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復活編
復活7
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「お兄ちゃん本当に大丈夫だったの? 怪我してない? 気分悪くない?」
病室に戻ってくるなり、ユリーナは俺の周りをくるくると回りながら四方八方から全身調べられた。
「いや、本当に大丈夫だけど……」
ずっと意識がなかった状態からの奇跡の復活なので、またいきなり眠りにつかないだろうかと心配するユリーナの気持ちはわからなくもないが、それにしても少し心配性すぎる気がする。
しかし、ユリーナが本当にSランクなら何か俺を超回復するような魔法でも使えなかったのだろうか。
「そう言えば、修行をつんで俺の意識が戻る魔法を習得しようとは考えなかったの?」
「考えたことはあるけど、私には無理だったから……」
Sランクになってもそういうことはできないもんなんだな。……あれ、でもおかしいな。
「前に看護師さんに、魔法で俺の状態治せないか聞いたことがあるんだけど」
「うんうん」
「その時Sランク以上の人なら治せるかもって言われたんだよね」
「あっ、んー……たしかに間違いではないんだけど……」
そう言うとユリーナの手のひらが俺の体に触れた。手のひらが温かくなってきたと思っていると、その後緑色の優しい光が俺を包み込み始めた。
「あれ、なんだこの光。体に力がみなぎってくる」
「初級の回復魔法ヒール。あまり得意ではないけどね」
「へー! こんなこともできるんだ。すごいじゃん!」
「ただ、私はこれが限界で、こっちの才能はなくて……」
「充分すごいと思うけど……あ、そうか、そういうことか!」
先程『私には無理だった』って言ってた意味がわかってしまった。
「そう、看護師さんは回復魔法を得意としてるSランク以上の人ならって意味で言ったんだと思うよ。私は完全に攻撃系メインなんだ」
個人個人で得手不得手、特性があるということか。
と言うことは、俺の虹色ってもしかして、めちゃくちゃレアな能力ということか……もしくは全ての才能があるとかそう言う類いのものではないのだろうか!?
「やっぱり……お兄ちゃんも強くなって戦いたいと思うの?」
いきなり寂し気な表情でユリーナが話しかけてきた。
「まあ……なぁ、魔王軍に俺の人生めちゃくちゃにされたからな。このまま静かに人生終わらせたくはないかな」
「そうだよね……でも、傷付いて意識を失ったりとか、もうしてほしくない。もし……私を倒せるぐらいに強くなってくれれば、口出しはしないけど」
真面目な顔でユリーナは言う。まだ自分がまったく戦えないから、彼女がどれほど強いかは未知だ。しかし例えば俺が今後少し強くなったくらいでは普通に考えれば倒せるわけはないだろう。世界に数十人のSランクとか絶対強いだろ。
やっぱり、あれだよな。前世で死ぬ直前に最高の強さって願えなかったことが原因だよな。だって思ったより時間なくて最高のポテンシャルしか考えれなかったからな。もしそうだとしたら俺のバカ野郎。願いは忠実に叶えられているわけか。
モンスターが襲来したことでその後少しの間病院内は騒ぎになり、しばらくの間は警護の人が外部より派遣されてきていた。モンスター襲来はシエノが名乗り出てくれて追い払ったということで、ユリーナの名前は出さなかったようだ。
ユリーナの戦いに触発され、たまに外に出ては魔法を使ってみようとするが、まったく出る素振はない。
そんな数日を過ごしているうちに無事に退院の日となった。
病室に戻ってくるなり、ユリーナは俺の周りをくるくると回りながら四方八方から全身調べられた。
「いや、本当に大丈夫だけど……」
ずっと意識がなかった状態からの奇跡の復活なので、またいきなり眠りにつかないだろうかと心配するユリーナの気持ちはわからなくもないが、それにしても少し心配性すぎる気がする。
しかし、ユリーナが本当にSランクなら何か俺を超回復するような魔法でも使えなかったのだろうか。
「そう言えば、修行をつんで俺の意識が戻る魔法を習得しようとは考えなかったの?」
「考えたことはあるけど、私には無理だったから……」
Sランクになってもそういうことはできないもんなんだな。……あれ、でもおかしいな。
「前に看護師さんに、魔法で俺の状態治せないか聞いたことがあるんだけど」
「うんうん」
「その時Sランク以上の人なら治せるかもって言われたんだよね」
「あっ、んー……たしかに間違いではないんだけど……」
そう言うとユリーナの手のひらが俺の体に触れた。手のひらが温かくなってきたと思っていると、その後緑色の優しい光が俺を包み込み始めた。
「あれ、なんだこの光。体に力がみなぎってくる」
「初級の回復魔法ヒール。あまり得意ではないけどね」
「へー! こんなこともできるんだ。すごいじゃん!」
「ただ、私はこれが限界で、こっちの才能はなくて……」
「充分すごいと思うけど……あ、そうか、そういうことか!」
先程『私には無理だった』って言ってた意味がわかってしまった。
「そう、看護師さんは回復魔法を得意としてるSランク以上の人ならって意味で言ったんだと思うよ。私は完全に攻撃系メインなんだ」
個人個人で得手不得手、特性があるということか。
と言うことは、俺の虹色ってもしかして、めちゃくちゃレアな能力ということか……もしくは全ての才能があるとかそう言う類いのものではないのだろうか!?
「やっぱり……お兄ちゃんも強くなって戦いたいと思うの?」
いきなり寂し気な表情でユリーナが話しかけてきた。
「まあ……なぁ、魔王軍に俺の人生めちゃくちゃにされたからな。このまま静かに人生終わらせたくはないかな」
「そうだよね……でも、傷付いて意識を失ったりとか、もうしてほしくない。もし……私を倒せるぐらいに強くなってくれれば、口出しはしないけど」
真面目な顔でユリーナは言う。まだ自分がまったく戦えないから、彼女がどれほど強いかは未知だ。しかし例えば俺が今後少し強くなったくらいでは普通に考えれば倒せるわけはないだろう。世界に数十人のSランクとか絶対強いだろ。
やっぱり、あれだよな。前世で死ぬ直前に最高の強さって願えなかったことが原因だよな。だって思ったより時間なくて最高のポテンシャルしか考えれなかったからな。もしそうだとしたら俺のバカ野郎。願いは忠実に叶えられているわけか。
モンスターが襲来したことでその後少しの間病院内は騒ぎになり、しばらくの間は警護の人が外部より派遣されてきていた。モンスター襲来はシエノが名乗り出てくれて追い払ったということで、ユリーナの名前は出さなかったようだ。
ユリーナの戦いに触発され、たまに外に出ては魔法を使ってみようとするが、まったく出る素振はない。
そんな数日を過ごしているうちに無事に退院の日となった。
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