【完結】意地っ張りで口の悪い受けと、拗らせて執着する攻めの日常

付き合う前

閑話 (告白前) ベターハーフ (藤堂サイド)

まだ、藤堂が東雲への気持ちを意識する前の一コマです。

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「俺らってベターハーフって感じだよな」

って思いつきで言ったら

「は！？」

って東雲が、珍しくポカンと間抜けな顔して固まった。

いや、そんな顔してても格好いいとかどうなってんだよ。えこひいきがすぎるだろ神様。

固まった後、東雲の顔はどんどん赤くなっていった。

「どうしたんだ？具合悪いか？」

「だ、大丈夫だから」

近づいて手で熱を測ろうとしたら、やんわりと拒まれた。
でも、なんか目が泳いでるし様子が変だ。

「具合悪かったら言えよー」

気にはなったけど、構い過ぎるのもアレだろう、と思ったのでいったん放っておくことにしてマンガの続きに戻った。

それから二時間くらいお互いほとんど黙ってマンガ読んだり菓子食ったりネットしたりと、それぞれやりたいことをしていた。
こいつとは、そういう風に過ごせるのがいい。

俺がいて邪魔じゃないかと心配になって、何度か聞いてみたこともあったけど、東雲は毎回「藤堂がいる方が嬉しいよ」と微笑んだ。

気を使ってるのかと思って部屋に行く回数を減らしたら、なんだかんだ理由をつけて部屋に連れ込まれた。
多分、東雲はめちゃくちゃ寂しがりやなんだな、と結論づけて、それからは遠慮なく入り浸るようになった。


………まったくの余談だが。
まったくの余談だが！
その時は、ベターハーフって親友って意味だと思って使ったんだ。

けど後日、東雲のあの反応が気にかかって念のために調べたら、配偶者って意味だと知って死んだ。


誰か俺を殺せ。