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第八話 ソフィアの憤り【ソフィア視点】
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私はソフィア=フェルスト。
私の実家は、名門のラインハート公爵家、昔から造船業を生業として、莫大な財を誇っていたの。
それなのに、あのクッソ生意気なアンツァール伯爵家は、私達の造船業に新興勢力として幅を利かせてきて、今ではかつてのシェアが半分にまでなってしまった。そんなアンツァール家の令嬢がアンリエッタなの。
そんなダニの様な伯爵家の令嬢、アンリエッタが最近懐妊したって話が聞こえてきたわ。
なんでそんなことが起きるの?
私は過去の事故によって、妊娠する事が出来ないのに!
それを当て付ける様に、キースはマリアとか言う私の腹違いの妹に子供を産ませたの。
まぁ、私の子と言うことにするために、お父様が送り込んだ事は知ってはいるのよ………でもそんなことはわかっていても、キースがジョージを可愛がる様を見ると、どうも怒りがこみ上げて来るのよね。あの泣き声も、私を見るあの目も嫌い!
みんな嫌い!
ああ、何処かに私だけを崇めるように見つめてくれる男はいないかしら………。
そんなとき、可愛らしい子羊がキースの所に来ているのを思い出したの。
「あら、いらっしゃい、ヴィルムス侯爵。」
ソフィアは胸の辺りがザックリと開いた真っ赤なドレスでハルトの前に現れ、正面のソファーに座る。
「あ、お邪魔しております。ソフィア様。」
ハルトは緊張気味に挨拶する。
「今日はキースに用事?」
「はい、いろいろと、相談にのっていただいてまして。」
「ふ~ん、そうなの。貴方も仕事熱心なのね。」
ソフィアは少し前屈みになりながらハルトに話しかける。
「は、はい、家のアンリエッタにいつもケツを叩かれながらですが、一生懸命やらせていただいております。」
ハルトはソフィアの様子にドキドキしながら、視線を外し、こたえた。
「へ~。貴方も大変ね。」
「い、いえ、そんなことは。」
視線を外すハルトに、手をパン!と一つ叩きながらソフィアは、
「それより、おめでとう。お子さんが出来たそうね。」
「あ、ありがとうございます。」
ハルトは少しテンションが低めにこたえた。
「え?どうかしたの?何かあまり嬉しそうじゃないけど?」
ソフィアは、これは何かあるなと思い、言葉を続けた。
「そ、そんなことはないですよ。」
やはりハルトは何かありそうな感じを見せてしまう。
「そうよね、あんなに可愛らしいお嫁さんとの間に出来たお子さんだものね。」
「ええ、そうですね。」
「あら、何か思うところがありそうね。キースもまだ少し時間がかかりそうだし、私が身の上話を聞いてあげましょうか?」
ソフィアは身をのりだし、胸を強調しながらハルトに迫る。
すると、ハルトは顔を紅くしながら……
「え?そ、そんな……。」
「ふふ、可愛いいわね。」
ソフィアはハルトの手を両手で包み込む様に握り。
「今度はキースが出掛けてる時にいらっしゃい。」
「は、はい……。」
ハルトは、ぽうっとしながらこたえた。
ふふ、面白いオモチャが手に入ったわ。どうやって遊ぼうかしら?
ソフィアは悪戯な笑みを浮かべた。
私の実家は、名門のラインハート公爵家、昔から造船業を生業として、莫大な財を誇っていたの。
それなのに、あのクッソ生意気なアンツァール伯爵家は、私達の造船業に新興勢力として幅を利かせてきて、今ではかつてのシェアが半分にまでなってしまった。そんなアンツァール家の令嬢がアンリエッタなの。
そんなダニの様な伯爵家の令嬢、アンリエッタが最近懐妊したって話が聞こえてきたわ。
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ああ、何処かに私だけを崇めるように見つめてくれる男はいないかしら………。
そんなとき、可愛らしい子羊がキースの所に来ているのを思い出したの。
「あら、いらっしゃい、ヴィルムス侯爵。」
ソフィアは胸の辺りがザックリと開いた真っ赤なドレスでハルトの前に現れ、正面のソファーに座る。
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「はい、いろいろと、相談にのっていただいてまして。」
「ふ~ん、そうなの。貴方も仕事熱心なのね。」
ソフィアは少し前屈みになりながらハルトに話しかける。
「は、はい、家のアンリエッタにいつもケツを叩かれながらですが、一生懸命やらせていただいております。」
ハルトはソフィアの様子にドキドキしながら、視線を外し、こたえた。
「へ~。貴方も大変ね。」
「い、いえ、そんなことは。」
視線を外すハルトに、手をパン!と一つ叩きながらソフィアは、
「それより、おめでとう。お子さんが出来たそうね。」
「あ、ありがとうございます。」
ハルトは少しテンションが低めにこたえた。
「え?どうかしたの?何かあまり嬉しそうじゃないけど?」
ソフィアは、これは何かあるなと思い、言葉を続けた。
「そ、そんなことはないですよ。」
やはりハルトは何かありそうな感じを見せてしまう。
「そうよね、あんなに可愛らしいお嫁さんとの間に出来たお子さんだものね。」
「ええ、そうですね。」
「あら、何か思うところがありそうね。キースもまだ少し時間がかかりそうだし、私が身の上話を聞いてあげましょうか?」
ソフィアは身をのりだし、胸を強調しながらハルトに迫る。
すると、ハルトは顔を紅くしながら……
「え?そ、そんな……。」
「ふふ、可愛いいわね。」
ソフィアはハルトの手を両手で包み込む様に握り。
「今度はキースが出掛けてる時にいらっしゃい。」
「は、はい……。」
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