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45話 協力の申し出 その1
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私やラグナ王太子殿下はしばらくの間、ジドル王国の宮殿内での滞在が認められた。
「宮殿内の滞在が認められた理由って……つまりは、時間稼ぎってやつですよね?」
「おそらくはその意味合いが強いだろうな」
「やっぱり燃やした方がいいんじゃないでしょうかねぇ」
ラグナ王太子殿下もマリアベルも、時間稼ぎという点は認めているようだ。私が言った時間稼ぎという言葉……要約すると、アラン王子殿下が泣きついて来るまでの時間、ということになる。彼の気持ちの整理が付くまで、どうぞ宮殿内でゆっくりしていって欲しいということだ。
やんわりと私達が乗って来た馬車は、匿われているらしい。下手したら軟禁したってことで、国際問題になりそうだけど……。
「紅茶飲みながら、チェスをしたりとか、本読んだりとか……暇は潰せますけど」
「そうだな……しかし、私達も暇ではないんだが……」
「そうですね」
一般人である私はともかくとして、ラグナ王太子殿下は絶対に暇なはずがなかった。マリアベルを始めとした親衛隊の人々も同じだ。ジドル王国へ来たこと自体が、仕事の1つではあるけど……それでも予想より長い滞在は、イシューマ王国の自治にも影響を与えかねない。
ラグナ王太子殿下達は何よりも自国の人達を守る義務があるのだから。
私には考えがあった。それを提案してみる。
「ラグナ王太子殿下、よろしいでしょうか?」
「どうしたんだ? ウィンリー?」
「はい。よく考えると私達が、アラン王子殿下の心変わりを待つ必要ってないと思いませんか?」
「それは……確かに」
なぜ、私達は相手の都合に合わせてあげているんだろうか? まず、そこからしておかしかった。
「モーガン国王陛下に直訴して、すぐにアラン王子殿下を引き連れて、国民に謝罪してくださいと言うのはどうでしょうか? その時に私も手伝います、と言いますので」
「なるほど、荒業だが確かにその通りだな。アラン王子殿下の心変わりなど、私達の知ったことではなかったか」
「ウィンリーの言う通りかと思われますね。ついでに髪の毛も燃やしてしまいましょうか……」
マリアベルが怖かったけれど、ラグナ王太子殿下も納得してくれたみたいね。そもそも、アラン王子殿下が改心する保証もないんだし、そんな不確定なことを待っていられないわ。
そのように考えて、早速、行動に移そうとした時だった。客室の入り口のドアがノックされたのは。
「申し訳ありません、アラン・ジドルでございます……入室をしても宜しいでしょうか?」
「アラン王子殿下……?」
なんだかとてもしおらしい声のアラン王子殿下。一瞬だけど、私は戸惑っていた……本物よね?
「宮殿内の滞在が認められた理由って……つまりは、時間稼ぎってやつですよね?」
「おそらくはその意味合いが強いだろうな」
「やっぱり燃やした方がいいんじゃないでしょうかねぇ」
ラグナ王太子殿下もマリアベルも、時間稼ぎという点は認めているようだ。私が言った時間稼ぎという言葉……要約すると、アラン王子殿下が泣きついて来るまでの時間、ということになる。彼の気持ちの整理が付くまで、どうぞ宮殿内でゆっくりしていって欲しいということだ。
やんわりと私達が乗って来た馬車は、匿われているらしい。下手したら軟禁したってことで、国際問題になりそうだけど……。
「紅茶飲みながら、チェスをしたりとか、本読んだりとか……暇は潰せますけど」
「そうだな……しかし、私達も暇ではないんだが……」
「そうですね」
一般人である私はともかくとして、ラグナ王太子殿下は絶対に暇なはずがなかった。マリアベルを始めとした親衛隊の人々も同じだ。ジドル王国へ来たこと自体が、仕事の1つではあるけど……それでも予想より長い滞在は、イシューマ王国の自治にも影響を与えかねない。
ラグナ王太子殿下達は何よりも自国の人達を守る義務があるのだから。
私には考えがあった。それを提案してみる。
「ラグナ王太子殿下、よろしいでしょうか?」
「どうしたんだ? ウィンリー?」
「はい。よく考えると私達が、アラン王子殿下の心変わりを待つ必要ってないと思いませんか?」
「それは……確かに」
なぜ、私達は相手の都合に合わせてあげているんだろうか? まず、そこからしておかしかった。
「モーガン国王陛下に直訴して、すぐにアラン王子殿下を引き連れて、国民に謝罪してくださいと言うのはどうでしょうか? その時に私も手伝います、と言いますので」
「なるほど、荒業だが確かにその通りだな。アラン王子殿下の心変わりなど、私達の知ったことではなかったか」
「ウィンリーの言う通りかと思われますね。ついでに髪の毛も燃やしてしまいましょうか……」
マリアベルが怖かったけれど、ラグナ王太子殿下も納得してくれたみたいね。そもそも、アラン王子殿下が改心する保証もないんだし、そんな不確定なことを待っていられないわ。
そのように考えて、早速、行動に移そうとした時だった。客室の入り口のドアがノックされたのは。
「申し訳ありません、アラン・ジドルでございます……入室をしても宜しいでしょうか?」
「アラン王子殿下……?」
なんだかとてもしおらしい声のアラン王子殿下。一瞬だけど、私は戸惑っていた……本物よね?
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