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元どおり…でもない
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翌週からまた、都合がつけば彼の部屋に行くようになった。だって行かない理由がなくなってしまったから。
再び渡された合鍵を使って彼の部屋に入る。そして相変わらず、私以外の女の気配がしない部屋にほっとする。
疑うというか、一度その可能性を考えた後だと、どうしても気になってしまう。
私、邪魔になってない?
…騙されたり、してないよね…?
そんな風に考えたくはないけれど、不安になってしまう。
彼の幸せの邪魔になるのも。
彼に騙されて道化になるのも…。
どちらも嫌だから。
いつの間にか、彼は私にとってとても大切な人になってしまっていたから。それを、はっきりと自覚してしまったから。
そんな彼の幸せを邪魔してしまったら凄く後悔するだろうし、弄ばれたりしたらきっと立ち直れないくらいに傷ついてしまうと思うから。
だから、疑いたくなんてないけれど不安になってしまう…。
そういえば、あれから小さくて、でもとても大きな変化があった。
彼が、最中に名前を呼ぶようになったのだ。
私の名前を。
こういう関係になってしばらくして、リサと呼ばれなくなったことには気づいていた。吹っ切れてきたのだろうと、彼のためによい事だと喜んではいたけれど。
思えば最近はずっと、誰の名前でもなく「おまえ」と呼ばれていたけれど。
まさか自分の名前を呼ばれる日がくるとは…
最初は驚き過ぎて固まってしまった。
けれどすぐに、名を呼ばれるたびに身体が勝手に反応してしまうようになった。
色気のある声で呼ばれるたび、体温が上がってしまって。それを指摘されると、どうしたらいいのか分からなくなって彼に縋りついてしまって。
彼はそんな私を嬉しそうに見つめて、更に深く私に触れてきて…。
これはどうしたらいいのだろう。
もう最近ではほぼ毎回、気持ちが高ぶりすぎて記憶が飛んでしまっている。ただ朧気に、たくさん叫んで彼に縋りついていた記憶があるだけ。
とても恥ずかしい。
けれど、やめてとも言えない。
だって嫌ではないから。
ひたすら恥ずかしいというだけで。
むしろ嬉しい。
じっと見つめられながら彼に自分の名前を呼ばれると、嬉しくなってしまう。
彼に名前を呼ばれるたびに、幸せな気持ちになってしまう。
そう。私は彼にそういう風に抱かれて、幸せを感じているのだ。彼に名前を呼ばれると、まるで私自身を求められているように思えて。
それを幸せだと感じてしまっている。
…彼のその変化の理由を、問いただせもしないのに。
再び渡された合鍵を使って彼の部屋に入る。そして相変わらず、私以外の女の気配がしない部屋にほっとする。
疑うというか、一度その可能性を考えた後だと、どうしても気になってしまう。
私、邪魔になってない?
…騙されたり、してないよね…?
そんな風に考えたくはないけれど、不安になってしまう。
彼の幸せの邪魔になるのも。
彼に騙されて道化になるのも…。
どちらも嫌だから。
いつの間にか、彼は私にとってとても大切な人になってしまっていたから。それを、はっきりと自覚してしまったから。
そんな彼の幸せを邪魔してしまったら凄く後悔するだろうし、弄ばれたりしたらきっと立ち直れないくらいに傷ついてしまうと思うから。
だから、疑いたくなんてないけれど不安になってしまう…。
そういえば、あれから小さくて、でもとても大きな変化があった。
彼が、最中に名前を呼ぶようになったのだ。
私の名前を。
こういう関係になってしばらくして、リサと呼ばれなくなったことには気づいていた。吹っ切れてきたのだろうと、彼のためによい事だと喜んではいたけれど。
思えば最近はずっと、誰の名前でもなく「おまえ」と呼ばれていたけれど。
まさか自分の名前を呼ばれる日がくるとは…
最初は驚き過ぎて固まってしまった。
けれどすぐに、名を呼ばれるたびに身体が勝手に反応してしまうようになった。
色気のある声で呼ばれるたび、体温が上がってしまって。それを指摘されると、どうしたらいいのか分からなくなって彼に縋りついてしまって。
彼はそんな私を嬉しそうに見つめて、更に深く私に触れてきて…。
これはどうしたらいいのだろう。
もう最近ではほぼ毎回、気持ちが高ぶりすぎて記憶が飛んでしまっている。ただ朧気に、たくさん叫んで彼に縋りついていた記憶があるだけ。
とても恥ずかしい。
けれど、やめてとも言えない。
だって嫌ではないから。
ひたすら恥ずかしいというだけで。
むしろ嬉しい。
じっと見つめられながら彼に自分の名前を呼ばれると、嬉しくなってしまう。
彼に名前を呼ばれるたびに、幸せな気持ちになってしまう。
そう。私は彼にそういう風に抱かれて、幸せを感じているのだ。彼に名前を呼ばれると、まるで私自身を求められているように思えて。
それを幸せだと感じてしまっている。
…彼のその変化の理由を、問いただせもしないのに。
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