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リトマス試験紙が示すこと
しおりを挟む私、大場加奈(おおば かな)!! 若葉中学校の2年生!! 元気いっぱいの女の子!
勉強がちょっと、ほんのちょっとだけ苦手なんだけど、それ以外はパーフェクト!
俺は斗理一(とます りいち)。 若葉中学校の2年生だ。 学校の成績はほとんど5。
体育だけはどうしようもなかったため、3ではあるが、それ以外はパーフェクトだ。
「かな~。一緒にテスト勉強しよ~。」
「うん!やろやろ~!なんの科目やる~?」
「理科やろうよ!実験とかぜんぜんわかんない!」
「オッケー!」
「リーチ!勉強教えてくれよ。」
「俺は『りいち』だ。外人みたいに呼ぶな。」
「理科教えてくれよ!りいちのりは理科の理だろ?」
「流れはよくわからないが、別にいいよ。」
(斗くん。勉強がすっごくできる男子。みんなからトーマスとかリーチとか、外国人みたいなニックネームで呼ばれてる。クールでかっこいいし、勉強がすっごくできる。大事なことなのでもう一度、勉強がすっごくできる。いいなぁ。)
(大場加奈。勉強以外はそこそこできる女子。みんなからは「おばかな」などというあだ名で呼ばれているようだ。体育が得意なうえに、コミュニケーション能力が高い。大事なことなので繰り返すが、コミュ力だけは俺も認めている。)
「だ~~!!ムリ!リトマス試験紙ってなんだよ~?わかる~?かな~?」
「うーん、酸性とかがわかるんだよね?色が~?」
「青の紙が赤になったら酸性。赤の紙が青になったらアルカリ性だ。ちなみに変化がなかったとしても必ず赤と青の2種類で調べなくちゃいけない。中性の場合もあるからな。」
「トーマス君!」
「外人ぽく呼ばないでくれ、大場さん。」
(なぜだ?なぜ俺は自分から話しかけた?大場さんに興味があるのか?)
(なんで?どうして斗くん教えに来てくれたんだろう?なんで?なんで、なんで?なんて気になってるの?)
「おや~?リーチくん。わざわざ教えに来てくれるなんて優しいんだ~?」
「だから!いや、いい。ただうるさくしてたから気になって、ほっとけなかっただけだ。」
「ありがとうトーマス君!赤くなったら酸性。青くなったらアルカリ性だね!」
「ああ。しっかり覚えてくれよ。」
「トーマス君、優しいね!」
「いんや~。あれは~?ちょおっとかなのこと好きなんじゃないの~?」
「っ!?ないよ!ないない!私のことなんか!ほっとけなかっただけだって!」
「あねご。ほっとけないのは好きの始まりですぜ。」
「え、え~~!?」
「リーチ!優しさが溢れましたな!」
「だから!いや、人に教えるのは自分の復習として役に立つんだ。それだけだよ。」
「復習ねぇ。おっ、おばかながこっち見てるぞ。」
(トーマス君。優しくて勉強できて。かっこいいなぁ。もしトーマス君が私の・・・)
(なぜだ?目が合ってしまった。そして目がそらせない。顔がほてってきている。)
「おい、あの2人、見つめあって顔が赤くなってるぞ。」
「あれはどう見ても・・・・」
「ねぇ・・」
「意外な感じになってるねぇ。」
(君は)(あなたは)((この関係に『さんせい』ですか?))
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