【完結】なにぶん、貴族の夫婦ですので

ハリエニシダ・レン

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次男

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それから数年して、二人目の男の子が生まれた。
夫はとても喜んだ。
私も嬉しかったし、ほっとした。
夫は時々、そのことでひどく落ち込んでいるように見えたから。

「これでようやく、気兼ねなくあの方と暮らせますね」

その日の夕方、二人きりで話しながらつい、そう揶揄ってみせると、

「ああ、君もな」

晴れやかに笑われて驚いた。

ああ、夫が落ち込んでいたのは、私のこともあったからなのか…
今まで気づかなかったことに、今さら気づいて少し動揺した。

「…私は気兼ねなく暮らすという訳にはいきませんけれどね」

軽く拗ねるような口調で動揺を隠す。
けれど、こんな人目のある屋敷で夫以外の男性と気兼ねなく過ごす訳にいかないのも事実だ。
女主人まで屋敷を出ていく訳にはいかないし、死別以外で夫婦が別れることもできない。

「…ああ」

夫は少し黙り込んだあと、真面目な顔でこう約束してくれた。

「完全に自由に、という訳にはいかないだろうが、できるだけ何とかしよう」

どうするつもりかはわからないけれど、夫は言ったことは実行してくれるだろうという安心感と信頼。
そういった感情を抱ける人が夫で本当によかったと、改めて思ってしまった。
すると、

「君が結婚相手でよかった」

どういう偶然なのか、夫が不意にそんなことを言った。
本当に勘弁して欲しい。
ポロリと涙が落ちる。

「ありがとう」

向けられる優しい眼差し。
今までのことが報われた気がした。

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