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11話 アラン王子殿下がやってくる その1
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ーアラン・ジドル王子殿下視点ー
「アラン王子殿下……」
「ヘンリックか……で、どうだ?」
「は、はい……」
暗い表情のヘンリックが私の前に立っている。本日もマリーナの調合したアイテムの鑑定をしてもらっていたのだが……なんとうことだ。
「純度は75%から82%程度です。なんとか商品になるといったレベルでしょうか。錬金術師という職業自体が稀ですので、イマイチ基準点が掴みづらいですが」
「そうか……」
と、いうことは我がジドル王国が管理するアイテム屋にも納品は出来るレベルということだな。とりあえずは一安心と言えようか。
「とりあえずは一安心だな」
「いえ、それが……そうでもないかと思われます」
「なに、どういうことだ?」
なにか問題があるというのか? そう考えていると、ヘンリックは懐からポーションを取り出していた。
「それは……ポーションか?」
「はい、そうです。ただし、マリーナ様が作った物ではなく、ウィンリー・トレートの作品ですが」
「倉庫に残っていたのか?」
「少しだけ……念のために、そのアイテムを拝借し純度の鑑定をしてみました」
なるほど、まああの女の作ったアイテム類は相当な量になっているはずだからな。多少、残っていたとしても不思議ではないか。
「で、結果はどうだったんだ?」
「それが……純度は95%相当です」
「なに……?」
100%以上は存在しないはずだが……えっ、95%? 私は何か聞き間違いをしてしまったのか?
「済まん、もう一度言ってくれるか?」
「はい……純度は95%になります」
「95%……」
聞き間違いではなかったか。これはどうしたものか……。
「アラン王子殿下、どうなさるおつもりですか?」
「なにがだ?」
「一度に作れるアイテム数、そして純度……どちらもウィンリー・トレートにマリーナ様は大幅に劣っています。議会や国王陛下を納得させるには、マリーナ様だけではとても間に合いません」
「ぬう……」
忌々しいことだが、どうやら事実は認めなければならないようだ。このままでは……いつまでも供給量を誤魔化し続けるのも難しいだろう。
「ウィンリー・トレートに戻って来て貰いましょう、アラン王子殿下。給料を値上げすれば、特別な謝罪をせずとも、こちらの要求に応じるでしょう。なにせ、相手は平民なのですから」
「くっ……それしか、方法はないか」
くそう、本当に忌々しい……なぜ、あんな平民の娘に錬金術の才能が備わっているのだ。しかも、身寄りのない孤児院出身の分際で。
だが、今は考えていても仕方がない。早急にウィンリーの居場所を突き止めなくてはな。野垂れ死んでないと良いのだがな……。
「アラン王子殿下……」
「ヘンリックか……で、どうだ?」
「は、はい……」
暗い表情のヘンリックが私の前に立っている。本日もマリーナの調合したアイテムの鑑定をしてもらっていたのだが……なんとうことだ。
「純度は75%から82%程度です。なんとか商品になるといったレベルでしょうか。錬金術師という職業自体が稀ですので、イマイチ基準点が掴みづらいですが」
「そうか……」
と、いうことは我がジドル王国が管理するアイテム屋にも納品は出来るレベルということだな。とりあえずは一安心と言えようか。
「とりあえずは一安心だな」
「いえ、それが……そうでもないかと思われます」
「なに、どういうことだ?」
なにか問題があるというのか? そう考えていると、ヘンリックは懐からポーションを取り出していた。
「それは……ポーションか?」
「はい、そうです。ただし、マリーナ様が作った物ではなく、ウィンリー・トレートの作品ですが」
「倉庫に残っていたのか?」
「少しだけ……念のために、そのアイテムを拝借し純度の鑑定をしてみました」
なるほど、まああの女の作ったアイテム類は相当な量になっているはずだからな。多少、残っていたとしても不思議ではないか。
「で、結果はどうだったんだ?」
「それが……純度は95%相当です」
「なに……?」
100%以上は存在しないはずだが……えっ、95%? 私は何か聞き間違いをしてしまったのか?
「済まん、もう一度言ってくれるか?」
「はい……純度は95%になります」
「95%……」
聞き間違いではなかったか。これはどうしたものか……。
「アラン王子殿下、どうなさるおつもりですか?」
「なにがだ?」
「一度に作れるアイテム数、そして純度……どちらもウィンリー・トレートにマリーナ様は大幅に劣っています。議会や国王陛下を納得させるには、マリーナ様だけではとても間に合いません」
「ぬう……」
忌々しいことだが、どうやら事実は認めなければならないようだ。このままでは……いつまでも供給量を誤魔化し続けるのも難しいだろう。
「ウィンリー・トレートに戻って来て貰いましょう、アラン王子殿下。給料を値上げすれば、特別な謝罪をせずとも、こちらの要求に応じるでしょう。なにせ、相手は平民なのですから」
「くっ……それしか、方法はないか」
くそう、本当に忌々しい……なぜ、あんな平民の娘に錬金術の才能が備わっているのだ。しかも、身寄りのない孤児院出身の分際で。
だが、今は考えていても仕方がない。早急にウィンリーの居場所を突き止めなくてはな。野垂れ死んでないと良いのだがな……。
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