R18完結)夫は私のことが好きだったようです

ハリエニシダ・レン

文字の大きさ
7 / 38
本編

7 2日目の夜

「あ…の…」

「どうした?」

「明かりを…」

夫の手が紐を引っ張っただけで、薄布の前は開いてしまった。煌々とした明かりの下で脱がされていくのは、酷く恥ずかしい。

「大丈夫だ。その手の節約するほど困窮してはいない」

そういう意味ではないのに…

今日は、昨日と違って中途半端に脱がされた状態で触られている。こんな格好をしっかり見られてしまっているのは恥ずかしいから、明かりを消して欲しいのに…
それに、少し身動きが取りづらい…

「あの…服…」

「ああ、よく似合っている。とても興奮する」

褒めてもらえるのは嬉しいけれど、そうではなくちゃんと脱がして欲しかったのに…
でも改めて考えたら「脱がせてください」と頼むのもとても恥ずかしいことな気がして、それ以上は言えなくなった。


「そうだ」

ふと、夫が何かを思い出したように呟いた。

「昨日は辛くなかったか?」

「あ…いえ…そこまで辛いというほどでは…」

つい何も考えずに反射的に答えてから、今はともかく、昨日の最中はかなりきつかったことを思い出した。
けれど

「そうか」

ほっと息をつく夫に、気遣われたようで少し嬉しくなってしまって、訂正する機会を失った。

「なら今日は、そこまで我慢しなくてもいいな」

でも直後の独り言のような呟きに、軽く血の気が引いた。

昨日あれでセーブしてたんですか!?

無言で青ざめた私の頬を、夫の大きな手が包んだ。

「大丈夫だ。私は妻に酷いことなどしない」

あなたと私で「酷い」の定義の擦り合わせが必要だと思います…

そんなことも言えず、キスを受け入れる。

そっと重ね合わされた唇。
ほんの少し開いた隙間から、夫の息を感じて鼓動が早くなる。

ふ…

男の人の吐息が、こんなに色っぽいだなんて想像していなかった。
鼓動がどんどん早くなってしまう。

感想 1

あなたにおすすめの小説

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

裏切りの街 ~すれ違う心~

緑谷めい
恋愛
 エマは裏切られた。付き合って1年になる恋人リュカにだ。ある日、リュカとのデート中、街の裏通りに突然一人置き去りにされたエマ。リュカはエマを囮にした。彼は騎士としての手柄欲しさにエマを利用したのだ。※ 全5話完結予定

すれ違ってしまった恋

秋風 爽籟
恋愛
別れてから何年も経って大切だと気が付いた… それでも、いつか戻れると思っていた… でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定