【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。

仰木 あん

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一話

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大勢の招待客が見守るなか、私はアルフレッドと結婚した。

私はジュリエッタ=ライオネル。
ライオネル子爵家の令嬢。
私には兄弟がおらず、家の存続の為に、ヴィルムス伯爵家の次男と両家の政略により、結婚したのだった。

「いやぁ、これで我がライオネル子爵家も安泰だな。これからよろしく頼むよ!アルフレッド君!」

父のオリビエが、私の夫となったアルフレッドとかたく握手を交わす。

「はい、お義父さんこれからよろしくお願いいたします!」

アルフレッドは爽やかな笑顔で握手に応える。
そんな彼の対応に、父は、握手をしている手に左手も添えて、包み込むようにすると、

「ジュリエッタは早くに母親を亡くして、私が男手ひとつで育ててきたから、至らないところもあるだろうが、どうか末長く頼むよ。」

そう頼むように語りかけている。
そんな父を見て、アルフレッドは、

「はい!任せてください!」

と力強い返事をしていた。

「もう、お父様、アルフレッドさんが困ってしまうわ。」

私がそう言うと、アルフレッドは、

「何を言っているんだ、ジュリエッタ?僕はお義父さんにこんなにも頼りにされてると感じて、嬉しい限りなんだよ。ジュリエッタ、お義父さんと三人で幸せに暮らそうね。」

そう私に話すアルフレッドの顔は爽やかな笑みで輝いて見えた。

「うん、うん、ありがとう、アルフレッド君。三人でなんて………私も嬉しいよ………。」

涙ぐむ父に、

「そんな、当たり前の事ですよ。これからは新しく出来た、息子として、ビシバシとご指導して下さい!」

義父、オリビエの目を真っ直ぐ見て、アルフレッドはそう応えた。

そんな幸せな雰囲気の中、式は終わり、アルフレッドを迎えての生活が始まった。

「お義父さん、この書類なのですが……。」

「ああ、それはな……。」

子爵家と言っても、あまり広くはない領地運営と、小さな商店の経営位では、使用人等は雇えず、私が家事の一切をこなしていた。

結婚式は貴族の体面上、仕方がなく外から人を入れて開催はしたものの、次の日からは質素な生活が続いていた。

「アルフレッド、すまないな……伯爵家ではこんな生活では無かっただろうに…。」

「いえ、お義父さん、僕がこの家を発展させて、生活を楽にして見せますよ!」

そんなことをアルフレッドは力強く宣言して、父を喜ばせたりしていた。

そんな日々が一年も過ぎると、父が病に倒れ、日に日に弱っていった。

「お義父さん!しっかりして下さい!」

「ああ、すまないな……病気になどなって、二人の足を引っ張ってしまっているな……。」

「何を言うんです!ゆっくり休んで早く病気なんて、やっつけて、また一緒に仕事をしましょう!」

そんな言葉に、父のオリビエも少しは持ち直したのですが、しばらくすると、

「アルフレッド…。娘を……ジュリエッタを頼んだよ……アルフレッド……。」

こうして結婚して二年目に父のオリビエが亡くなりました。

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