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元パートナーは特殊能力者
しおりを挟む「紹介する。俺の元パートナーの八代 華名晴だ。」
ルイは突然東城から着物姿の男性を紹介された。
(急になんだよ・・・っ・・?!東城の・・・元パートナー・・!?)
ルイは相変わらず、東城のペースに振り回されてばかりだ。
「はじめまして。八代です。ルイさんのこと、脩二から色々聞いています。お会いできて嬉しいです。」
ルイは儚げな色男の登場に、息を飲む。
黒髪、長身、しっかりとした骨格をしていて筋肉もついているのに華奢な部分が混在していて、男の俺から見ても変な気を起こしてしまいそうな儚い魅力がある男。
東城とはまた違ったタイプの魅力的な男性だ。純日本風の美人、とでもいうのだろうか。
耳の下で真っ直ぐに切り揃えられた特徴的な髪型。話し方や仕草も上品で、色っぽい。
男っぽい東城とは違って、中性的な男の魅力を感じる。
(な・・・なんだ?!この魅力爆発の男は・・・!?)
「そうですか?僕なんて、そんな・・・ルイさんの魅力には負けますよ。」
(え・・・・?)
ルイは自分の心の声に答えるようなタイミングで返事をした相手に、驚いて顔を上げた。
彼は頬を染め、照れたような表情を浮かべている。
「え・・・!?ななな・・・なんで・・?!」
(俺、心の声が表に出てた?!声に出してた・・・!?)
「いえ、僕は特殊能力の持ち主でして・・・すみません。ルイさんの心の声、ダダ漏れです。」
彼は気まずそうに、はははと苦笑した。
男にしては少し高めの可愛らしい声色なのに、大人の男の落ち着きがある耳に心地よい声。
「え・・・!?特殊能力・・・?!?」
(綺麗系なのに、困った顔は可愛い・・・くそ・・どういうことだ・・?!)
「だから・・・あの・・・ルイさん、聴こえてます。」
華名晴は恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「え・・・・?え、あ・・・・・あ・・っ」
ルイは激しく混乱していた。
一気に顔がかぁぁっと熱くなるのを感じる。
「華名晴、ルイ君はなんだって?」
不満そうな顔で黙って二人を見守っていた東城が、身を乗り出して華名晴に聞いた。
(え・・・ヤバイ、どうしよう・・・俺の声が筒抜けってことは・・・俺が東城のことカッコイイとか思ってんのがバレるってことか・・!?)
「ははは・・・君たち、似た者同士だね。」
華名晴は苦笑しながら、東城とルイの顔を交互に見る。
「脩二、まさか俺がいる前でヤらないでよ?・・任務中にP行為なんて絶対にごめんだからね。」
「P行為?!」
(Pってなんだよ・・・っまさかこの美人は公私共に東城のパートナーだったってことか・・!?華名晴さんも俺みたいに任務中に東城にあんなことやこんなことを・・・!?)
目の前の色男二人を疑いの目で見ながら、悶々としているルイ。
(色男が二人・・・男っぽいギラギラしたのと、しっとり色っぽい日本美人・・・た、確かに絵になる・・・もしかして二人は・・・・Pなことをする間柄だったとか・・・?!)
「あ、あの・・・ルイさん、そうじゃなくて、脩二の心の中を呼んだら随分とPなことを言っていたものだから・・・」
華名晴がルイの暴走を止めようと口を挟む。
「え・・・?!あ・・・」
心で何も思わないというのは案外難しい。
ルイは赤面しながら華名晴の顔を見た。
「僕は脩二とはただのビジネスパートナー。ルイさんとしているようなPな行為は、一度もしたことがありませんので安心してください。」
(いや・・・そんな綺麗な笑顔で言われても・・・!!)
ルイはくだらない心配をしていた自分が恥ずかしくなった。
「次のミッションは、3人で日本のある企業に潜入することになったんだ。」
東城が、ルイと華名晴の顔を見ながら、当たり前のように言い放つ。
(3人・・・・?次のミッション・・・?)
「いや、だから俺は単独ミッションしか受けたくないって言ってんのにお前は毎回毎回・・・」
ルイが東城に文句を言うと、間に華名晴さんが入ってきた。
「まぁまぁ。今回は僕も一緒ですから、脩二も好き勝手にはできないでしょうし・・・一緒に頑張りましょう。ね?」
華名晴は、にっこりと綺麗な顔でルイに微笑む。
(く・・っ、華名晴さん・・・・天使かよ・・・っ・・・・)
天使のような彼の微笑みに、ルイは何も言い返すことができなかった。
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