犬に猫にうさぎ！転生前の記憶でこの世界を住みよくするよ！

人属編-19

リリー様のところを出てホテルへ戻る

ジアンは終始考え込んでいる

「ジアン、ごめんね・・いろいろと・・」
せっかくの新婚旅行もそれどころじゃない状況にさせてしまった

きっと仕事もいっぱい増やしてしまっただろう
ぎゅーと抱き寄せてくれた

「何言ってんの、めっちゃ誇らしいよ」

「ほんと？」

「ああ、すごいなお前は。俺らもいろいろと考えてはいたんだが、なかなか具体的な案がでなくてさ」

「犬地区にもあるんでしょ？孤児施設」

「ああ、見たことないだろう。街の本当に外れのほうにある」

しらなかった
そんな子たちがいるようにも見えなかった

見てなかっただけかな
本当は目の端にうつっていたのかもしれなけど

楽しくて充実している獣人地区に、そういうものはないって思いこもうとしていたのかも

どこの世界にもいい面があれば、ふたをしたい部分もあるんだ

「・・・あたし何やってんだろ」
自分だけ幸せになろうとしていた
こんなに恵まれているのに
もっと目を向けなければならないところはたくさんあるのに

「それはちがう。俺の責任だ」
きちんと向き合わなければならなかったんだ・・と耳が垂れている

「人は財産・・・ってハッとしたよ。ありがとう」

「もっともだな・・・」と抱きしめてくれる腕に力が入る

よかった・・・

「仕事はふえたけどなｗ」

「大丈夫！癒の魔力はたっぷりあげるよ！」

「ハハハ・・お前との時間がへる～」

ありがとう・・・ジアン・・・まじすき
ぎゅーっとし返した




ホテルに戻りジアンと一休みする
お茶を入れてあげた

コンコン



「ジアン様、フロントにお客様がいらしております」

ドアの向こうからボーイさんの声がする

「？？だれだ」

ガチャリと開けてボーイさんに話を聞いている

「マキア～バレッタ下に入るって。行く？」

「バレッタさん？いくいく～」

さっき会ったばかりなのに？どうしたんだろうか



フロント前のラウンジに立っていた

「バレッタさん～」手を振ったら気づいてくれた

コフェアを注文してラウンジで座って話をする

「マキア様、先ほどのお礼を言いたくて参りました」

「お礼？」

「施設のお話です。本当にありがとうございました」

膝の上で手を固く握っている

「いえ、あたしは提案しただけです。リリー様やジアンが動いてくれて本当によかったです」

「まだ、何も決まってないぞ」

そんなこと言って、絶対にいい方向にもっていってくれるくせに

「リリー様が私財で寄付していたんですが、雇っている責任者が着服していることもあったんです」

うわ～あるあるだな

「一時的な寄付を行ってもその時ばかりで・・・
私も様子を見にいったりもしたんですが・・・恥ずかしながらあのような状態です」

「だから子供たちがバレッタさんになついていたんですね」

「はは・・・まぁ一応そだった施設でもあったので」

大変だったんだろうな

「リリー様と出会ってからは恩返しのつもりで、一生懸命勉強したんです」

執事として有能なのがわかる

「同じような教育とはいかないかもしれませんが、
あの子たちがこれから笑顔で将来を考えられるような生活をさせてあげたいと思っていたんです」

「はい。私もです」

ふふふと笑いあう

「簡単にはいかないぞ。変えたいならバレッタ、お前も手伝えよ」

「もちろんです。本当に・・・よろしくお願いいたします。本当にありがとうございす」



これは、チャンスだ
まだ何も動いていない

これからジアン達が話し合ってからだろう

DULCISでもすぐに動けるようにしておかないとね





バレッタさんはなんどもお礼をいって帰っていった
本当にうれしかったんだろう

「早速、グレゴリー様に手紙書くか。俺らはまだ旅行中だからなマキア」

「わかってる。明日は農場へ行こうね」

イレギュラーなことになったけど、後悔はしていない
むしろ見つけられてよかった


ジアンがすぐにグレゴリー様へ手紙を書いてくれて送ってくれた

もう安心しただろ？って頭をなでられた

本当にいつもわがままいっちゃうけど・・・なんでも聞いてくれて
ありがとうジアン





「ねーね、さっきねラウンジの端っこにさ～ピアノみつけたんだよね」

「え？あった？」

「あったあった。うちにあるのと同じくらいのサイズかな。ピアノって人属でつくられているの？」

ジアンのお屋敷にあるやつは人属からのプレゼントっていっていたよね

「そうだな。人属の楽器だからな」

「グレゴリー様の領主館にあったものは？」

「ああ、あれも人属から。各人属の領主館にあるピアノは、人属からもらった同じものだ」

やっぱり～同じやつだよね

「ほかにあるものは、まぁ流れてきたものや、人属から仕入れているものもある」

へ～なるほどね

「人属のピアノの技術ってすごい？うまいの？？」

「そうだな～俺はお前のが上手いと思うぜ」

はは・・それはないだろ
知らない曲弾いているからそう思うだけだ




「さ、今日は早めに寝て、明日は農場だろ」

「はーい！ようやく行けるねｗ」

「いろいろ脱線したけどｗ動きやすい服な」

「りょうか～い」




農場でマールム契約できればいいな
新作のアップルタルト楽しみだ