パンダが日本に来た日

FEEL

文字の大きさ
1 / 1

パンダが日本に来た日

しおりを挟む
某県の飼育員として働くことになった。
専門学校を出たばかりの22歳、周りの環境を住みやすくしたり、笹の葉を取りやすくしたり、飼育員の一日は多忙だ。
今日も園の開園時間、一日の始まりです。
私がパンダと関係を良くする為の清掃、コミュニケーションもかかせません。

その当時、園では新しい命が誕生したニュースが町を駆け巡りました。パンだの赤ちゃん誕生は久々のものでした。
その時代、私はまだ子供で、両親と共にお客さんの列に並びました。今日のパンダ園は長蛇の列です。園の中で産まれたばかりのパンダの赤ちゃんを一目見ておこうと、この長蛇の列なのです
パンダは白黒の動物。と思ってパンダを見たら、しっぽの回りはとても薄い茶色だった。お客さんもどんどん前に進んで行ける様に押し出してくる。行列も真ん中にさしかかり次のパンダを見ようとしたときふいに、ジャイアントパンダが目の前に現われた。
次に目の前に現われたのはパンダのお父さんのようだ。
風格があった。体が大きいジャンボパンダを見た。
大人になったパンダは見物人である我々を、観察していた。パンダの目の周りにある黒い模様の中の目は鋭かった。
「我々を見て何が楽しいのかねえ・・・」
そう言いたげな目で、私達見物人をみつめているようだった。
子パンダから大人になったパンダはじっとしていることも多いのであまり遊ばないのだろう。
そして、月日は流れた・・・

そんな私が飼育員になった。私の頭の中に住み着いたパンダの存在。
子パンダ達の健康チェックが終わり
パンダ舎から、「のっし」「のっし」パンダが出て来た。
お客さんからの歓声が聞こえる。
そして、パンダたちの一日が始まるのだ。
私はパンダを可愛い愛好家からパンダの健康と愛情を担う人となった。昔から、パンダ愛は変わらない。

パンダは、生まれたばかりのころ100g~200g
の体重しかない。
それが大人になると100キロ超えるので動物の成長は著しい。
パンダは子パンダの頃、私達の誘導に従ってくれる。朝のお目覚め、

健康チェックがすむと、太陽の下でたくさん遊びます。
飼育員の私達の後をチョコチョコ着いて来ます。
それは、信頼の証しかと思っています。大人のパンダに混じって笹を食べる仕草も可愛い・・・
作業で忙しくしていると、パンダが背中に乗ってきて甘える。仕方が無いので、おんぶして作業をする。パンダは本来甘えん坊。
そして、神経質でもあります。
その子の性質をよく観察することも大切な仕事だ。
お客さんが帰るとパンダは色んなところに寝そべったりします。
飼育員の私達も飼育部屋へ促します。
その間もゴロゴロして、飼育部屋にもどるようすもない。
そんな時は、抱っこして部屋に連れて行きます。
愛情を一杯あげることで、パンダは子供に代わる。
私達飼育員のパンダ愛は変わりません。
そして信頼を寄せてくれるパンダも同じだと思えるのです。
相互の思いやり飼育員との親子のような関係に、ほっこりする気持
が残ります。
日中国交化50年にもなる節目の年に、中国にパンダが自国に戻っていった。パンダと人との関係がこれ以上の絆と深い愛いに包まれながら、生活できる毎日を過ごそう決意した一日となった。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

処理中です...