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咬み傷
しおりを挟む「真美様、最近あまりよく眠れていないようですね。」
ハクトが、私の脈を診ながら言う。
昼間からベッドの上でゴロゴロしている私を心配して、彼が訪ねてきてくれた。
「うん。最近夢ばかり見て、熟睡出来ないの。」
どうしてか、私は最近毎晩のように見る夢の内容を、皆に話すことが出来なかった。
宵闇の者たちと私が接触しているなんてことが知れたら、みんながどんな反応をするか大体察しがついていたから。
みんなを裏切るようなことはもちろんしたくないけれど、私は闇の宮殿で暮らす彼らのことが気になって仕方なかった。
夢の中での出来事は、私の頭の中でのみ起きていることだ。
夢の先にある、闇の世界との繋がり。
あの夢には、ザインが使ったような呪いの不思議な力が働いているのだろうか?
ハーシムと名乗った、あの男。
紫色の瞳が、私を犯すように見つめていた。
彼の目を思い出すと、ゾクリと身体が震えるような快感が走る。
狂おしいほどの快楽。
私は彼に、懇願したのだ。
蛇に噛まれる痛みと、毒が体内を巡る苦しさ。
その後に与えられる、気が触れるほどの快楽に、私は魅入られていた。
「今夜、一緒に寝てくれる?」
お香の甘い香りが漂う、ハクトの胸元へ顔を埋める。
彼は驚いたように、一瞬目を大きく見開いた。
「もちろんです。」
昼間から、いやらしい気持ちになる。
私の心は、激しく乱されていた。
ハクトに・・・?
それとも・・・あのハーシムという男に、だろうか・・??
私を散々痛ぶった後に、優しく髪を撫でたあの男。
私に命を捧げると、そう告げた彼の深い瞳の色。
私は悪い呪いにかかっているのかも知れない。
正体の知れない、ザインやハーシム。
彼らのことが、気になって頭から片時も離れなかった。
ここにいるみんなと同じ。
彼らは、私を深く愛している。
(ザイン・・ハーシム・・・・忘れられるわけないよ・・・・また会いたい・・・・)
ハクトに口付けながら、ふとそんなことを考えていた。
♢♢♢
陽が落ちると、風が肌に冷たくあたる。
最近は急激に肌寒くなって、一人で眠る夜が耐え難いほどだった。
「ハクト・・早く、抱いて・・・。」
早急な私の求愛に、彼は一瞬戸惑ったような表情を見せる。
(知的な男の戸惑う表情・・・たまらなくそそるわ・・・)
彼をもっと困らせたい。
そんなことを考えている私は、やはり正気じゃないのかもしれなかった。
『お前の全てが、欲しい・・・』
ザインの声が、聞こえた気がする。
彼と言い、ハーシムと言い、印象的な彼らの瞳の色は、瞼の裏側に残像のように焼き付いて離れない。
「めちゃくちゃにして欲しいの・・・・」
ただ優しく愛されるだけでは、足りない。
激しく淫らに、時にはひどく痛めつけるようにして、私の身体に刻みつけて欲しかった。
「仰せのままに。」
彼は、いつだって私に従順だ。
辱めるように、両脚を開かせる。
彼は、太ももの内側を優しく愛撫するように口付けた。
大きく開かれた私の太ももを見て、ハクトは息を飲む。
「この傷は・・・・」
ハクトは、指先で太ももの付け根を撫でた。
「あぁ・・・ッ・・・」
触れられただけで、気が狂いそうだった。
ゾクゾクと背筋を通り抜ける、病的なまでの欲求。
ぼんやりとした視界で自分の太ももを見る。
そこにはくっきりと、蛇に噛まれた傷跡が刻み込まれていた。
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