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痴話喧嘩
しおりを挟むドアを開けると、そこには華名晴が立っていた。
「華名晴さん・・・・!」
胸をほっと撫で下ろす。
書庫でエロイ行為に耽っていたなんて、他の社員に知れたら大問題だ。
「君たち、こんなところで何やってるんですか?」
半分呆れ顔の彼には、何をしていたか完全にバレている。
彼は特殊能力の持ち主だ。
セックス中の心の声が彼にダダ漏れだった恥ずかしさに、ルイは赤面した。
「華名晴、雰囲気でわからないか?セッ・・・」
「言わなくて良いから。脩二。」
にっこり笑う彼の顔は、綺麗すぎて迫力がある。
「何しに来たんだ?」
邪魔されたと言わんばかりに、東城は眉間に皺を寄せながら華名晴に問う。
「部長室に呼ばれたから移動しようとしたら、書庫から不穏な気配を感じたので。」
華名晴はにっこりと、東城に圧力をかけた。
さすが元パートナー。
♢♢♢
部長室の近くで、華名晴の様子を伺っていたら、珍しく声を荒げた彼が部屋の外に出てきた。
部長の冬馬は華名晴の前に、立ちはだかる。
(なんか揉めてないか・・・?)
冬馬も同じ組織の人間だ。こんなところで揉めて目立ったら取り返しがつかない。
「結構です。僕自分で出来ますので、そこどいてください。」
気のせいだろうか、天使のような華名晴スマイルが少し歪んでいるように見える。
口調もキツイ。
「部長の決済印がないと、君は何もできないだろう?」
「今どきそんなもの簡単に偽装できますので、ご心配なく。」
(え・・華名晴さん、明らかおかしいでしょ・・・!?偽装とか大声で言っちゃまずいだろ・・?!)
任務に早くも翳りが見え始めて、ルイは頭を抱えた。
あの冷静沈着な華名晴が、一体どうしたというのだろう。
「あれは華名晴の恋人だ。」
「恋人ぉ!?」
背後に立つ東城に言われ、ルイは部長の冬馬をじっと見つめる。
「数ヶ月前から2人は喧嘩していてな、華名晴の任務には必ず奴が横槍を入れてくるらしい。」
「え?なに・・・痴話喧嘩ってことぉ?!」
(おいおい、ミッション巻き込んでスケールのでかい痴話喧嘩すんなよ・・・!)
「あいつらは年中、痴話喧嘩してるんだよな。」
冬馬と華名晴を遠目で見つめながら、ルイは深いため息を吐き出した。
(みんな・・・・頼むから仕事してくれ・・・!!)
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