127 / 206
白昼の衝撃
28
しおりを挟む
私の真横、柴犬に似た彼の後ろに見える四角いテーブル。向かい合う形で置かれた奥の椅子に、長い足を組んで本を読んでいる上品そうな男性が座っていた。
高い鼻腔に載った長方形のメガネ、シャープな顎から続く喉仏の下の蝶ネクタイ、細身のスラックスにポニーテールの髪色まですべてチョコレート色だ。
全体的にピシッとした印象の彼は、眉間に皺を寄せながら私を眺めている。
「どうしてただの人間が今の時間、ここに入ってきている」
猫宮さんに出会ってから驚きの連発だった。
おかげで人外にはある程度耐性ができた。
そんな私が今一番仰天しているのは、メガネの彼が言った通り、どうして今現在、ここに来ることができたのかということ。
「ほんとほんと、お店の営業時間外なのに不思議だなぁ、こんなこと初めてだ!」
「うるさいぞ、犬斗《けんと》。君はオーバーリアクションが過ぎる」
「なっがい付き合いなのに、今更それ言うー?」
殴り書きのようなアルファベットがプリントされた真緑のパーカーに、ダメージ加工の空色ジーンズ。ダボついた服装の少年は、立ち上がって指摘された方に唇を尖らせた。
私に背を向け彼の元に駆け寄った時、人間にはないくるんと上向きの尻尾がバッチリ見えた。これはもう、間違いない。
「そういう秀馬は相変わらず冷めてるよなぁ、そういうところがいいって、再生回数も上がってウハウハだけど!」
「次はないからな」
「うっそ、また出てくれよー!」
犬斗と呼ばれた少年が、秀馬と呼ぶ青年の両肩を掴み、ねだるようにゆする。
するとチラチラと椅子の端から垣間見える、艶がある真っ直ぐな毛。
髪と同じものが、もう一本腰の辺りについているようだ。
これが本当のポニーテール……?
高い鼻腔に載った長方形のメガネ、シャープな顎から続く喉仏の下の蝶ネクタイ、細身のスラックスにポニーテールの髪色まですべてチョコレート色だ。
全体的にピシッとした印象の彼は、眉間に皺を寄せながら私を眺めている。
「どうしてただの人間が今の時間、ここに入ってきている」
猫宮さんに出会ってから驚きの連発だった。
おかげで人外にはある程度耐性ができた。
そんな私が今一番仰天しているのは、メガネの彼が言った通り、どうして今現在、ここに来ることができたのかということ。
「ほんとほんと、お店の営業時間外なのに不思議だなぁ、こんなこと初めてだ!」
「うるさいぞ、犬斗《けんと》。君はオーバーリアクションが過ぎる」
「なっがい付き合いなのに、今更それ言うー?」
殴り書きのようなアルファベットがプリントされた真緑のパーカーに、ダメージ加工の空色ジーンズ。ダボついた服装の少年は、立ち上がって指摘された方に唇を尖らせた。
私に背を向け彼の元に駆け寄った時、人間にはないくるんと上向きの尻尾がバッチリ見えた。これはもう、間違いない。
「そういう秀馬は相変わらず冷めてるよなぁ、そういうところがいいって、再生回数も上がってウハウハだけど!」
「次はないからな」
「うっそ、また出てくれよー!」
犬斗と呼ばれた少年が、秀馬と呼ぶ青年の両肩を掴み、ねだるようにゆする。
するとチラチラと椅子の端から垣間見える、艶がある真っ直ぐな毛。
髪と同じものが、もう一本腰の辺りについているようだ。
これが本当のポニーテール……?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる