙げ応えるだけにして、アーマート、ムースングループの方へ向かった。
「ムースン殿、昨夜はよく眠れましたか?」
「私共みたいな下賤ものを、王宮に毎日泊めていただき、興奮でなかなか寝付けませんのです。」
「あれは王宮ではなく、行政役所みたいなものです。畏まることはありません。」
鹿島は、緊張気味に畏まっている一同を見渡して、
「今日の魔法実演大会において、善し悪し又は生活用の可否を判断して、意見を述べてください。」
「魔法使いは、宮殿の奥に引きこもっているので、めったにお目にかかれませんが、まさか、魔法の実演を見る事が出来るとは、思いませんでした。」
「ムースン殿はいろんな国へ行かれるので、魔法使いにお会いしたことがあると思いましたが?」
「噂は聞いたことがあります。噂だけの知識です。」
「その噂を、披露して下さい。」
「勿論、協力します。」
パンパ街職人であったアーマートは皿に肉を盛り、鹿島に差し出して、
「閣下、私たちは本当に良い国に来ました。ありがとうございます。私の魔法力は微々たるものなので、製造には役に立たないが、化学を理解できると魔法ができなくてもなんでも可能だと知りました。」
「科学を理解して頂き嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします。何か不自由はございませんか?」
「すべてに満足しています。技術において亜人協力国の知識は、毎日が勉強になります。」
「亜人協力国の工業化に、協力していただきたい。」
「皆が意欲をもって、励んでいます。」
アーマートは満足げな笑顔で応えてくれるので、亜人協力国の工業化は幸先良いようである。
フーズとトド夫婦もトラック荷台いっぱいに、野菜と果物を運んできた。
四季折々の野菜や果物が一堂に揃っているのは、闇の樹海跡の耕作地なればこその事らしい。
その中に竹に似た野菜が目に留まり、トドに尋ねた。
「それは、サトウキビですか?」
「そうです。マティーレの話だと、気温の高い地方でないと、発育し無いとの事でしたが、樹海跡地は何でも収穫出来ますし、既に黒砂糖も製造しています。」
「あなた方の努力の甲斐だと思います。それにあなた方と知り合い、国を興すことも出来ました。感謝しています。」
「感謝しているのは我々です。毎日ガイア様に恩恵を頂き、守り人様達とマティーレにこの樹海跡地に誘っていただき、明日の憂いなき今の生活を送る事が出来るようになりました。」
トドグループとムースングループ共に、ガイア様からの恩恵を実感している様子である。
運営委員の四人が、スピーカーを乗せたトラック荷台の上に並び、
「第一回目の、魔法大会を始めます。」
と、パトラの宣言から始まった。
「では、マティーレによる、光魔法の感知と照明の披露です。お願いします!」
マティーレは幅一位メートル長さ二メートル高さ一メートルの箱から、赤い石を選びだすと、それを手に収めて耳に手を当てながら四方を感知するように、ゆっくりとその場で回り始めた。
「感知できる範囲に、魔物も魔獣や猛獣の類は、いませんでしたが、私を見つめる強い視線は感じます。
と号して、右手をホルヘに向けると、指の先から白色光を放ってホルヘに投げた。
猫亜人達がホルヘをからかうヤンヤのちゃちが起きると、マティーレは顔を手で覆って退席した。
夜であるなら白色光は輝いて見えたであろうが、今は昼間であるのが残念である。
猫亜人は隣席同士で二人を祝福するように、手をたたいて歓声を上げている。
「次はハービーハンの、魔法です。」
ハービーハンは手にロープを持ち、司会のパトラとハイタッチしての登場である。
ハービーハンも赤い石の入っている箱から、やはり赤い石を手に取り、
「ロープよ、絡めろ。」
と、ロープの端を握り、パトラに向かってロープの束ねを投げつけた。
ロープは生き物のように、パトラの腰に巻き付きパトラを捕縛した。
昔カウボーイの投げ輪を見た記憶があるが、あの時は投げたロープの先は輪になっていたが、ハービーハンの投げたロープには輪がないが、パトラの腰に巻き付いた。
「ハービーハンの土魔法。操りロープでした。」
と、パトラは自慢げに号した。
次の猫亜人はよく似た顔なので、姉妹らしい。
一人が駆け出して、五十メートルほどで止まり手を振り、配置に着いた合図をしているようである。
残った娘はパトラに三本の旗を渡して、其々が〇、×、△の印があり、その中の一本をパトラに選ばせて、その旗を背中に隠して待機した。
五十メートルほどの所に居る娘が旗を揚げると、旗には丸の印がある。
トラック荷台の娘も、丸印の旗である。
それを五度ほど繰り返し、すべてを当てている。
「キャット姉妹の、光魔法でテレパシーでした。」
鹿島は、家族間のテレパシーは、前にアーマートと妹マクリーの会話を聞いていたので、それほどの驚きはなかったが、次々とエルフ族の操る、火魔法三十センチ位の火炎やら、水魔法で出す水に星座連合隊は、皆驚いているようである。
次の魔法使いは髪の毛は金色で、目は鮮やかな珍しいブルーであり、パトラと同じぐらいの身長で、鹿島の目には、スタイル抜群であるが、パトラ程ではないと思った様子で、それでもなかなかの美人であると認めているようである。
「次の人は、北の国フィルノル出身聖騎士団のメイディ、風の魔法です。」
風魔法は珍しい様で、観客一同がざわめきだした。
例のごとく箱から赤い石を触りながら選んでいるが、なかなか決めかねているようだ。
皆が選んだ赤い石は手のひらに隠れるほどだったが、メイディが選んだのは、指の隙間から赤い石が見えているようである。
「吹雪」と叫ぶと、花びらのように見える雪が前方に流れると同時に、
「キャーッ」と叫ぶと、メイディは赤い石を放り投げて倒れ込んだ。
パトラは自分の方へ飛んできた赤い石にはかまわずに、メイディの手を握り、腰の革袋から万能薬と塗り薬を取り出して、メイディの掌に万能塗り薬を刷り込むように塗り、更に万能薬を口に流し込んだ。
テテサもメイディのいるトラック荷台に飛び乗り、ぐったりとしているメイディの頭を膝の上に乗せて、声掛けしているが、メイディの顔は青ざめたままである。
テテサが両手を挙げて何かをつぶやくと、両手の掌に赤い微粒が集まり、それをメイディの口に押し込んでいる。
「閣下、来て!」
パトラの悲痛な叫び声に驚き、鹿島は駆け出した。
「閣下、妖精を集めて!メイディの口に妖精を押し込んでください。」
鹿島は言われるままに、手のひらを上に向けて、てんこ盛りになった赤い微粒をメイディの口に押し込んだ。
メイディの青ざめた顔が、少しずつに赤みを帯びてきているようである。
「回復へ向かうようですね。」
「良かった。」
「聖者テテサ様も、回復魔法使いでらしたのですね。」
「微力ながら。でも今回は閣下の力でしょう。」
「万能薬で回復しなかったのには、びっくりしました。」
「気力以上の魔石を選定したようで、選別を間違えたのでしょう。」
鹿島は二人の会話に、釈然としない部分があるように思えて、
「二人の会話ですと、私も魔法使いのように話している様子ですが?」
「当たり前でしょう、閣下程多くの妖精を集めきれる者は閣下だけです。」
「赤い微粒が妖精ですか?」
「ガイア様の妖精です。妖精は体内の気を回復するのです。妖精を集めきれる者は、回復魔法使いです。」
「魔法の発動には体内の気を、どの様にコントロールして行なうのですか?」
「魔法を使う時、体内の気にイメージを乗せて、指先に気が集まるように流して、気を外に向けて放出するのです。」
「それの発動条件には魔石が必要です。魔石の助けを借りるのですが、魔石には気を引き出す力の段差があり、気力以上の魔石を使うと体力が無くなり、卒倒して死に至ることがあります。」
「メイディは、魔石の選別を間違えたのですか。」
「そうです。」
魔法も命がけのようである。
今回披露された魔法は、危険性は低いようであるが、爆裂魔法が伝説に存在しているので、継続しての調査が必要と思われた。
メイディの意識が戻り、暫くの間起き上がれないだろうとの事で、取り敢えずパトラの家にて治療も兼ねて養生させることに決まった。
魔法大会の余韻としては、陸戦隊の魔法への憧れは強いようで訓練処ではなくなり、魔法の練習にひと月も勤しんでいるようだが、結果は無駄のようである。
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