1 / 1
砂漠運動会
しおりを挟む
僕の学校は砂漠の中にある。
地面は全部砂だから、普段は体育ができない。
だけど、一年に一度だけ運動会が開かれる。
僕は運動が好きだから、運動会は楽しみだけど、砂漠で運動会をするのは、とても大変だ。
開会式が終わると、すぐに玉入れが始まった。
何しろすごい暑さだから、どんな競技もできるだけ早く終えなくてはならない。
砂漠だから、玉入れの棒は立てられないので、先生が二人がかりで一本の棒を持っている。
「あち!あち!棒が、熱い!!みんな、熱いから、早くしてくれよ!」
「はーい」
砂の上に置いてあった棒は、厳しい日差しにさらされて、火傷するくらいの熱さだ。
「よーい、スタート!」
玉入れが始まった。
最初のうちは、みんなちゃんと玉をつかんでいたのに、途中から、暑さでフラフラになって、落ちた玉がどこにあるのかもわからなくなって、つかんだ砂を投げ始めた。
砂は、玉入れのかごまでは届かなくて、棒を持っている先生にそのままかかったものだから、先生はもう我慢できなくなって、棒を放り出して校舎の中へ逃げて行ってしまった。
「先生待ってよ~」
玉入れをしていた子供たちも校舎へ帰って行ってしまった。
しかたがないから、残りの生徒で綱引きをすることになった。
「よーいドン!」
みんないっせいに綱をつかんでひっぱった。
「よいしょ!よいしょ!」
だけど、みんなの足は砂にどんどん埋まっていく。
「あつ!あつい!あついよー!」
「うわ、抜けない!先生、足が抜けないよー!助けて~!!」
「待ってろよ、今行くからな!」
先生はそう言ったものの、生徒の数が多すぎて、ぜんぜん追い付かない。
「ほら、これで大丈夫だ」
一人を助けるとすぐ次だ。
「先生!こっち、こっち!」
「いや、次は僕だよ!」
「ダメダメ!先生、僕の方が深く埋まってるんだから!」
みんな、容赦なく先生に助けを求める。
「ああ!もう!!」
暑い砂漠で、子供たちの足を引っこ抜いていた先生は、今度は自分が暑くて仕方なくなって、もうこれ以上こんなところにはいられないと、どこかへ行ってしまった。
「先生、待ってよ!僕たちを置いていかないでよー!」
熱い砂の中に置き去りにされた子供たちは次々に泣き始めた。
だけど、そこにさっきいなくなった先生がらくだを連れて現れた。
「さあ、もうこれで大丈夫だ!」
先生はそう言うと、みんなの体にひもをくくりつけた。
「それ!ひっぱれ!」
先生が掛け声をかけると、らくだはそのひもを次々と引っ張った。
「うわぁ!」
「おおっ!」
みんなの体は砂から抜けて、ポンと飛び出した。
ポン!ポン!ポン!ポン!
砂の上に放り出されてみんなは、いっせいに笑い始めた。
先生がらくだのお尻をたたくと、らくだは驚いてどこかへ行ってしまった。
「よし、それじゃあ、次は最終種目リレーだ」
「わーい、リレーだ!絶対勝つぞ!」
みんなは砂に埋まっていたことも忘れて、スタートの位置についた。
「よーい、ドン!」
ピストルの音とともに、みんなはいっせいに走り出した。
砂はあいかわらず熱いし、一歩一歩踏み出すごとに足が砂に沈んでしまうから、ゆっくりなんて走っていられない。
足が砂についた瞬間、飛ぶように足を跳ねさせる。そのせいで、みんなはいつもよりもずっと速く走る。
「おい、みんな飛ばしすぎだぞ!」
先生が言うのも聞かず、みんなは次々とバトンを渡し、そしてゴールを決めると校舎へ向かって一直線。どのチームが優勝したのかなんて、もうわからない。だけど、楽しい砂漠運動会。
僕はもう来年の運動会が楽しみで仕方ないんだ。
地面は全部砂だから、普段は体育ができない。
だけど、一年に一度だけ運動会が開かれる。
僕は運動が好きだから、運動会は楽しみだけど、砂漠で運動会をするのは、とても大変だ。
開会式が終わると、すぐに玉入れが始まった。
何しろすごい暑さだから、どんな競技もできるだけ早く終えなくてはならない。
砂漠だから、玉入れの棒は立てられないので、先生が二人がかりで一本の棒を持っている。
「あち!あち!棒が、熱い!!みんな、熱いから、早くしてくれよ!」
「はーい」
砂の上に置いてあった棒は、厳しい日差しにさらされて、火傷するくらいの熱さだ。
「よーい、スタート!」
玉入れが始まった。
最初のうちは、みんなちゃんと玉をつかんでいたのに、途中から、暑さでフラフラになって、落ちた玉がどこにあるのかもわからなくなって、つかんだ砂を投げ始めた。
砂は、玉入れのかごまでは届かなくて、棒を持っている先生にそのままかかったものだから、先生はもう我慢できなくなって、棒を放り出して校舎の中へ逃げて行ってしまった。
「先生待ってよ~」
玉入れをしていた子供たちも校舎へ帰って行ってしまった。
しかたがないから、残りの生徒で綱引きをすることになった。
「よーいドン!」
みんないっせいに綱をつかんでひっぱった。
「よいしょ!よいしょ!」
だけど、みんなの足は砂にどんどん埋まっていく。
「あつ!あつい!あついよー!」
「うわ、抜けない!先生、足が抜けないよー!助けて~!!」
「待ってろよ、今行くからな!」
先生はそう言ったものの、生徒の数が多すぎて、ぜんぜん追い付かない。
「ほら、これで大丈夫だ」
一人を助けるとすぐ次だ。
「先生!こっち、こっち!」
「いや、次は僕だよ!」
「ダメダメ!先生、僕の方が深く埋まってるんだから!」
みんな、容赦なく先生に助けを求める。
「ああ!もう!!」
暑い砂漠で、子供たちの足を引っこ抜いていた先生は、今度は自分が暑くて仕方なくなって、もうこれ以上こんなところにはいられないと、どこかへ行ってしまった。
「先生、待ってよ!僕たちを置いていかないでよー!」
熱い砂の中に置き去りにされた子供たちは次々に泣き始めた。
だけど、そこにさっきいなくなった先生がらくだを連れて現れた。
「さあ、もうこれで大丈夫だ!」
先生はそう言うと、みんなの体にひもをくくりつけた。
「それ!ひっぱれ!」
先生が掛け声をかけると、らくだはそのひもを次々と引っ張った。
「うわぁ!」
「おおっ!」
みんなの体は砂から抜けて、ポンと飛び出した。
ポン!ポン!ポン!ポン!
砂の上に放り出されてみんなは、いっせいに笑い始めた。
先生がらくだのお尻をたたくと、らくだは驚いてどこかへ行ってしまった。
「よし、それじゃあ、次は最終種目リレーだ」
「わーい、リレーだ!絶対勝つぞ!」
みんなは砂に埋まっていたことも忘れて、スタートの位置についた。
「よーい、ドン!」
ピストルの音とともに、みんなはいっせいに走り出した。
砂はあいかわらず熱いし、一歩一歩踏み出すごとに足が砂に沈んでしまうから、ゆっくりなんて走っていられない。
足が砂についた瞬間、飛ぶように足を跳ねさせる。そのせいで、みんなはいつもよりもずっと速く走る。
「おい、みんな飛ばしすぎだぞ!」
先生が言うのも聞かず、みんなは次々とバトンを渡し、そしてゴールを決めると校舎へ向かって一直線。どのチームが優勝したのかなんて、もうわからない。だけど、楽しい砂漠運動会。
僕はもう来年の運動会が楽しみで仕方ないんだ。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
瑠璃の姫君と鉄黒の騎士
石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。
そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。
突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。
大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。
記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
ふしぎなえんぴつ
八神真哉
児童書・童話
テストが返ってきた。40点だった。
お父さんに見つかったらげんこつだ。
ぼくは、神さまにお願いした。
おさいせんをふんぱつして、「100点取らせてください」と。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ぴょんぴょん騒動
はまだかよこ
児童書・童話
「ぴょんぴょん」という少女向け漫画雑誌がありました 1988年からわずか5年だけの短い命でした その「ぴょんぴょん」が大好きだった女の子のお話です ちょっと聞いてくださいませ
稀代の悪女は死してなお
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「めでたく、また首をはねられてしまったわ」
稀代の悪女は処刑されました。
しかし、彼女には思惑があるようで……?
悪女聖女物語、第2弾♪
タイトルには2通りの意味を込めましたが、他にもあるかも……?
※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる