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145加護持ち子供達
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鹿島達元陸戦隊と運営委員会の四人は、
スクリーンに映し出された二つの映像に見入っていた。
二つの映像には、日出州都上空からの風景と、
虎種族集落広場が映し出されていた。
日出州都の風景は、
上空風景から徐々に街並みの通路へ降りていった。
「以前の面影は無いですね。」
と、マーガレットはショーセツの風貌に見入っていた。
「サクラさんも、以前と比べて、随分と砕けた感じに思えます。」
と、テテサは安心したように微笑んだ。
「サスケの奴も、踊り子たちの相手をした後のやつれはなくて、
生き生きとしてやがる。」
と、鹿島が揶揄すると、
三人の批判のこもった眼光を感じたときに、
アーマートがせわしなく動き回っている姿が映ると話題を変えた。
「アーマートも元気そうだな。」
「アーマートも恋人ができたようで、
恋人を連れて近々帰ってくるようです。」
「日にちが決まったら、連絡をくれ。
兄の威厳で、嫁の心得を、将来の義理の妹に伝えてやる。」
「反対」
と、批判のこもった眼光のまま、
テテサを除いて運営委員会三人はハモった。
「閣下がしゃべると、威厳は無くなります。無口でいてください。」
と、パトラは遠慮なしに批判すると、
ほかの二人と共にマティーレも頷いた。
「恋人を連れて帰ってくるということは、相手はトラ顔?」
「何かを感じさせる言葉だけれど。」
と、ドヤ顔でマティーレは見つめた。
「そそ、そ~な意味ではない。ただ、俺みたいに、、、、、、。いや、かかあ天下、、。いや、アーマート達は、上手くいく良い夫婦になるだろう。」
「今の言葉は本心でしょう。」
「不満があるなら言いなさい。」
と、お腹の大きなマーガレットと不満顔のパトラは鹿島に詰め寄った。
「うほん。それは、ほかの場所でお願いしたい。」
と、トーマスは助け舟を出した。
鹿島は下を向いたまま、トーマスの言葉に頷いている。
映像は、
集落から虎種族の住んでいる虎森と呼ばれている方向へ展開していた。
虎森周りではコンクリートの壁工事が進められている。
「ドドンパ国は、ホントに森への道を遮断するつもりだろうか?」
「毒ガスを用意すると、
コーA.Iから、いや、使徒様からの攻撃を受けると、
被害は自軍だけが受けるので、
さすがに何度も同じ過ちはしなくなったが、
隔離壁を作らなければならない、内政的事情があるのだろう。」
「何のための壁だ?」
「自国民がベルリン村を経由して、虎森に逃げ込めるとの噂に、
多くの人々が、生活の豊かな亜人協力国へ逃げるために、
ベルリン村へ集まってくるので、それを阻止したいのだろう。」
「ベルリン村では総出で、逃げ出す人々の道案内料金を、
主な収入源としての生活の糧としていた様です。」
「ベルリン村では、ベルリンの壁と呼んでいるようです。」
「指導者は常に反抗を恐れているものだ。」
「閣下も恐れているのですか?」
「俺は、歓迎する。」
皆は白けた目をして、
「ここだけの話とするならば、聞き流せるが、
二度とあんな事件を起こすきっかけだけはやめて欲しい。」
「他所では、二度と冗談でも言わないでほしい。」
と、マーガレットとパトラは睨み付けた。
「内戦のあとかたづけは、辛い。」
と、トーマスは何かを思い出したように、周りを見渡した。
「虎種族は、友好を阻害する壁は邪魔だと抗議しているようですが?」
「彼らの歴史的友好は、永いらしいからね~。」
「心情的には、虎種族はドドンパ国側でしょうか?」
「今ではアーマートが指導者だし、彼ら虎種族を仲間と信じましょう。」
「ガイア様に誓って、忠誠を宣言したのです。信じるべきです。」
「そうだな!俺が信じてやらないと、彼らに不安を与えるだろう。」
と、トーマスは元帥顔になった。
「少し俺も師団に気合い入れに行くか。」
と、ようやく立ち直った鹿島は叫んだ。
最弱装備の近衛師団にも無反動砲や、
機関銃を取り付けた装甲車両も配備されていて、
少しは見栄えの良い師団に変貌していた。
「師団長閣下。お帰りなさい。」
とシュワルル連隊長の歓迎を受けて、
鹿島は朝礼台と呼ばれる木製の台に上がると、
大きな歓声で迎えられた。
「前科一犯未遂の師団長である。この国では、やり直しができる。
昨日の恥は明日取り返せる。命を第一と思い、挑戦してほしい。」
と、相変わらず短い訓示であったが、歓声は響き渡った。
鹿島は明日の朝、コオル街に出発にあたり、
パトラの子ども達、レイ (礼)とヨイ(義)会う為にパトラの家に向かった。
「あ、お父様だ。剣術やろう。」
「やりましょう。やりましょう。」
と言って、
脇に置いていた木刀をレイとヨイは握りしめて玄関部屋に駆け込んできた。
「まず、お父さんに手を洗ってもらい、
ゆっくりとコーヒーを進めるのが礼儀でしょう。」
と、満面笑顔のパトラは優しく諭した。
「いいよ、いいだろう。では庭に行こう。」
と、鹿島もまんざらでもない態度である。
「まず私が先。」
とレイが正眼に構えた。
「ガッテン。」
と気勢を上げて、レイは頭上から木刀を振り下ろした。
「う。」
と鹿島は三才の子供とは思えない木刀を受けた。
「随分と上達したな。」
「この前お母様と、豚似コヨーテを倒しました。」
「なに!パトラ!どういう事だ!」
「僕は一人で、倒したよ。」
と、ヨイも自慢げに話しだした。
「だって!私はもうヨイには、勝てないのだもの。」
と、やはり満面の笑顔で答えるパトラであった。
「それはそれでいいが、まだ三歳だぞ。魔獣相手はやばいだろう。」
「大丈夫よ。鱗甲冑と尾刃剣も買ってあげたから。」
「いや、まだ三歳だぞ。」
「レイ。ヨイと交代。」
と、パトラは鼻高々にレイに声掛けした。
「やだ!一手当てるまでヤダ!」
とまぶたに涙をためてレイは叫んだ。
「お母様。レイおね~が、あの目をしたら、止まらないよ。
この前、朝からお昼まで、あの顔で、俺に打ち込み続けたのだから。キズナちゃんが止めなかったら、夕方まで、続いていたよ。」
それを聞いていた鹿島は受け止めをやめて力を抜くと、
思いっきりの打ち込みを肩に受けた。
「やったー!勝った!」
と、レイは喜びまわった。
鹿島はトーマス程からの衝撃はないが、かなりの激痛が走った。
「次、僕。」
と、ヨイが撃ち込んできた。
レイから受けた肩の痛さによる左腕にしびれを感じながらも、
何とか一撃はかわせたが、トカゲモドキより強いと鹿島は感じた。
「おい。いつの間にかこんなに強くなった。」
「老樹霊の加護をいただいた時からよ。」
「守るとの加護か?」
「そうみたいですね」
鹿島は寸止めで止めようと思って、思い切り打ちこんでみた。
三十センチ手前で、何かに打ち込んだ木刀を握り絞められた。
鹿島は容赦のないヨイからの打ち込みで、横腹を抑え込んだ。
「大丈夫ですか?」
と、ベッドに寝かされている鹿島に、
パトラの顔が顔面前に置かれていた。
「凄い加護持ちだ。」
「でしょう。
だから今は、剣術の型と、仮想マシーンで練習しています。」
「分かった。四人とも同じ加護持ちか?」
「木刀を持ちたがるのは、レイとヨイだけ。
サトイちゃんとキズナちゃんは嫌がるわ。」
「ヨイはどんだけ強くなるのだろう。」
「あなたよりも、強くなるでしょう。」
「ま、子供に抜かれるのはしょうがないが、末恐ろしい。」
「感情的知性を持ったレイと、体感運動能力性を持ったヨイなのだから、期待できるわ。」
「サトイとキズナも変化が現れているのでしょうか?」
「もちろん、サトイちゃんの記憶力には、あのコーA.Iも驚いているわ。
テテサはキズナちゃんの予知に振り回されているようよ。
でも、いろんな情報の真偽は、的確に教えてくれるらしいわ。」
「まだ二歳の子供がか?」
「子供達は既に十七、八歳のしゃべり方だわ。もう痛みは取れた?」
「ああ~。大丈夫だ。」
「では、手と顔を洗ってきて。食事にしましょう。」
「しかしながら、エルフの万能薬は大したものだ。」
「何言っているの、閣下の体が特別なのよ。
万能薬だけでは、こんなに早く回復しないわよ。」
鹿島は顔と手を洗って食堂に入ると、
レイとヨイはすぐに椅子から立ち上がり、
「お父様ごめんなさい。」
と、お辞儀をしだした。
「強いことはいいことだが、弱い者いじめだけはするなよ。」
「弱い者には興味がない。」
と、レイは横を向いた。
「俺もレイだけを相手にしているが、
サトイちゃんとキズナちゃんは弱いけれど好き。」
「あたしよりも。」
「レイおね~は、お姉さまだ。好きだよ。
でもしつこいからいやだ。いつも俺が負ける。」
「それはあたしが本当に強いからだよ。」
「はい、はい。レイおね~が一番です。」
と、ここでも女が強いようである。
夜のとばりが落ちて、レイとヨイも寝静まり、
イヤホンを耳にエキサイトしたパトラは、
やばい場所で曲に合わせて腰を振っている。
「随分と上手になったようだね。」
「毎日練習していますから。」
「あの踊り子たちのCD踊りが、気に入ったようだね。」
「あまりにも卑猥だけれど、閣下が喜ぶならと練習しました。
が、今では私の好みです。」
「皆に進めたのは、パトラだろう。」
「最初はマーガレットとCDを見ていて、卑猥と言い合ったが、
美魔女さえ負けるほど男が夢中になっていると聞いて、
二人で練習していたら、
みんなに気づかれて、踊り愛好会を立ち上げただけです。」
と言いながら、
一瞬苦し顔になったが、すぐに微笑んで目を浮かせだした。
踊りをやめて体を硬直させたのちに、息を吐きながら、
「あたしだけが楽しんでしまい、ごめんなさい。」
「俺もすごくいい。」
と、鹿島が応えると、
子供が笑って返事するような顔で、また腰振りだけの踊りが始まった。
パトラの二度目の絶頂中に部屋が真っ赤になり、
ガイア女神が現れた。
パトラは恍惚状態のまま、下目線で、
「今日は私専用よ。」
と言うと、目を伏せた。
子供体系と幼顔で覗かれているのに気が付いた鹿島は、
パトラのおもちゃと化した逸物から強さが引いていった。
「ちょっとまだもう少し。」
と鹿島をにらみつけた。
「ガイア様に覗かれている。」
「いつものことでしょう。」
「しかしながら、あの目はやばい。」
と、言うと、パトラも不思議そうに女神様を見ていた。
「女神様。今日は変です。」
「私も印が欲しくなった。」
と、これまで見せたことのない苦悩を顔に表した。
鹿島とパトラは互いに顔を見合わせて、互いに首を横に曲げた。
ガイア女神様は、
パトラからイヤホンを取り上げて、踊り子諜報員の踊りを始めた。
「下手。」
と言って、パトラはドヤ顔になった。
二人は鹿島をほったらかしにして、
床に枕を置いてステージ代わりに踊りの練習を始めた。
朝の小鳥のさえずりで、鹿島は目を覚ますと、
両手に花状態に気が付いた。
「皆さんおはようございます。」
と、鹿島は寝入っている二人に、遠慮気味に声をかけた。
女神様はぱっちりと目を開けるなり、
「肝心のことを頼みに来たのに、大変だ。」
と言って、パトラを揺り起こした。
「パトラ半身よ、わが伴侶よ、頼みがある。
インデアンエルフを救援してくれ。
彼等は絶滅の淵に立たされそうなのだ。」
「インデアンエルフ?聞いたことがない。」
とパトラは怪訝そうに答えた。
「貴方達が、新大陸と呼んでいる土地にいる耳長種族だ。」
「遠すぎでしょう。」
「あなた方なら、たやすいでしょう。」
戦略作戦室では、
トーマスはガイア様をじっと見ているだけで、声を出せずにいた。
「ここが新大陸上空です。コーA.I、人型生命反応を調べてくれ。」
と、マーガレットはコーA.Iに声がけした。
「広範囲に集落が点在していますが、
せいぜい多くても、千五百人以下だけの集落です。
「アップしてくれ。」
と、パトラは声を上げた。
スクリーンに映し出された耳長種族の体は二メートルの巨漢で、
髪の毛は黒く、目は金色の猫目である。
「彼等は夜の闇夜でも、周りの景色を見ることが出来ます。」
その話を女神様が言っている間に、
スクリーンの画面が変わり、見たことのない銃を人種は持っていた。
「銃をアップしてくれ!」
と、鹿島は叫んだ。
「新しいタイプの銃ですね。」
「作りもしっかりしているようだ。」
と、トーマスと鹿島は銃の評価をしだした。
トーマスと鹿島が、
本題から離れだしていることに気が付いたパトラは、
「今は、銃の話題ではないです。」
と、二人の会話に蓋をした。
新大陸の地図が映し出されて、
インデアンエルフの集落が、人口の多さに合わせた丸点で表された。
「余りにも広範囲すぎるな。」
と鹿島がつぶやくと、
「土地の半分は移民入植者の住む場所として仕方がないが、
せめて、一億人が住める土地を確保してやってほしい。」
と女神様は鹿島を見つめた
スクリーンに映し出された二つの映像に見入っていた。
二つの映像には、日出州都上空からの風景と、
虎種族集落広場が映し出されていた。
日出州都の風景は、
上空風景から徐々に街並みの通路へ降りていった。
「以前の面影は無いですね。」
と、マーガレットはショーセツの風貌に見入っていた。
「サクラさんも、以前と比べて、随分と砕けた感じに思えます。」
と、テテサは安心したように微笑んだ。
「サスケの奴も、踊り子たちの相手をした後のやつれはなくて、
生き生きとしてやがる。」
と、鹿島が揶揄すると、
三人の批判のこもった眼光を感じたときに、
アーマートがせわしなく動き回っている姿が映ると話題を変えた。
「アーマートも元気そうだな。」
「アーマートも恋人ができたようで、
恋人を連れて近々帰ってくるようです。」
「日にちが決まったら、連絡をくれ。
兄の威厳で、嫁の心得を、将来の義理の妹に伝えてやる。」
「反対」
と、批判のこもった眼光のまま、
テテサを除いて運営委員会三人はハモった。
「閣下がしゃべると、威厳は無くなります。無口でいてください。」
と、パトラは遠慮なしに批判すると、
ほかの二人と共にマティーレも頷いた。
「恋人を連れて帰ってくるということは、相手はトラ顔?」
「何かを感じさせる言葉だけれど。」
と、ドヤ顔でマティーレは見つめた。
「そそ、そ~な意味ではない。ただ、俺みたいに、、、、、、。いや、かかあ天下、、。いや、アーマート達は、上手くいく良い夫婦になるだろう。」
「今の言葉は本心でしょう。」
「不満があるなら言いなさい。」
と、お腹の大きなマーガレットと不満顔のパトラは鹿島に詰め寄った。
「うほん。それは、ほかの場所でお願いしたい。」
と、トーマスは助け舟を出した。
鹿島は下を向いたまま、トーマスの言葉に頷いている。
映像は、
集落から虎種族の住んでいる虎森と呼ばれている方向へ展開していた。
虎森周りではコンクリートの壁工事が進められている。
「ドドンパ国は、ホントに森への道を遮断するつもりだろうか?」
「毒ガスを用意すると、
コーA.Iから、いや、使徒様からの攻撃を受けると、
被害は自軍だけが受けるので、
さすがに何度も同じ過ちはしなくなったが、
隔離壁を作らなければならない、内政的事情があるのだろう。」
「何のための壁だ?」
「自国民がベルリン村を経由して、虎森に逃げ込めるとの噂に、
多くの人々が、生活の豊かな亜人協力国へ逃げるために、
ベルリン村へ集まってくるので、それを阻止したいのだろう。」
「ベルリン村では総出で、逃げ出す人々の道案内料金を、
主な収入源としての生活の糧としていた様です。」
「ベルリン村では、ベルリンの壁と呼んでいるようです。」
「指導者は常に反抗を恐れているものだ。」
「閣下も恐れているのですか?」
「俺は、歓迎する。」
皆は白けた目をして、
「ここだけの話とするならば、聞き流せるが、
二度とあんな事件を起こすきっかけだけはやめて欲しい。」
「他所では、二度と冗談でも言わないでほしい。」
と、マーガレットとパトラは睨み付けた。
「内戦のあとかたづけは、辛い。」
と、トーマスは何かを思い出したように、周りを見渡した。
「虎種族は、友好を阻害する壁は邪魔だと抗議しているようですが?」
「彼らの歴史的友好は、永いらしいからね~。」
「心情的には、虎種族はドドンパ国側でしょうか?」
「今ではアーマートが指導者だし、彼ら虎種族を仲間と信じましょう。」
「ガイア様に誓って、忠誠を宣言したのです。信じるべきです。」
「そうだな!俺が信じてやらないと、彼らに不安を与えるだろう。」
と、トーマスは元帥顔になった。
「少し俺も師団に気合い入れに行くか。」
と、ようやく立ち直った鹿島は叫んだ。
最弱装備の近衛師団にも無反動砲や、
機関銃を取り付けた装甲車両も配備されていて、
少しは見栄えの良い師団に変貌していた。
「師団長閣下。お帰りなさい。」
とシュワルル連隊長の歓迎を受けて、
鹿島は朝礼台と呼ばれる木製の台に上がると、
大きな歓声で迎えられた。
「前科一犯未遂の師団長である。この国では、やり直しができる。
昨日の恥は明日取り返せる。命を第一と思い、挑戦してほしい。」
と、相変わらず短い訓示であったが、歓声は響き渡った。
鹿島は明日の朝、コオル街に出発にあたり、
パトラの子ども達、レイ (礼)とヨイ(義)会う為にパトラの家に向かった。
「あ、お父様だ。剣術やろう。」
「やりましょう。やりましょう。」
と言って、
脇に置いていた木刀をレイとヨイは握りしめて玄関部屋に駆け込んできた。
「まず、お父さんに手を洗ってもらい、
ゆっくりとコーヒーを進めるのが礼儀でしょう。」
と、満面笑顔のパトラは優しく諭した。
「いいよ、いいだろう。では庭に行こう。」
と、鹿島もまんざらでもない態度である。
「まず私が先。」
とレイが正眼に構えた。
「ガッテン。」
と気勢を上げて、レイは頭上から木刀を振り下ろした。
「う。」
と鹿島は三才の子供とは思えない木刀を受けた。
「随分と上達したな。」
「この前お母様と、豚似コヨーテを倒しました。」
「なに!パトラ!どういう事だ!」
「僕は一人で、倒したよ。」
と、ヨイも自慢げに話しだした。
「だって!私はもうヨイには、勝てないのだもの。」
と、やはり満面の笑顔で答えるパトラであった。
「それはそれでいいが、まだ三歳だぞ。魔獣相手はやばいだろう。」
「大丈夫よ。鱗甲冑と尾刃剣も買ってあげたから。」
「いや、まだ三歳だぞ。」
「レイ。ヨイと交代。」
と、パトラは鼻高々にレイに声掛けした。
「やだ!一手当てるまでヤダ!」
とまぶたに涙をためてレイは叫んだ。
「お母様。レイおね~が、あの目をしたら、止まらないよ。
この前、朝からお昼まで、あの顔で、俺に打ち込み続けたのだから。キズナちゃんが止めなかったら、夕方まで、続いていたよ。」
それを聞いていた鹿島は受け止めをやめて力を抜くと、
思いっきりの打ち込みを肩に受けた。
「やったー!勝った!」
と、レイは喜びまわった。
鹿島はトーマス程からの衝撃はないが、かなりの激痛が走った。
「次、僕。」
と、ヨイが撃ち込んできた。
レイから受けた肩の痛さによる左腕にしびれを感じながらも、
何とか一撃はかわせたが、トカゲモドキより強いと鹿島は感じた。
「おい。いつの間にかこんなに強くなった。」
「老樹霊の加護をいただいた時からよ。」
「守るとの加護か?」
「そうみたいですね」
鹿島は寸止めで止めようと思って、思い切り打ちこんでみた。
三十センチ手前で、何かに打ち込んだ木刀を握り絞められた。
鹿島は容赦のないヨイからの打ち込みで、横腹を抑え込んだ。
「大丈夫ですか?」
と、ベッドに寝かされている鹿島に、
パトラの顔が顔面前に置かれていた。
「凄い加護持ちだ。」
「でしょう。
だから今は、剣術の型と、仮想マシーンで練習しています。」
「分かった。四人とも同じ加護持ちか?」
「木刀を持ちたがるのは、レイとヨイだけ。
サトイちゃんとキズナちゃんは嫌がるわ。」
「ヨイはどんだけ強くなるのだろう。」
「あなたよりも、強くなるでしょう。」
「ま、子供に抜かれるのはしょうがないが、末恐ろしい。」
「感情的知性を持ったレイと、体感運動能力性を持ったヨイなのだから、期待できるわ。」
「サトイとキズナも変化が現れているのでしょうか?」
「もちろん、サトイちゃんの記憶力には、あのコーA.Iも驚いているわ。
テテサはキズナちゃんの予知に振り回されているようよ。
でも、いろんな情報の真偽は、的確に教えてくれるらしいわ。」
「まだ二歳の子供がか?」
「子供達は既に十七、八歳のしゃべり方だわ。もう痛みは取れた?」
「ああ~。大丈夫だ。」
「では、手と顔を洗ってきて。食事にしましょう。」
「しかしながら、エルフの万能薬は大したものだ。」
「何言っているの、閣下の体が特別なのよ。
万能薬だけでは、こんなに早く回復しないわよ。」
鹿島は顔と手を洗って食堂に入ると、
レイとヨイはすぐに椅子から立ち上がり、
「お父様ごめんなさい。」
と、お辞儀をしだした。
「強いことはいいことだが、弱い者いじめだけはするなよ。」
「弱い者には興味がない。」
と、レイは横を向いた。
「俺もレイだけを相手にしているが、
サトイちゃんとキズナちゃんは弱いけれど好き。」
「あたしよりも。」
「レイおね~は、お姉さまだ。好きだよ。
でもしつこいからいやだ。いつも俺が負ける。」
「それはあたしが本当に強いからだよ。」
「はい、はい。レイおね~が一番です。」
と、ここでも女が強いようである。
夜のとばりが落ちて、レイとヨイも寝静まり、
イヤホンを耳にエキサイトしたパトラは、
やばい場所で曲に合わせて腰を振っている。
「随分と上手になったようだね。」
「毎日練習していますから。」
「あの踊り子たちのCD踊りが、気に入ったようだね。」
「あまりにも卑猥だけれど、閣下が喜ぶならと練習しました。
が、今では私の好みです。」
「皆に進めたのは、パトラだろう。」
「最初はマーガレットとCDを見ていて、卑猥と言い合ったが、
美魔女さえ負けるほど男が夢中になっていると聞いて、
二人で練習していたら、
みんなに気づかれて、踊り愛好会を立ち上げただけです。」
と言いながら、
一瞬苦し顔になったが、すぐに微笑んで目を浮かせだした。
踊りをやめて体を硬直させたのちに、息を吐きながら、
「あたしだけが楽しんでしまい、ごめんなさい。」
「俺もすごくいい。」
と、鹿島が応えると、
子供が笑って返事するような顔で、また腰振りだけの踊りが始まった。
パトラの二度目の絶頂中に部屋が真っ赤になり、
ガイア女神が現れた。
パトラは恍惚状態のまま、下目線で、
「今日は私専用よ。」
と言うと、目を伏せた。
子供体系と幼顔で覗かれているのに気が付いた鹿島は、
パトラのおもちゃと化した逸物から強さが引いていった。
「ちょっとまだもう少し。」
と鹿島をにらみつけた。
「ガイア様に覗かれている。」
「いつものことでしょう。」
「しかしながら、あの目はやばい。」
と、言うと、パトラも不思議そうに女神様を見ていた。
「女神様。今日は変です。」
「私も印が欲しくなった。」
と、これまで見せたことのない苦悩を顔に表した。
鹿島とパトラは互いに顔を見合わせて、互いに首を横に曲げた。
ガイア女神様は、
パトラからイヤホンを取り上げて、踊り子諜報員の踊りを始めた。
「下手。」
と言って、パトラはドヤ顔になった。
二人は鹿島をほったらかしにして、
床に枕を置いてステージ代わりに踊りの練習を始めた。
朝の小鳥のさえずりで、鹿島は目を覚ますと、
両手に花状態に気が付いた。
「皆さんおはようございます。」
と、鹿島は寝入っている二人に、遠慮気味に声をかけた。
女神様はぱっちりと目を開けるなり、
「肝心のことを頼みに来たのに、大変だ。」
と言って、パトラを揺り起こした。
「パトラ半身よ、わが伴侶よ、頼みがある。
インデアンエルフを救援してくれ。
彼等は絶滅の淵に立たされそうなのだ。」
「インデアンエルフ?聞いたことがない。」
とパトラは怪訝そうに答えた。
「貴方達が、新大陸と呼んでいる土地にいる耳長種族だ。」
「遠すぎでしょう。」
「あなた方なら、たやすいでしょう。」
戦略作戦室では、
トーマスはガイア様をじっと見ているだけで、声を出せずにいた。
「ここが新大陸上空です。コーA.I、人型生命反応を調べてくれ。」
と、マーガレットはコーA.Iに声がけした。
「広範囲に集落が点在していますが、
せいぜい多くても、千五百人以下だけの集落です。
「アップしてくれ。」
と、パトラは声を上げた。
スクリーンに映し出された耳長種族の体は二メートルの巨漢で、
髪の毛は黒く、目は金色の猫目である。
「彼等は夜の闇夜でも、周りの景色を見ることが出来ます。」
その話を女神様が言っている間に、
スクリーンの画面が変わり、見たことのない銃を人種は持っていた。
「銃をアップしてくれ!」
と、鹿島は叫んだ。
「新しいタイプの銃ですね。」
「作りもしっかりしているようだ。」
と、トーマスと鹿島は銃の評価をしだした。
トーマスと鹿島が、
本題から離れだしていることに気が付いたパトラは、
「今は、銃の話題ではないです。」
と、二人の会話に蓋をした。
新大陸の地図が映し出されて、
インデアンエルフの集落が、人口の多さに合わせた丸点で表された。
「余りにも広範囲すぎるな。」
と鹿島がつぶやくと、
「土地の半分は移民入植者の住む場所として仕方がないが、
せめて、一億人が住める土地を確保してやってほしい。」
と女神様は鹿島を見つめた
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しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
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