多趣味なおっさんが異世界に飛ばされる

koh

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第一章 

第六話

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「転移先の希望を教えてくれるかしら?」
エロースいや、エリースがどんな所が良いか聞いてくる。
多分、入り浸る気だから半端な事は言えないな。

「そうですね、強い魔物が居なくて小高い丘の上。
広大な敷地の近くには湖。
貴族とかとの柵が嫌だから、出来れば領主の居ない僻地が良いな。
立地条件はそんな所ですかね。
建物は自分のスキルで作りますよ。
あっ、聞くの忘れてたけどスキル使うのに魔力とか要ります?」
俺は考えつく好条件な場所を提示した。

「魔力とか、スキルポイントとか縛りが欲しいの?
そんなの無い方がやりたい放題で楽しくない?
それから、場所はオッケーよ。」
「マジか!
やりたい放題万歳です!
本当にエリース様の石像だけで良いんですか?
どう考えても、俺得ですよ?」
俺は制限無く出来ると聞いて浮かれまくった。
あれもやろう、これもやろうと。

「妄想に耽ってる所を水指す様だけど、出来ない物も有るからね?
ファンタジーの国だから、戦闘機とか車とか銃火器は無理だよ。
地球の食べ物も食材や調味料位は良いけど、カップラーメンとかの製品は駄目だからね。
グレーな部分は俺がその時に承認する形だからね。」
ちっ、久し振りに口を開いたかと思ったら水差しやがった。
出来ない物が有る位理解してるし。
常識は無くても良識は有るんだよ。
顔を青くして黙ってろよ。

「そんなの気にしなくて良いわよ。
私が干渉したらどうとでもなるから。
だから、ちゃんと石像を置いて頂戴ね。
気が引けてるなら、スケベさんのスキルで石像を今作ってみる?
スキルの練習になるから丁度良いんじゃない?」
そうか、スキルは手に入ったけどどうすれば良いか教えてもらうのに丁度良いな。

「ちゃんと全身で作るのよ?」
「どういう意味ですか?」
「スケベさん、足しか見てないでしょ?
一回も顔を見て無いじゃない。」
「失礼ですよ!
ちゃんと胸も見てますよ!」
全く失礼だ。
俺は悪くない。

エリースは呆れる所か、感心している。
やはり、エロースだな。

「石像を作るので、スキルの使い方を教えて下さい。」
俺は顔を見ながら言った。
ちゃんと顔を見たよ。
俺はやれば出来る子なんだよ。

「作りたい物を頭の中で浮かべなさい。
あとは勝手にナビがやってくれるわ。」
エリースはサラッと説明した。
ボディラインに似合わず、淡白な説明だ。

俺はエリースの石像をイメージしてみた。

『スキル創造を発動する?』
頭の中でナビの声がした。

俺はナビに宜しくとお願いした。

『大きさはどうする?』
全長1メートル位で良いかな。

『じゃ、作るよ。』

床に魔法陣が出現し、中から石像が出てきた。

「うん、イメージ通り。」
出てきた石像は足を組んで座っている。
ボディラインと服の質感が石像とは思えない位の素晴らしい出来だ。

俺が石像に惚れ惚れとしていると、後ろから口を出してくる奴がいる。

「なんかさ、エロくない?
これを信仰の対象にするの?
エロス教とでも名乗る?」
文句しか言わない奴だな。
今の現状の元凶が誰だか分かってんのかな?
普通に説明して、普通にスキル渡して、普通に転移させればこんな現状にならなかったのに。

「石像の出来には文句無いんだけど、どうして座ってるの?」
エリースは色んな角度から石像を見て頷く様な仕草をした後、質問してきた。

単純に座ってるエリースが好きだからな。
逆に立っていられると落ち着かない。
…パンツが見えないからじゃないぞ。
教会の石像は立って祈りのポーズの物が多い。
しかし、エリースには似合わないだろう。
ただ立ってるだけの石像を見ていても落ち着かないし、第一つまらない。
このポーズなら一日見ていても飽きない。
俺の独占欲かも知れんが信仰を広める気は無い、エリースも信仰を広める事を望むとは思えない。
頭の中で言葉を探したが、口から出たのは…

「エリースのこの姿が好きなんだよ。」
…いや、もっと言葉があった筈だろ?
ヤバイと思って、エリースの顔を見ると目がハートになってるぞ?
あっ、心の声が聞こえてたのね。
そりゃそうか、娘に出来て親に出来ない訳無いか。

「ねぇねぇ、いっその事さぁ。
石像を白一色じゃ無くてカラーにしない?
肌の質感とか、下着の色とか。
一日見ていても飽きないでしょ?」
「良いですねぇ。
いっその事、関節可動にして柔らかい素材にしますか。」

「…あのさぁ、それ石像って言わないし信仰の対象になるの?」
「ノリが悪い奴だなぁ。
ってか、空気が読めよ。
んな事は分かってるよ。
石像はこれで良いんだよ、カラーのは三十センチ位で作るんだよ。」
俺はフィギュアを作る気満々だ。
関節可動は欲しいけど、ツナギ目が見えるのはやだな。
骨格から作ってシリコンで肉付けするか…
人工皮膚みたいなので作りたいな。

「思いに耽ってるのも良いけど、そろそろ時間が無くなるんだけど?
これから転移する世界の質問は無いの?
無いなら送るけど。」
スティールは呆れ顔だ。

「しばらく此処でダラダラしようと思ってたのに…
時間制限有るのかよ。
質問かぁ。
急に言うなよ、もっと早く言うタイミングが有っただろう?」
ったく、楽しかったのに。
とりあえず、行けばどうにでもなるだろう。

「俺のラノベの世界観をパクったんだろう?
違う所を教えろよ。
通貨とか、移動手段とか。」

「パクったって言うな。
言ってるだろう、オマージュだって。
それに、俺も神なんだけど扱いが雑じゃね?
通貨は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、虹金貨の順で円のレートで言うと銅が十円、銀が千円、金が一万円、白が百万で虹が一億位ってところかな。
移動手段は馬車がメインだけど、ドラゴンにも乗れる。
ただ、職業がテイマーじゃ無いと運転出来ない。
今は世界に国が四つ。
人族メイン、エルフメイン、獣人メイン、混在かな。
転移するのは人族の国と混在の国の国境付近って感じかな。」
スティールは扱いに不満をブツブツ言っていたが、しっかり説明した。

「何だよ、ちゃんと説明とか出来るんじゃないか。
まともに出来ない奴だと思ってたから雑に扱ってたのに。
ファーストコンタクトが酷すぎたな。
第一印象って大事だぞ?
ところで俺の職業って決まってるのか?」
「別に決めてないし、好きな職業を選んでいいけどお勧めは神父かな。
神父なら、ある程度の事は『神父だからな』で通せると思うよ。
移動手段を考えたら、サブにテイマーを入れておいた方が良いかもね。」
…最初からこういう風にちゃんとしてたら、俺もそれなりの対応したのに。
本当に残念な神だな。





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