【何カ所か18禁]女神の伴侶戦記

かんじがしろ

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98噂の卵持ち

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 黄色い魔石は、鹿島の胸の中に違和感を感じさせると、
『ま。も。り。ま。す。』
 と、鹿島の中でまた変な声が全身に響いた。

 慌てて肉の壁から這い出て手のひらを見るが、傷跡もない無傷である。
もう一度肉の中に入り、魔石を探したが見つからないようである。
 
 見つからない魔石は矢張り鹿島の中に入ったようである。
とうとう鹿島も噂の卵持ちになったのかと恐怖した。

 三人に後ろ足を引かれて肉から出されたが、
噴き出た心臓の血で全身血だらけで、鹿島は放心状態になっている。

「俺も噂の卵持ちになった」
 と呟いてしまうと、
「俺も噂の卵持ちになった。」「俺も噂の卵持ちになった。」
 と、頭の中で歓喜のコダマが響いている。
 
「閣下。大丈夫ですか?血だらけですが、何処か怪我をなさっていますか?ゲルググ知事様から回復薬と万能傷薬を預かっています。」
「有難う。何ともない。この血は鬼顔熊似の血だ。ただ疲れただけだ。」

「でもすごい!縞模様(しまもよう)の夜叉熊は、
魔物とも戦えるとの噂ですが、
それを一人で剣だけにてお倒しになりました。
さすが魔物ハンター勇者様です。」

 鹿島は落としていた尾刃剣を隠れ護衛から受け取り、
縞模様の夜叉熊の背中から周りを見回すと、
遠巻きに見ていたのか大勢の人が、
街道の両側からかけてくるのを確認している。

 縞模様の夜叉熊の背から飛び降りると、
「不覚にも、我らの一角羊の群れが、
縞模様の夜叉熊を誘い出してしまい、大変な被害が出たであろうが、
それを阻止してくださいまして有難う御座います。
私はアロマ村のアソと申します。
勇者様お名前を教えていただけませんでしょうか?」
「シン.カジマです。」
「このお方は、―――」
鹿島は、身分を明かそうとした男を制した。

「夜叉熊の肉は精力のもとになるとの噂です。
持ち帰れない肉をここで売りましょう。
罪滅ぼしにお手伝いさせてください。」
 とアロマ村のアソは進み出た。

 アロマ村の四人と隠れ護衛による、
街道脇に次々と石のかまどが出来ていく。
 十個位のかまどにやぐらに組んだ蒔きが並べられていくので、
隠れ護衛から受け取った尾刃剣を持ち直してやぐらに炎を噴射した。

「魔法使いの、勇者様であったか。」
 尾刃剣から噴き出る炎に皆は感動の声を上げている。
 
「縞模様の夜叉熊の肉、一切れ大銀貨一枚。精力抜群のもとだよ!」
とアロマ村のアソは、日出国方から届いたばかりだという、
塩商人から大量の塩を買い。
塩たっぷりの焦がした肉を売り出した。

 肉は半焼きにもかかわらず次々と売れていき、
傍に広げられた布地の上には、大量の大銀貨が積みあがっていくが、
所々に金貨も落ちている。
ほとんどの人々は、
二切れ以上を求めるので肉塊は四分の一位だけになってしまったが、
まだ求める人は、
片手に持った焼けた肉を頬張りながら二十人ぐらい並んでいる。
大量の焦がし肉を積んだ荷車もいて、無くなるのは時間の問題であろう。

 そして、縞模様の夜叉熊の肉香りに誘われたのか、
エミューに乗った六人の衛士兵姿の男らが現れると、

「縞模様の夜叉熊は手配されている犯罪獣だ。
何を勝手に売り捌いているのだ。此れは犯罪行為だ!」

「ふざけるな!お前が言うな!お前が縞模様の夜叉熊は、
討伐して山奥に追い立てたと言って、懸賞金をねこばばしやがって、
もう少しで大変な被害が出るところだったのだ。」

「おまえは誰だ!」
「私はアロマ村のアソ。
十二の頃から悪ガキ不良と呼ばれているアソさ!」
と、アソは息まいた。

「この者共を捕縛しろ。抵抗する者は切り捨てろ!」
と衛士兵姿のリーダーが叫ぶと、
抜刀した五人の衛士兵が肉売り場に襲い掛かったので、
鹿島は間に入りその剣先を払おうとしたが、
抜刀した五人の衛士兵の持つ剣は、
鹿島の前で振り下ろした途中で宙に停まっている。

「何をしている!その男も切り捨てろ!」
と衛士兵姿のリーダーが叫ぶと、
五人の隠れ護衛は、鹿島に切りかかった男たちを一刀両断に切り倒した。

「このお方をどなた様と心得る、刃を向けた者共は、一族郎党打ち首だ。」
と言って、
エミューにまたがっている男を引きずり下ろした。

 鹿島の前で宙に浮いたまま停まっている剣は、
何事もなかったように一メートル先で地に落ちた。
又、鹿島には何かが起こっているようだ。

「俺らは、伝説の不死身の勇者様を拝んでいるのだ。」
とみんなが騒ぎ出した。

 羽交い絞めされた男は、
「俺より偉い者がこの領地にいるはずはない!お前ら無礼であろう!」
とわめきながら暴れている。
「このお方様はーーー。」
と言って、鹿島を向くので、鹿島は手を横に振った。

「シン.カジマ----様。まさか神降臨街の守り人で、総督閣下様ですか?」
とアロマ村のアソは跪(ひざまず)いた。

 その場に居る隠れ護衛とミルちゃんに母親のツル殿を除いて、
全員気が付いたのかアロマ村のアソと同じように跪(ひざまず)いた。
「そうだ!総督閣下様だ!」
と、隠れ護衛は胸を張って一同を見回した。

「このゲスの極み野郎は、ほかにも犯罪行為があるだろう。
知っていることを教えてくれ!」
と、隠れ護衛のリーダーらしき男が周りを見渡した。

「つい最近まで、無学なアロマ村から人頭税を取っていたが、
亜人協力国になってからの人頭税は、
廃止になったと知った村長が返金を求めたが、
ゲス野郎は返してくれない。」
「俺の村ではまだ人頭税を払っている。」
俺の所もだと、人々がさわぎだした。

 隠れ護衛のリーダーは、メモ帳とボールペンを取り出して、
それらを書き込んでいき、告発者の名前を聞いている。

「俺達行商人の間では、領主一行に会うと難癖をつけられて、
通行安全税を取られたとの被害が出ている。」
 と男が進み出た。
「まるで追いはぎか、盗賊だな」
と鹿島がつぶやくと、

「先程の態度を見れば、さもあらんです。叩けばまだ埃が出るでしょう。」
と、隠れ護衛のリーダーはメモしながらつぶやく。

「この領地では、
メイディ行政長官と法務官聖騎士団の調査が必要だな。
悪いがこのゲス野郎を、
サンビチョ州都のヘレニズ知事に届けて貰えませんか?」
「責任を持って、このゲスをヘレニズ知事様まで届けます。」

「犯罪者は俺だけではない!そこにいる仕立て使用人女は、
元ゲルグ王の娘を誘拐した犯罪者だ!それを見抜いた俺は功労者だ!」
と喚くので、
鹿島はゲス野郎に近寄り、その口に思い切り拳を入れた。

「ゲス野郎。また一つ罪を増やしたな。俺の連れに対する侮辱罪だ。」
ゲス野郎は前歯を全て無くして、口から血を流している。
隠れ護衛はメモにゲスの罪状を追加していた。

 隠れ護衛たちは骨の付いた肉を齧りながら、
ゲス野郎を引きずり、エミューに乗ってサンビチョ州都に向かった。

 ゲス野郎は走れるうちは大丈夫であろうが、
少しでも休むと惨劇の引きずりが行われるだろう。

 粗方売れてしまった肉は、まだ五十キロぐらい残ってはいるが、
鹿島達は十キロぐらいを受け取り、
残りはアロマ村のアソ達へのお礼に譲っている。

 アソは夜叉熊の角は高価だと言って、鹿島にふたつ角を差し出した。

 アロマ村のアソは迷惑をかけたと、
鹿島達の倒されたエミューの代わりに、
少し貧弱ではあるがエミューを購入していた。

 鹿島は街道のかまどを壊し整地して、
縞模様皮をアロマ村のアソ達の手間賃として渡した。

 鹿島の荷物箱に大量の大銀貨が詰め込まれてはいるが、
荷物箱に入りきれない大銀貨も大量に残っているようで、
布地に包んで荷物箱の横においてある。

 鹿島の荷物は既にツル殿によって布地に包まれて、
ツル殿の胸に抱えて込まれていた。

 鹿島は街道に戻した幌荷車にミルちゃんとツル殿親子に声をかけると、ツル殿はミルちゃんをしっかりと抱きしめて、
何かをこらえるように無言で荷台に乗った。

 ツル殿は、
ゲス野郎の言葉
「娘をさらった犯罪者」とのたわごとにかなり傷ついたのだろう、
荷台にうずくまりミルちゃんをきつく抱きかかえていて、
ミルちゃんは鹿島のそばで歌う事が出来なくなっているようだ。

 既に陽は落ちだして、次の宿場まではかなりの距離があるので、
鹿島はツル殿の了解を貰って、野宿することにした。

 手頃な野営地に着くと、
ミルちゃんとツルは藪のしげる草原で山菜狩りを始めた。

 鹿島はエミューに乗り、少し離れた森の中から、
三本の倒木を蔓で引いてきて、やぐらを組んで火をつけると、
二つのジャバラバケツに水を満杯にした。
三つのかまどが出来た頃、親子は布地を膨らませて、
多くの山菜を二人で抱いている。

「ここは多くの山菜が有り、ここで暮らしたいほどです。」
と、ツル殿は何かが吹っ切れたような、笑顔を鹿島に向けた。

 母娘が料理をしだしている間に、
ゲス野郎からゲルグの名が出てしまった以上、
鹿島はイアラに秘密にできないのでメールしている。

 内容は、ゲルグの子供かもしてない娘を保護している事と、
娘の名はミルで母親はツルと伝えた。

 母親の主張には強い決意があると書いて、
その主張内容を詳しく知らせると、
鹿島は母娘の保護と二人の絆を守ると約束したとも伝えた。

 優しいイアラであれば、最良の対応が可能であろう。

 用意された料理は、
草の上に広げられた布地に並べられている皿は、今回は十分にいきわたりそうである。

 ツル殿はひざを折り、鹿島にこれまでの無礼をわびたが、
鹿島は約束通りテテサ教皇様に会わせると再度誓って、
神降臨街で保護して決して二人を引き離さないとも約束した。

 夕食の料理は豪華で、油で炒めた夜叉熊の肉と山菜には、
野生のニンニクと玉ねぎの味と香りが漂い、
スープはニラ鍋に似た香りで、さらに食欲を増加させられる献立である。

 鹿島は食べ過ぎたのか荷車の車に背を預けながら、
関ヶ原の状況中継に目を移した。

 関が原では多くのかがり火が映し出されているが、
山陰にいた日和見(ひよりみ)を決め込んでいた者たちも、
それぞれの山や丘の頂上に陣を構えたようである。

 そして、鹿島には思い出したくない不安が起きている。

 体に入った魔石はどうなるのだろうと思い、
腹割いてくる未知の物体を想像したら、
何故か金棒を持った縞柄パンツの鬼が出てきたのである。

『ま。も。り。ま。す。』と、変な声も理解不能で、
途中で宙に停まった剣の現象をも考え込んだ。
まとまらない考え中に、変な欲望が下半身に起きだしている。

 縞模様の夜叉熊肉の効用だろうか?

 不謹慎にも、ガイア様の髪の毛に戯れる姿を想像している。
戯れる姿を想像したら、余計に下半身は大きく狂暴化しだしている。

 鹿島は慌ててタブレットパソコンの画面を変えたところで、
目の前が赤く照らされると、
大人の体型の二十代の顔になっているガイア様が現れた。

 その顔は完璧だと思える優しさも冷たさも感じさせる美人顔である。

「あたしに会いたくなったようですね。」

 ガイア様は鹿島の狂暴化した部分に目をやり、
子供がいたずらするときの顔になっている。

 鹿島は大きく狂暴化した部分よりも、
鹿島の体と周りの異変に心を大きいウェートが占めている為に、

「ガイア様。ご相談したい事が有ります。」
「いいわよ。何度でも。私も楽しいから。」
と、鹿島の意図する事はわかっているのに、
とぼけた返事でいたずらそうな眼をした。

 そんなガイア様に構わず、
「黄色い魔石が俺の中に入り込み、
『ま。も。り。ま。す。』と、言って、まだ俺の胸に居る。
おまけに、俺に向かってきた剣が、
俺の周りにバリヤーが在るみたいな感じで、一メートル先で剣を拒んだ。」

「どれも悪いことではないでしょう。」

「卵が俺の中にあるのだよ。生まれたら出てくるでしょう。」

「何が出てくるの?」
「金棒をもったシマシマパンツの鬼。」

「魔石から何かが生まれるなんて、聞いたことも見たこともない。」
「でも俺の中にいる魔石は、勝手に入ってきた。」
「魔石も千年も存在すると、命を持つでしょう。」

「魔石は無機物でしょう。」
「無機物でも、有機物に進化出来ます。」

「無機物が進化する?」
「あなたたちの言葉では、化学反応でしょう。」

「俺は魔石持ちの魔物か怪物ですか?」
「魔石は、有機物としての命はないが、個体としての自分を守るために、魔石霊は強い者たちに宿ります。
そして、長く生き永らえれば心を持ちます。
左手を広げて、魔石を呼び出しなさい。」

 鹿島は言われた通り、胸の魔石に呼び掛けて、
左手のひらを見つめると、
黄金のように輝きながら黄色い魔石が皮膚の中から現れた。

「魔石は伴侶殿のことを、正義の人と呼んで、喜んでいるわよ。
だから、夜叉熊よりはあなたを守ることにしたようよ。」

「縞模様の夜叉熊との戦い後半戦では、その力を使えなかったと?」
「正解。
私たちの子供にも、老樹霊たちからの贈り物は、同じものでしょう。」

「老樹霊たちも魔石を持っていると?」
「もっと立派な、意思表示の出来る力を持った魔石です。
この魔石はまだ若い千年ですが、
老樹霊たちは一万年以上の年月を得ているわ。」

 唖然としている鹿島にかまわずに、
黄色い魔石は再び鹿島の皮膚から胸に移動した。

 鹿島の同意なしで、ガイア様は楽しいと言いながら、
おもちゃで遊ぶ子供のように、
鹿島の狂暴化した部分を、独特な喉の呪文で一心不乱に鎮めて、
「これも貸しです。」
と言って、
熱のない燃えている髪毛の感触だけを鹿島に残して、
「またね~」と言って、人間味を鹿島の中に残して消えてしまった。

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