あなたに逢えたことが答え

ほのか

文字の大きさ
1 / 11
season1

春の…1

しおりを挟む
春といえば、桜
桜と言えば、卒業、入学
と言う連想がされる季節となった
相原柚月は毎年この季節が苦手だ
心が浮かれることもなければ、期待に胸が膨らむ事も無い
ただただ、早く夏になれば良いと考えている

職業柄、春は忙しなくて嫌だと言う思いもある
柚月は高校教師をしている
憧れや、やり甲斐を感じて職についたわけではないので、春の忙しさは億劫にしか感じていない

教師になったから、春が苦手だと言うことでもない
幼い時から苦手なのだ
両親が死んだ時から苦手なのだ

両親は柚木が8歳の時に亡くなった
小学校三年生になった春に亡くなった
自動車のブレーキ事故だったらしい
柚月は、それ以上の詳しいことは知らされていなかった
しかし、幼いながらも両親がしっかりと車の整備をしていた事も覚えているし、心配性だった両親からは考えられない事故の理由だと考えていた

そんな事を毎年毎年、思い出し考えさせられる春、桜をどうしても好きにはなれなかった

「おはようございます」
真新しい制服に身を包み、きらきらと目を輝かせながら校門を潜る生徒達
教師たちもどことなく緊張しながら、門の前に立ち、新入生達に挨拶をする

どの子もこれからの高校生活に期待をしているんだろう
毎年のことながら、冷めた目で生徒達を見る柚月の目が一点を見つめる

見つめる先には男子生徒がいた
その生徒の周りには一目で周りとは違う空気が流れているのが見てとれる
長身長に整った顔、さらりと流れる薄茶の髪、お金持ち高校と揶揄されるこの高校後藤学園の高価な制服を着ていても、着られてる感が全く無いが、所謂おぼっちゃま感もない
15歳には思えない、気怠い色気も見て取れる

周りを歩いている生徒達や保護者も思わず見惚れている
彼は門の前の教師にも挨拶する事なく門をくぐり、中庭へ続く道を歩いて行く
おそらく、中庭に貼られているクラス分けを見に行くつもりだろう
しばらくは、女生徒達のざわつきが収まりそうにないなそう考えながら柚月は体育館へと足を進めることとした

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...