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死神寮
しおりを挟む「ようこそ死神寮へ!」
(わお!死神ってほんとに明るくてキラキラなイケメンばっかり~!!)
黒髪がサラリと綺麗な艶を放つ色白の男性が、大きな屋敷の前で出迎えてくれた。
儚げな雰囲気を纏った細身の彼は、にっこりとこちらへ笑いかける。
「俺は寮長の那月です。暁さんから繭さんの話は聞いています。」
繭さんと呼ばれて久々に自分の名前を思い出した。
蓮の話では死ぬと生前の記憶がどんどん薄れて行くらしい。
「那月さん、今日からよろしくお願いします。死神界ってイメージと全然違って本当にイケメンばかりですね。」
「下界ではやっぱりイメージ悪いですよね?死神は、優しい男性ばかりなんですよ。」
蓮のような派手さはないけれど、知性に溢れ穏やかな正統派のイケメンだ。
死神というよりは「天使」のイメージに近い。
「え?なになに?新人?・・・・って、え・・・あ・・・お、女じゃん・・・!!!」
これまたド派手な髪色の死神が現れた。
紫色の髪に白のインナーカラー、オン眉のぱっつん前髪が印象的な彼は、廊下の向こう側から駆け寄ってくる。
「卯月、今日から一緒に暮らす繭だ。仲良くしてやってくれ。」
蓮がそう紹介すると、彼は大きな目をキラキラに輝かせながら私の手を取った。
「俺・・女の子とちゃんと話したことないんだ・・・・!すげぇ嬉しい・・・!仲良くしてね!」
(卯月君かぁ・・・♡年下も可愛いなぁ・・・♡)
下界で言えば高校生くらいに見える人懐っこい彼に、「女の子」なんて言われて舞い上がる。
「文月もよろしく頼むな。」
「兄さん騒ぎすぎ。うるさい。」
後を追ってやってきた男性は、卯月の服の裾を掴んで私から引き離す。
肩まで長さのある黒髪、白のインナーカラー、大人びた印象だけれど、彼も卯月と同じくらいの年齢に見えた。
彼はニコリともせずに、小さく会釈をする。
「卯月と文月は双子なんだ。」
「え?そうなの?全然似てないね。」
「卯月が兄で、文月が弟だ。」
兄とは対照的に無口でおとなしい弟。
顔は全然似ておらず、二人ともタイプの違うイケメンなので目移りしてしまう。
「他のメンバーはまだ帰ってきていないから、また追々紹介していくな。」
イケメンの顔と名前は一瞬で覚えられるから不思議だ。
「繭ちゃんの部屋は、蓮君の隣にしておいたよ?案内よろしくね。」
「ありがとうございます。那月さん。」
これから始まる死神寮での逆ハーレム生活に、私の胸は期待ではち切れそうだった。
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