5 / 7
エドワード視点
しおりを挟むマリア・ロデンヌ。
俺がパーティーで出会った変な女性。
変だと思った理由は三つ。
一つは俺に全く興味を示さないところ。
二つは聞いていた噂と違うところ。
三つはどうでもいい嘘をつくところ。
初めて会った時から、何処か避けられている節はあった。
気のせいかと思ったが、そうではなかった。
嫌い?と直接聞いたら、男性が苦手なのだと。
しかし、俺以外にはその様な素振りは見えなかったし、何より嘘をついていれば顔に出る。
俺は王子で王宮は嘘だらけだ。
何時しか嘘を見分けることが出来るようになっていたから分かるのだ。
ああ、煩わしい女。
俺の魅力に惹かれないし、嘘はつくし、会話はつまらないし、根暗だし。
唯一良いところは見た目だけ。
ある意味聞いていた噂と違うんだけど。
噂では派手で、男好きで、贅沢好きな女だと聞いていたから。
やはり噂は当てにならない。
煩わしい女…だけど、あの権力と性格は利用できるかもな。
公爵家という高い身分に変に理想を押し付けて来そうにない控えめな性格。
元婚約者は束縛が強すぎて破断になってからというもの、令嬢からのアタックが凄いから、マリアを婚約者に据えればいい防波堤になるかもな。
俺の母親は庶民。
夜の仕事をしている時に見初められたそう。
そうして俺が生まれた。
整った顔立ち、文武両道、表向きの性格…手に入ったものはある。
手に入っていないものがあるとするならば、揺るがない権力。
だから、片親が庶民である俺には弟に脅かされない権力が必要。
マリアの公爵家という身分だけでも充分魅力的というわけだ。
俺に興味がないばかりか嘘を吐き、つまらなく根暗なところは気に触るが仕方ない。
それくらい我慢するか。
俺はマリアを好きにならない。
マリアの持っている権力は大好きだが、人間は好きにならない。
絶対に。
人を好いて尽くして、何になるというのだ。
自分の為になるとは到底思えない。
そんな無駄なことをしたくない。
人から好かれるのは気持ちがいいから、承認欲求が満たされていいけど。
俺は人一倍承認欲求が強いと自覚している。
その欲求を満たす為、面倒なことも頑張れるのだから。
早速婚約の申し込みをして、近々マリアの家を訪問するか。
適当に菓子や花を見繕っておくよう言っておかなければ。
体面というものはとても大事だ。
俺はマリアとの関係をどうするか考えた。
結果、マリアに好かれる為に努力するのも悪くないかもという結論に至った。
変で煩わしい女だけど、好かれるのは気持ちがいいから。
それに、好かれていない女を振り向かせるのは中々に面白いだろうからな。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる