【完結】意地っ張りで口の悪い受けと、拗らせて執着する攻めの日常

ハリエニシダ・レン

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迷って悩む

藤堂は…

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藤堂は、俺としたくないんだろうか。

確かに、思い返してみればがっつき過ぎだったとは思う。
けれど、やり過ぎがダメだったのか、行為自体が嫌だったのかは、未だ聞けていない。
もし、後者だと言われたら、どうしていいのかわからない。というより、自分が何をしてしまうかわからないから。

俺は藤堂のことが好きだから、抱きたい。
心だけじゃなく、体も欲しい。
藤堂のすべてが欲しい。
そう思ってしまう。

藤堂も、俺のことを好きだと言う。
でも、俺に触れたいとは思ってくれていないんだろうか…。

あの初デートからの数日間は、俺にとっては夢のようだった。
藤堂が腕の中で声をあげるたび、こいつは俺のものだと実感できた。

でも、一度逃げられてからは、するなと言われてからは、そういう風には触れられない。
藤堂に嫌われたら、そう思うと怖くて。


あの日以降、藤堂は一度もうちに泊まっていかない。
帰りが遅くなっても、終電前には自分の家に帰ってしまう。
一緒に出かけたりもしたけれど、それだけだ。

単にヤりたいんじゃない。
俺は、藤堂に全部を許して欲しいんだ。
俺がすることを全部、受け入れて欲しいんだ。
でも、藤堂にとってそれは、何も言わずに逃げ出すほど嫌なことだったわけで…。

それでもまだ、藤堂は側にいてくれる。
そのことをとても幸せだと思う。
でもその一方で、藤堂に触れたくて触れたくて、時々気が狂いそうになる。

もう、どうしたらいいのか分からない…。

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