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♧『After the flight』(SIDE ルーヴィム)※R-18 機長X副操縦士
しおりを挟む~~~~登場人物~~~~
♧ルーヴィム 45歳
ジェット機のパイロット。機長。
銀髪、超絶イケメン。20代にしか見えない。爽やか。
機内誌に度々登場する、人気パイロット。独身。キャビンアテンダントにいつも囲まれている。
フライトではいつも神山と組んでいる。神山を気に入っていて、からかって楽しんでいる。
余裕がある大人の男。英語、ロシア語、日本語、イタリア語、ドイツ語、など色々な国の言葉が話せる。
♧神山 海斗(かみやま かいと)
ジェット機のパイロット。副操縦士。
目立ちたがり屋。自分が一番じゃないと気が済まない性格。
イケメンだが、さらにイケメンのルーヴィム機長が目立つので、いつも面白くない気持ちで働いている。
設計課の東雲に想いを寄せているが、素直になれない。
♧東雲 総一郎(しののめ そういちろう)27歳
航空エンジニア。
由緒正しき茶道家元の跡取り息子。正統派男子。和服の似合う色男。
黒髪、サイドをジェルで後ろに流している。優しく穏やかな物腰。
仕事ができて、誰に対しても礼儀正しい誠実な男。いつも敬語で話す。
~~~~~~~~~~
♧『After the flight』 (SIDE ルーヴィム)
「機長、どうしたんですか?なんだか楽しそうですね。」
長いフライトを終えて、降り立った異国の街。
仕事終わりのワイン。
幸せを噛み締めていると、同じフライトを乗り切った仲間、副操縦士の神山が拗ねたような顔で呟いた。
「何かいいことでもあったんですか?」
拗ねたような、ではなく、彼は紛れもなく拗ねているのだ。
自分の恋愛がうまくいっていないから。
人が幸せそうにしていると突っかかりたくなるのは当然のことだろう。
「そうだね。最近ツイてるなぁ、と思ってね。」
ニッコリと笑顔で返すと、面白くない、という感情が見え見えのしかめ面が返ってきた。
彼はなんでも正直にすぐ顔に出てしまうから、面白い。
僕は、彼のことが好きだ。
神山海斗。副操縦士。
長く厳しいフライトを共にするパートナーとして彼を指名したのは、彼が僕のお気に入りだから。
神山海斗は恋をしている。
相手は航空エンジニアの東雲総一郎という、誠実を絵にかいたような男性だ。
物腰が柔らかく、美しい日本語を使う。
彼の内面をそのまま投影したような、優しい笑顔を絶やさない色男。
世界中の色々な国で、たくさんの男性を見てきたけれど、
彼は実に日本的で、温厚、誠実。細やかな気遣い、絶妙な間の取り方。
日本人の良い部分を全て集めたような、素晴らしい男性だった。
海斗は、男の趣味が良い。
「機長はそのルックスで生まれてきた時点で、最高にツイてるんですよ。何を今更・・・」
アルコールが回ってきたのか、彼の口調がいつも通り崩れてきて、フランクな喋り方になる。
文句ばかり口にしている彼が、やさぐれた雰囲気全開で絡んでくるのが可愛いくて、
いつもつい飲ませ過ぎてしまう。
パートナーの特権。
僕は、苦しい片思いをしている人間に惹かれてしまう。
片思いをしている人を好きになり、自分以外の誰かを想う姿に恋焦がれる。
それをただ見ていたい。
相手が自分のことを好きになると、急に興醒めしてしまう。
そうして僕の恋愛は成就してから短期間で破綻を迎え、一人に戻る。
そんなことの繰り返しだった。
長続きする恋愛関係を築けた試しがない。
「いいですよねぇ、機長はそんな見てくれで生まれてるんだから、よりどりみどりでしょうねぇ。」
「そんなことないよ。未だに独身だしね。」
「俺だって機長みたいなルックスで、頭も良くて、性格もよくてカッコよかったら、結婚なんかしないでずっと取っ替え引っ替えしますよ。カッコ良すぎなんですよ、機長は。」
側から見ると、僕が相手に飽きたら捨てる天性のプレイボーイに思えるらしい。
すでに呂律が回らなくなっている彼は、話している内容も文法がまとまらずあやしくなってきた。
彼は自分が一番じゃないと気が済まない性格。そこが可愛い。
長身で、顔もイケメン。言い寄られることも多い。
でも、僕が彼より目立っていることが気に入らないらしい。
「海斗に褒められるのは素直に嬉しいよ。」
僕の歪んだ愛情。
永遠に自分が一つの幸せにたどり着けないことを、若いうちに悟ってしまった。
恋愛が終わり、心に残るのはいつも虚無感だけだ。
好きな人が自分のことを好きになってくれること。
それを幸せと思えない自分は、いつまでたっても安定した幸せを得ることはできないだろう。
ベロベロに酔ってしまった海斗を、部屋へ送り届けるまでが僕の仕事。
彼は本当にお酒に弱い。
飲まない方がいいのでは、と何度も助言したけれど、まるで聞く耳を持たなかった。
彼はアルコールが入ると別人のようになる。
初めて誘われた時は驚いた。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「機長~ぉ、俺を置いて自分の部屋に戻るつもりですかぁ?」
自分の部屋に戻ろうとした僕を引き止めようと、海斗はネクタイを掴んだ。
これが日本の無礼講ってやつだな、やれやれと思いながら彼を宥める。
彼は僕のネクタイを思い切り引っ張って引き寄せ、キスをした。
「海斗、・・・っ」
貪るような激しいキス。
舌を絡めとられて、息が苦しい。
「んん・・・っ、海斗、」
抵抗する隙もなく、彼のベッドに引き込まれる。
制服、着替えておけばよかったなぁ、と僕の上に乗った彼を見ながらぼんやりと思った。
僕に馬乗りになった彼は、アルコールで顔は真っ赤、目は潤んでぼんやりと視線が定まらず、
息も乱れがちで、官能的な表情を浮かべていた。
いつもはお堅い頑なな雰囲気で、近寄りがたい印象のある彼が、
こんな風に自分をベッドに誘い込むとは思いもしなかった。
何度も何度も、深いキスで口内を荒らされて、
反応してしまった下半身に気付いた海斗が、ニヤリといやらしく笑った。
硬くなった局部に、お尻を擦り付けるように腰を揺らす。
「機長のこんなに硬くなってますよ・・・」
耳元に寄せた彼の唇が、甘い声でささやく。
「海斗、君ってこんなにいやらしかったんだね、」
彼を抱きたいと思うことは、何度もあった。
仕事中の彼の勤勉で真面目な表情と、フライト後に見せる気を抜いた表情のギャップ。
東雲君に反発しながらも、彼を追う情熱を秘めた眼差し。
彼に恋人ができたという噂を聞いた時の表情。
物欲しそうな目でお尻を擦り付けてくる彼。
たまらなくそそる。
「機長、もう我慢できない・・っ、これ欲しい・・・っ」
硬くなったモノを手で摩りながら、うっとりとした表情で僕を見つめる彼。
普段の彼からは想像もできない顔で、おねだりをする姿を見ていたら、
彼の中にぶち込みたい衝動が抑えられなくなった。
「はっ・・ッあ・・・っ、はぁ・・・ッ」
淫らに腰を振る彼が、僕を見下ろす。
パックリと開いた彼の秘部は、慣らす間も待てず
僕の肉棒を咥え込んだ。
一体何人の男と寝ているのだろう。
彼にこんなに淫らな一面があったとは。
僕の上に座り込むようにして、最奥までペニスを堪能すると、
腰を上げてズルリと先端まで引き出す。
パチュパチュと打ち付けられるお尻が、僕の興奮を煽る。
お尻を手で包み込むように触り、
鷲掴みにして秘部を開いてやると、さらに奥まで打ち付けられる感覚に
彼はのけぞった。
「あぁ・・・ッ、深い・・・ぃ、イイ・・・もっと・・ぉ・・・」
彼の使い込まれた秘部はいやらしくねっとりと僕のペニスを咥え込み、
快楽を与える。
「あ・・・っ、海斗・・・気持ちいいよ。」
「機長ぉ・・・大き・・ぃ・・機長の、すごい・・ぃ」
彼は半狂乱で髪を振り乱し腰を振っている。
もっと深くへ、激しく腰を打ち付けたい。
雄の乱暴な欲望が、僕を動かす。
「海斗、僕が動くね。」
身体を起こして、上に乗った海斗を繋がったままベッドに押し倒す。
形勢逆転。
驚いた海斗が、声をあげた。
「あ・・・あ・・・・ッ、、深い・・・!」
上になって体重を腰にかけるように、彼の最奥へペニスを打ち込む。
強い刺激に、彼が視線を泳がせた。
視点が定まらないというように、快感に溺れた表情を浮かべる。
一番深く繋がったところで止めて、彼の胸の突起を舌で押し付けるように舐めあげた。
乳首はピンっと硬く勃ち上がり、僕の唾液に濡れていやらしく光っている。
口に含むようにして舌で転がすと、彼の内側がキュウウと僕のペニスを締め上げてきた。
「あ・・ぁ・・・ンン・・っ気持ち・・・っ」
鼻にかかった甘ったるい喘ぎ声。
彼のこんな声は聞いたことがない。
フライト中のアナウンスからは想像できない彼のいやらしい声に、僕はめまいがするほどの
興奮を覚えた。
「海斗・・・っ、僕の、気持ちイイ・・?」
「機長・・・っ、イイ、機長のペニス・・ッ最高ぉ・・・」
彼は完全に快楽に溺れてしまい、視点が定まらない緩んだ表情で、淫らに叫んだ。
「海斗の中、気持ちイイよ・・・っ」
抜き差しするたびに、彼の内側が僕のペニスを刺激して、
快感が高まっていく。
「あぁ・・・ッ機長・・ぉ、イっちゃう・・・もぉ・・ダメッ」
ぎゅうううっと食い込むように彼の内側が締まっていく。
「あぁ・・・ッ、海斗・・出すよ、」
「イ・・・・ク・・・ぅ!!アァ・・・ッ!!!」
「・・・ッ!!!」
射精する直前、
海斗の最奥に一度深く腰を打ち付けて、勢いよくペニスを引き抜いた。
ビュビュビュッ、と彼の腹部に精液をかける。
「そう・・いちろ・・・ぉ・・っ」
海斗が想い人の名前を口にして、思い切り射精したのを見て、
パックリ開いた彼の秘部に再びペニスを深くぶち込んだ。
残りの精液を彼の中に射精する。
彼の奥に体液を注ぐ感覚。
あまりの快感に身震いした。
支配欲が満たされて、落ちていく。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
海斗との初めての夜。
思い出しただけで、息が上がっている自分に苦笑した。
僕たちはそれからフライトのたびに何度も寝たけれど、
お酒に弱い彼は、起きたら全てを忘れている。
それは僕にとって都合がよかった。
彼が他の男に片想いしている様を、ずっと見ていられるのだから。
彼が僕を好きになる日が来ないで欲しい、と切に願う自分は
やはり歪んでいる。
それでも僕は、彼が好きなのだ。
「機長ぉ、俺の話聞いてるんですかぁ?」
今夜も彼はアルコールに酔って、僕を甘く誘惑してくる。
フライト後、僕たち2人の甘い時間。
ワインを傾けながら、僕はこれから始まる官能的な夜を想う。
10
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