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転生編-6

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「待ってください、ってことは、私も犬・・・??」

おそるおそる頭を触るとミミがらしきものがある

ふわふわだ・・・まじか、まさか人間じゃなくて犬になるとは・・・

希望でかなえられるの?

なんで人間やめたんだろうか?
人属がいやになった?
犬属が魅力的だった??

「一時的に記憶を喪失していますが、徐々に人間だったころの記憶も戻ります。ご安心ください」

っていやいや、人間だったころの記憶ってなに?
この私自信の記憶じゃなくて??


「転化をする方は、この転化の間で過ごしていただきます」
数分から数十分で完了しますと説明してくれた

「また先ほど渡した指輪は転化者や仕事で異種と会話をする人に使用するものですので、
それをはめていれば言語が理解できます」

もともと根本的には人属だから、犬属の言語の理解ができないってことか
それにしてもそんな通訳アプリのようなものが指輪一つで解消されるこの世界って結構進んでる??

「今後、あなたは犬属としてこの獣人地区で生活することになります。何かご不明な点はありますか??」

え、いや、待ってよ
生活って・・・

「あ、あの・・・私この先どこに行けばいいんでしょうか??生活って・・・その・・」

全く記憶もないのにどうやって生活するのよ

「あと数分もすれば記憶は戻ると思いますが・・・
記録によればあなたはいくらかの所持金を銀行へ預けております。
これを引き出して、当面の生活にあてるのはいかがでしょうか??」

ちょっとちょっと・・まってよ・・泣きたくなってきた

「その記憶が戻るまでだれか一緒にいてくれますか??
銀行がどこにあるのか、どうやって引き出すのかもわからないんですが・・」


事務連絡さえ終わらせたらもう自分たちの仕事は終わり~的に帰ろうとしている空気が漂ってきた

これはあかんやつや・・
まてまてまだ逃がさないぞ

このまま放りだされたら死ぬわ

「・・・えー・・・それでは・・・銀行までお付き合いいたしますので・・・」

ローアンはウルウルしている私の目に耐えられなくなったのか、時間外の仕事も付き合ってくれるという

よっしゃ・・・!


いろいろと、もう疲れたんだけど・・・
銀行とかもういいから、今日はもうこのままローアンち連れてってくんないかな・・涙


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