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予知夢編
予知夢8
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夜中ということで、学生寮のある棟以外は施錠されており、闘和機構所属の人達の寮へ行くこともできなかった。
危険な現場に行って、場合によっては賞金首や魔王軍から目をつけられるかもしれないわけだから警備が厳重なのは仕方のないことだろう。
「ここの敷地全体は闘和機構の人達が当番制で夜間警備や門番をやってるんだよね」
闘和機構寮の入り口にいる守衛のような人を見ながらミズモが教えてくれた。30歳前後くらいのいまいちやる気がなさそうな人だ。
「ミューリンがいるかどうか、聞いたら教えてくれるかな?」
「うーん……どうなんだろう……」
ここで迷っている時間はない。いるかどうか聞いて、いるなら会ってもらえるように話してもらおう。
「すいません、いまミューリン様って自室にいますか?」
時間も時間なので少し驚いた様子を見せた。が、何かを見て確認してくれているようだ。
「えーっと……今日はいるはずだね」
「今から会えないか聞いてもらえますかね?」
「いや、この時間だよ? 無理に決まってるでしょ」
「少し前に修練場でお話しした者です、と言ってもらえればスムーズに話がいくと思います!」
面倒くさそうな様子で、かなり渋々といった具合だが、電話みたいなもので話をしてくれている。話しが終わると守衛の男は驚きの表情を見せた。
「きみ凄いな。すぐに来るってさ。機構の俺でさえ今までミューリン様と話したことなかったのに」
やはり一度会ったことがあるというのがよかった。見知らぬ学生がこんな夜中に会いたいと言ってきても普通は面倒だし怪しいし、きっと来ないだろう。
5分程待つと完全にオフの格好、普通の部屋着のようなものでミューリンは来た。部屋着も全体的にフワフワとして露出の高めの可愛らしいものだった。
「あら、どうしたのー? こんな時間にってことはよっぽど緊急の何かぁ?」
寝る前だったと思うのに本当に申し訳無い。こんな突然の呼び出しでも前に話した時と変わらぬ雰囲気だった。
「単刀直入に……ミューリン様が習得してて、強敵の時に役に立つ魔法や能力全部ください!」
「……ん? どゆこと?」
ミズモの能力、俺の能力を説明し明日起こることを説明した。
「なるほどぉ。対策はそれだけでいいのー? 私が声をかければ遠征場所の変更なり、メンバー変更なり、増援の設定なりできると思うけど」
「いや、俺が魔法使えなくてどうにも手立てがなければお願いしたいんですが……出来たらあまり大事にしたくないし、今の俺なら大丈夫です」
「わかったよー。私は別の任務があって、それが終われば助けに行けるから」
「ありがとうございます、助かります」
「魔王軍の四天王クラスはSランクの私達でさえも……うーん、まあ勝率50%くらいってところかなぁ」
いや、そうだよな。夢の中のあの戦いを見ただけでレベルの違いは一目瞭然だった。
「じゃあ、修練場に行こっか。明日の戦いで使えそうな技を教えてあげるねぇ」
「ミズモは部屋に戻って明日に備えていいよ」
「えー修行見たかったなぁ」
「明日その成果は見せることになるだろうからそれまで待っててよ」
「仕方ないなぁ、はーい」
少し不貞腐れた様子を見せながらミズモはその場から立ち去った。
「気を使ってくれたんでしょ? ありがとー」
「いや、こちらこそ本当にありがとうございます。人に技をコピーされるってことは自分の手の内を見せるってことだし」
「そんな大袈裟なものじゃないよ。特に私の能力は隠してるようなものじゃないからぁ」
修練場に歩きながら、徐々にミューリンの闘気が研ぎ澄まされてきているのを感じる。Sランクの凄さを改めて感じさせる。
「とりあえず私が得意なのは回復サポートだから、それ関係の魔法と、少し特別な攻撃魔法も教えてあげる。あとは特有化能力もあげるから使いこなしてみて」
なかなか長い夜が始まりそうだ。
危険な現場に行って、場合によっては賞金首や魔王軍から目をつけられるかもしれないわけだから警備が厳重なのは仕方のないことだろう。
「ここの敷地全体は闘和機構の人達が当番制で夜間警備や門番をやってるんだよね」
闘和機構寮の入り口にいる守衛のような人を見ながらミズモが教えてくれた。30歳前後くらいのいまいちやる気がなさそうな人だ。
「ミューリンがいるかどうか、聞いたら教えてくれるかな?」
「うーん……どうなんだろう……」
ここで迷っている時間はない。いるかどうか聞いて、いるなら会ってもらえるように話してもらおう。
「すいません、いまミューリン様って自室にいますか?」
時間も時間なので少し驚いた様子を見せた。が、何かを見て確認してくれているようだ。
「えーっと……今日はいるはずだね」
「今から会えないか聞いてもらえますかね?」
「いや、この時間だよ? 無理に決まってるでしょ」
「少し前に修練場でお話しした者です、と言ってもらえればスムーズに話がいくと思います!」
面倒くさそうな様子で、かなり渋々といった具合だが、電話みたいなもので話をしてくれている。話しが終わると守衛の男は驚きの表情を見せた。
「きみ凄いな。すぐに来るってさ。機構の俺でさえ今までミューリン様と話したことなかったのに」
やはり一度会ったことがあるというのがよかった。見知らぬ学生がこんな夜中に会いたいと言ってきても普通は面倒だし怪しいし、きっと来ないだろう。
5分程待つと完全にオフの格好、普通の部屋着のようなものでミューリンは来た。部屋着も全体的にフワフワとして露出の高めの可愛らしいものだった。
「あら、どうしたのー? こんな時間にってことはよっぽど緊急の何かぁ?」
寝る前だったと思うのに本当に申し訳無い。こんな突然の呼び出しでも前に話した時と変わらぬ雰囲気だった。
「単刀直入に……ミューリン様が習得してて、強敵の時に役に立つ魔法や能力全部ください!」
「……ん? どゆこと?」
ミズモの能力、俺の能力を説明し明日起こることを説明した。
「なるほどぉ。対策はそれだけでいいのー? 私が声をかければ遠征場所の変更なり、メンバー変更なり、増援の設定なりできると思うけど」
「いや、俺が魔法使えなくてどうにも手立てがなければお願いしたいんですが……出来たらあまり大事にしたくないし、今の俺なら大丈夫です」
「わかったよー。私は別の任務があって、それが終われば助けに行けるから」
「ありがとうございます、助かります」
「魔王軍の四天王クラスはSランクの私達でさえも……うーん、まあ勝率50%くらいってところかなぁ」
いや、そうだよな。夢の中のあの戦いを見ただけでレベルの違いは一目瞭然だった。
「じゃあ、修練場に行こっか。明日の戦いで使えそうな技を教えてあげるねぇ」
「ミズモは部屋に戻って明日に備えていいよ」
「えー修行見たかったなぁ」
「明日その成果は見せることになるだろうからそれまで待っててよ」
「仕方ないなぁ、はーい」
少し不貞腐れた様子を見せながらミズモはその場から立ち去った。
「気を使ってくれたんでしょ? ありがとー」
「いや、こちらこそ本当にありがとうございます。人に技をコピーされるってことは自分の手の内を見せるってことだし」
「そんな大袈裟なものじゃないよ。特に私の能力は隠してるようなものじゃないからぁ」
修練場に歩きながら、徐々にミューリンの闘気が研ぎ澄まされてきているのを感じる。Sランクの凄さを改めて感じさせる。
「とりあえず私が得意なのは回復サポートだから、それ関係の魔法と、少し特別な攻撃魔法も教えてあげる。あとは特有化能力もあげるから使いこなしてみて」
なかなか長い夜が始まりそうだ。
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