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3年次
可愛いって言うな
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「可愛い。大好き。愛してる。本当可愛い」
嬉しそうに目を細めながら東雲が言う。
ムカつく。
東雲は、よく俺にそう言うけれど。
「可愛いって言うんじゃねぇよ」
「なんで?」
不思議そうに目を丸くする東雲。
「なんか腹立つ」
そんなこと言われて喜ぶ男が、いるわけねぇだろうが。
そっぽを向いたら、くすりと笑われた。
「可愛い」
そうして背けた頬にキスされる。
「だから言うなってば」
首を振って、奴の顔を引き離した。
「無理。こんなに可愛いのに言わないなんて無理」
「…可愛いなんて女に言う言葉だろ」
しつこいぞ。
俺が突っ込まれる側とはいえ、俺は女じゃねぇ。
まったく、ふざけやがって。
「そんなことないよ。どんな女よりおまえの方が可愛い」
顔が熱くなったのは、ムカついたからだ。それ以外の理由なんてねぇ!
「っ!!だからそれが腹立つってーー」
顔を上げて睨みつけたら、唇を塞がれた。
「可愛い」
蕩けそうな、愛おしそうな目で見つめられて、俺は言葉を失った。
「可愛い」
もう一度、言葉と同時に頬にキス。
「可愛い」
瞼に
「可愛い」
鼻先に
「可愛い」
口の端に
「可愛い」
耳に
「可愛い」
もう一度唇に
そして舌が入ってきた。
「可愛い」
俺の舌を絡め取りながら何度も何度も何度も、呆れるくらいに繰り返されて。
俺は何も言い返せなくなった。
…言っておくが、口を塞がれ続けて息をするのに精一杯だったからだ。
決してこいつのキスに夢中になったわけでも、ましてや可愛いって言われて嬉しくなったわけでもねぇ!
断じてだ!!
嬉しそうに目を細めながら東雲が言う。
ムカつく。
東雲は、よく俺にそう言うけれど。
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「可愛い」
そうして背けた頬にキスされる。
「だから言うなってば」
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「可愛い」
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「可愛い」
もう一度唇に
そして舌が入ってきた。
「可愛い」
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